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第102回日本陸上競技選手権大会
6月22日(金)〜24日(日) 維新みらいふスタジアム
▼1日目
男子100m予選(+0.1m)
2組
2着 宮本 10"41 ※準決勝進出
男子100m準決勝(-0.3m)
1組
7着 宮本 10"43
男子400m予選
1組
1着 ウォルシュ 46"10 ※決勝進出
男子800m予選
3組
6着 増田 1'50"46
男子10000m決勝
4位 西山 28'35"72
8位 相澤 28'45"93
W入賞を果たした西山(右)と相澤
ウォルシュは他を寄せ付けない強さを見せた
後半の伸びに課題を残すも、確かな経験を積んだ宮本
山口県にて第102回日本陸上競技選手権大会(以下、日本選手権)が開幕した。強い日差しが照りつける中、選手たちは学生のみならず力のある実業団の選手たちを相手に大健闘。10000mでは西山(総2=東農大二)が4位、相澤(済3=学法石川)が8位とW入賞を果たすと共に、ウォルシュ(ラ4=東野)が400mで決勝に進出するなど順当に駒を進めた。
男子10000mには長距離部門の核を担う相澤と西山が登場。序盤から大六野(旭化成)ら実業団の有力な選手たちが先頭を引っ張っていく中、二人は集団の後方で冷静にレースを進めていく。集団に大きな動きが見えたのは5000m過ぎ。トップがペースを上げ、人数をしぼりにかかったのだ。次々と選手が脱落していく中、相澤と西山は粘りの走りで遅れを許さない。その後、先頭がさらにペースアップを図ると相澤が徐々に遅れを取ってしまう展開に。しかし西山は3位集団をキープし、後続を引き離しにかかる。ラスト200m、市田(旭化成)がスピードを上げると西山もすぐに反応し激しいメダル争いが繰り広げられる。最後まで諦めず、粘り強い走りを見せたが惜敗。それでも西山は4位という好順位に輝いた。学生ながら強さを見せつける結果となったが「最後あと一歩でメダル取れなかったのがすごく悔しい」と振り返った西山。その悔しさが彼をさらに強くさせるはずだ。一方の相澤も、集団から遅れた後も村山(旭化成)などに果敢に挑み見事8位入賞。安定的な強さはチームにもいい風を吹き込んだに違いない。
男子400m予選に登場したウォルシュ。昨季はけがの影響で欠場していたため、2年ぶりの日本選手権となった。スタートから勢いよく飛び出すと、他をみるみる引き離していく圧巻の走り。最後までそのスピードは衰えることなく堂々の1着フィニッシュを飾った。危なげなく2日目に行われる決勝へと駒を進め、日本一へ大手を掛けた。5月に行われた関東インカレの200m準決勝、さらに4×400mリレーの出走を足の不安から回避していたウォルシュ。しかし今はけがの影響はもう無く万全の状態だという。決勝では「自己ベストを更新したい」と力強く意気込む。日本の頂点のみならず、日本新記録更新へ期待せずにはいられない。
地元である山口県での開催ということもあり、注目を集めていた宮本(法1=洛南)。100m予選を悠々と通過し、勝負の準決勝へと挑んだ。準決勝では9秒台の自己ベストを持つ桐生(H29法卒=日本生命)やケンブリッジ(NIKE)、多田(関西学大)らと激突。決勝に残るべく予選よりもいいスタートを切るも、後半上手く伸びず。宮本は強豪相手たちに敗れ、決勝進出は惜しくもかなわなかった。しかし宮本はまだ1年生。今後のさらなる飛躍に注目だ。
800m予選には増田(ラ4=北陸)が出場。1周目は集団の中ごろで様子をうかがいながらレースを進めていく。ラスト1周の鐘がなると先頭が一気にペースアップを図り、増田は徐々に後退していってしまう。最後まで粘りを見せるも6着でゴール。決勝進出はかなわず、悔しさの残る結果となった。
日本中のトップレベルの選手が集う中で、東洋大の強さを見せつける結果となった日本選手権初日。2日目、3日目と強豪たちそして自分を超えるための戦いは続いていく。
◾︎コメント
・ウォルシュ(ラ4=東野)
(レースを振り返って)45秒中ばが出ると思ったが、いいタイムが出なかった。イメージ的にはよかった。寝る前のイメトレでバックストレートの走りをしっかりとイメージしたい。(けがの影響は)もう大丈夫。(決勝では)自己ベスト更新したい。
・増田(ラ4=北陸)
(レースプランは)積極的にいくということだった。速いレースになるということはわかっていたので、先頭の真後ろにつこうと思っていたが、間に入られて後ろへ後ろへと下がってしまった。(今後に向けて)持久力はもちろんのこと、スピードをもう一段階に段階上げるということが大事だと思うのでそこのところをやっていきたい。
・相澤(済3=学法石川)
余裕あるペースでレースを進めていたが途中きついところもあり最初の仕掛けに対応しきれないところがあった。そこはまだ自分の練習不足であり実力不足であるのでそこを練習していって来年はもっと勝負できるようにしたい。最初のほう後ろの方にいってしまったが、あまり焦らずにいけた。前に行くと体力を使ってしまうのでそこは考えた。後半ラスト3000mくらいからペースが上がっていくだろうと思っていたのでそれまでは後ろでいいかなと思って走ってた。初めての日本選手権で自分よりも強い選手と戦えていい経験になったし、これをしっかり生かして次の大会だったり駅伝につなげていきたい。
・西山(総2=東農大二)
最後あと一歩でメダル取れなかったのがすごく悔しい。関カレのときは不甲斐なかったがそれよりはいいレースをしたと思う。勝負どころを見極めて後ろから進んでいきいい形ではまった。残り200mのところまで溜めていこうと思っていたが市田さん(旭化成)も同じことを考えていて、やっぱり関カレのときにもそうだったがそこが課題だと思う。途中でトップ二人が抜けたときは、しっかり様子を見た。実力的にも下のほうだったので2位、3位争いに絡めればいいと思った。結果的に前へすっと出たときに後ろが離れてくれたのはよかった。(今季取り組んでいることとしては)去年ある程度フィジカルの土台と距離の土台を作ったので、今期はスピードに対する対応をやっていた。しかし、それがまだうまくいってないのが悔しい。
・宮本(法1=洛南)
準決勝は予選のときよりはよかったが思うような結果ではなかったので次に活かせたらいいと思う。中盤から後半にかけてが今回の課題である。地元だったので決勝に残りたいという思いは強かったし声援をもらってたので結果を残せなかったのは悔しい。
TEXT=小野由佳莉 PHOTO=小野由佳莉、小島敦希