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2018.06.13
硬式野球

[硬式野球]屈辱のサヨナラコールド負け 上茶谷、梅津で止められず

第69回全日本大学野球選手権大会2回戦・九産大戦

6月13日(水) 東京ドーム

●東洋大3ー10x九産大

2回戦








東洋大








九産大






2x
10x


(東洋大)

●上茶谷、梅津ー佐藤


本塁打:酒巻(六回)

二塁打:山田(六回)




・打撃成績


打順

守備

名前

(中)

竹原(法4=二松学舎大付)

(左)

飯塚(営3=藤代)

(捕)

佐藤(法3=聖光学院)

(二)

中川(法4=PL学園)

(右)

山田(総3=桐生第一)

(指)

岡崎(営1=帝京)

(一)

堀北(営3=龍谷大平安)


(打一)
酒巻(営2=成田)



(三)

津田(総3=浦和学院)

(遊)

小川(法2=霞ヶ浦)



26


・投球内容

名前

球数

四死球
三振

上茶谷(法4=京都学園)
2 3/1
57




梅津(営4=仙台育英)
4 3/1
64




リーグ戦投手三冠の上茶谷がまさかの6失点

今季初の上茶谷-梅津のリレーに

久々の登板となった梅津

 

梅津は2被弾と悔いの残る結果に終わった


「大事な時にけがをする。投げたいのに投げられなかった」。春季リーグ戦直後、梅津(営4=仙台育英)は語った。3年秋にはようやく立てた神宮球場のマウンドに膝をつき、右脚内転筋肉離れを発症。この年の登板はこの1試合のみとなった。「怪我した当時は神宮大会進出は決まってなかったけど、そこを目指して調整した」とアピールを続けるもベンチ入りすらできずにシーズンを終える。そして、迎えた4年生の春。オープン戦から登板を重ね実戦のマウンドに上がるうれしさを噛みしめている矢先の出来事だった。リーグ戦中の練習試合で、次は左足首に打球が当たり、戦線離脱を余儀なくされる。リハビリを終え、リーグ戦終盤にはベンチ入りを果たすも登板はなかった。「勝ち星を挙げられていないのが自分の弱さ。勝ちという結果を残したい」とクールな男が勝ちに対する強い執着を持ち、この全日本の舞台に上がった。


  「ごめん」とリーグ戦で大車輪の活躍を見せた上茶谷(法4=京都学園)から白球を受け取った梅津(営4=仙台育英)は満塁のピンチでマウンドに上がる。「しっかり抑える」と意気込むも相手の勢いを止めることはできず、連続適時打を浴びた。その後は3者連続三振を奪うなど徐々に本来の投球を取り戻す。その後の五回。ここまで順調に試合を作って来た梅津が突如として崩れた。「打たれた瞬間入ったと思った」という9番打者の放ったあたりは、東京ドームの右翼席最前列に飛び込む本塁打に。点差が7点と大きく開いてしまう。

   幕切れはあっけなく訪れた。七回1死をとり迎えた打者に右安を浴びる。しかし、次の打者を簡単に三振にとりひと呼吸。そう思った矢先だった。「ギリギリ入らないんじゃないかと思った」と語った梅津。だが、再び9番打者が放った白球は無情にもオーバーフェンスのツーランホームランに。この一撃で点差が再び7点に開き、大会規定によりサヨナラコールド負けとなった。

 

   大学生活で2度の怪我に泣いた梅津。リハビリ生活は決して平らな道ではなかった。奇しくも2回とも足の故障。「足が使えないとトレーニングは意外と何もできない。ただ、身体のバランスを整える事を考えた」と振り返る。マウンドに帰ってくる度に観客を驚かせた裏側にはこうした弛まぬ努力があったのだ。

   チームメイトが口をそろえてキーマンに挙げたエースの復活。大学初の白星とはならなかったが、この男の戦いはまだ終わっていない。秋季リーグ戦に向けてさらなる飛躍を誓い、また始動する。


◼️コメント

・杉本監督

点の取り合いは予想していなかった。上茶谷は、今日は体調が良くなかったかなと思う。昨日はすごく良かったし、緊張するようなやつじゃないのでそこは難しいところ。力が入らないのかなと思い途中で梅津に変えた。梅津はよく粘ったが最後に2打席連続本塁打を与えてしまったのが大きかった。(劣勢な状況で)慌てることはないと言っていた。自分たちがやって来たことをやろうとしていた。こちらにもチャンスはあったがなかなか簡単には打てなかったし、相手投手への合う、合わないがはっきりしてしまった。竹原が思ったより対応ができなかったり、酒巻がホームランを打ってくれたが、右バッターのヒットが無かった。ピッチャー中心に作り上げてきたが、ここのところで踏ん張れなかった。課題は沢山ある。受け身になるなと話したが、先制されるとなかなか反撃ができない。(これからの課題としては)変化球というくくりに対してのバッティングを強化したい。狙い球、絞った球を狙うことがプレイベースボールなのでそこがチームとして足りないかな。ビッグイニングをつくろうと言っていたが今日は作られてしまった。リーグ戦だったら明日に切り替えられるが、これがトーナメントの難しいところだと感じた。


・梅津(営4=仙台育英)

調子は悪くなかった。(早い段階での登板になったが)準備はできていた。監督も出し惜しみしないと言っていた。一回裏からキャッチボールをしていて、上茶谷の調子次第で中盤もしくはそれ以降から投げる準備はしていた。 上茶谷から交代するタイミングで「ごめん」と一言だけ言われた。上茶谷は今まで一人で頑張って投げてくれていたので、満塁の場面だったが、しっかり抑えたかった。2死まで追い込んだが、甘めに入ってカーブを打たれてしまった。相手の攻撃の流れを止めることができなかった。自分の力不足。申し訳ない。相手の打者は一人ひとりの狙い球が違って、打者に対してどのように攻めていけばいいか探り探りになってしまい腕が振れていなかった。自分の反省するべきところ。ドームだからやりにくかったり、特別緊張したわけではなく、普段通りできていたと思う。サヨナラを決められたのは初めて。あっという間で気持ちの整理がつかなかった。打球が上がった瞬間やばいと思った。そのままホームランになって頭が真っ白になってしまった。リーグ戦でも全日本でもチームに迷惑をかけてしまったので、秋季リーグに向けて、今後は先発としてしっかり抑えれる、監督からも信頼される投手になるために頑張りたい。特にコントロールを意識して、カウントを取りたいときにしっかりストライクを投げられる投球を目指したい。球の威力の弱さを実感したのでそこも修正していきたい。


・山田(総3=桐生第一)

フェンス直撃を打ったのはスライダー。打った瞬間、外野の頭は越えたと思った。食らいつこうとした結果。相手先発の岩田投手は変則左腕で打ちづらさはあった。技巧派ですごい良い投手だった。秋季リーグ戦では、春は投手が優勝に持っていってくれたのでその恩を返せるように、打者が助けれるようなリーグ戦にしたい。


・岡崎(営1=帝京)

打ったのはストレート。打った時に良いとこ転がってるなと思った。スタメンを正式に言い渡されたのは今日の朝。東京ドームで試合をやるのは初めてで、普段使っている神宮球場もそうだがプロ野球で使っている球場でやりやすかった。相手投手も変則左腕ではあったけど、自分自身そんなに打ちづらいという印象ではなかった。来季はまだ完全なレギュラーではないので、まずは試合に出れるよう頑張りたい。スタメンに入ったら勝ちに貢献して、また全国の舞台に帰ってきて今日の悔しさを晴らしたい。


TEXT=須之内海、PHOTO=川口朋珠、永田育美、望月優希