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2018.09.02
レスリング

[レスリング]越えられない準決勝の壁…課題の残るインカレに

2018年度全日本学生レスリング選手権大会

8月28日(火)~31日(金)  駒沢体育館

[上位入賞者]


男子フリースタイル

57㌔級 菅原(社3=秋田商) ベスト16

61㌔級 宮内滉(ラ3=埼玉栄) ベスト16

65㌔級 太田(社2=埼玉栄) ベスト16

79㌔級 川畑(法2=樟南) 3位入賞

97㌔級 外山(法2=霞ヶ浦)ベスト8


グレコローマンスタイル

60㌔級 菅原 ベスト8

97㌔級 中村(ラ4=宮崎工) ベスト8


女子

53㌔級 小倉(ラ1=海洋) ベスト8

65㌔級 鈴木(社2=市立太田) 3位入賞






見事に投げ技を決める芝元
川畑も積極的な攻めを見せる
相手の隙を突きタックルを狙う白井


 2018年度全日本学生レスリング選手権大会(以下、インカレ)が駒澤体育館で開催された。男子フリースタイルで川畑、女子では鈴木が3位入賞を果たすも、両者とも昨年と同順位と悔しさをにじませる結果となった。


 男子フリースタイル2日目には5人の選手が勝ち進んだ。再注目は今年度から新主将就任となった川畑。1戦目、余裕で勝利を収めると準々決勝でも前半から3ポイントを獲得しペースをつかむ。後半も次々に得意のタックルを決め相手の動きを封じ込め、鮮やかにテクニカルフォール勝ちを決め実力差を見せた。そして勝負の準決勝。一昨年・昨年ともに準決勝で敗退している川畑。三度目の正直となるかという勝負の一戦だったが、開始20秒でタックルを入れられるとそのまま投げの体勢に持ち込まれ先制を許してしまう。残り時間4分時点でタックルからチャンスを狙うも逆に返されてしまい、さらに4失点。後半もポイントを重ねられあえなく準決勝での敗退を喫した。

 一方、女子も健闘した。シードにより準々決勝からの出場だった鈴木は、前半・後半とタックルから流れをつかみバックポイント、ローリングと確実に点を重ねると、相手に1点も許さないままテクニカルフォール。強さを見せつけた。2戦目の準決勝、昨年はここで敗退しただけに気合いが入る。しかし試合序盤にバックを取られてしまう。ここであと一歩踏ん張れず連続ローリングを決められ0-6に。その後も自分の動きをなかなか出すことができずタイムオーバー。昨年と同じ3位止まりの毛かとなった。鈴木も「最初に大量得点を取られてしまったのが敗因」と悔しい表情を見せた。


 グレコローマンスタイル、31日に駒を進めたのは前主将中村とフリースタイルでも活躍を見せた菅原。中村は初戦、開始数十秒で連続ローリングを決め余裕のテクニカルフォール。2戦目も危ないシーンはあったものの着実に勝ち進む。準々決勝。開始わずか10秒で投げ技を決め試合を動かす。このまま流れを引き寄せたいところだったが、立て続けにテークダウン、場外ポイントと連取されてしまう。その後も「体力を削られて自分の動きができなかった」と本人も口にするように、相手の動きに翻弄され思うように点を取らせてもらえない。そのまま4-9となり悔しくも準々決勝敗退となった。


 昨年に引き続き多くの選手がベスト16どまり、準々決勝からも思うように試合を運べず苦しい展開が続くインカレとなった東洋大。しかしここで立ち止まっているわけにはいかない。10月には全日本大学グレコローマン選手権(以下、全グレ)、11月は全日本大学選手権とどちらも強豪選手との戦いを強いられる大会が控えている。新主将を筆頭に新制東洋大レスリング部は飛躍できるか。今後の活躍に期待だ。




▪コメント

・田下(社1=鹿島学園)

今回は減量がきつかった。1・2回戦は相手が弱かったから余裕だったが、3回戦で全日本出場の選手になると全然戦えなかった。(課題は)左構えの相手に腕を取られたり左から攻められると何もできなくなってしまう事。(次戦に向けて)これからは強い選手が多くて、実力差が出てしまうと思うので、他の大学に練習に行ったり、大学内でも強い選手とスパーリングをたくさんやって対応できるようになっていきたい。


・川畑(法3=樟南)

準決勝で負けたので全然良くなかった。毎年ここで負けてしまうので全然うれしくない。準決勝の相手はタックルが上手くて全然歯が立たなかった。(課題は)監督にも外組みが多いと言われたように組み手を直したい。全体的に全部足りない。(次戦にむけて)グレコローマンはそんなに専門ではないが頑張りたい。


・鈴木(社3=市立太田)
優勝を目指していたので3位という結果はあまり(よくない)。初戦はタックルに入ってから止まらないでポイトを取れた。グランドでもアンクルが決まってテクニカルフォールできたので良かった。準決勝では最初に自分が決めてたのに、取りに行った時に相手にタックルを切られてバックを取られてしまった。そこで2点に抑えられればよかったが、2回返ってしまった。6ー0になってからは相手が攻めて来ないで組まれてしまい自分の攻めができなかった。最初に大量得点を取られてしまったのが敗因。(下の階級でも出れるくらい体重が落ちていると言っていたが)見てる人にはふた回りくらい差があったと言われたが、自分の力とか動きはそんなに差があると思わなかった。だから筋トレをして体重を増やしていけば戦えない相手ではなかったかなと思う。(次戦では)組手で相手を崩すことができれば勝てると思う。次はシニアなので社会人の人も出てくるから今回よりレベルは高いが課題を克服していい結果を残したい。


・中村(ラ4=宮崎工)

自分的には良い動きはできたと思う。第1回戦もしっかりローリングを決めてテクニカルフォールもできた。2回戦目はちょっと苦しい場面も多かったが、そこでも諦めずにいけた。準々決勝は、最初投げてチャンスだと思ったが、そのあとは相手が横に回ったり降ったりが上手かったので、そういうところで体力を削られて自分の動きができなかった部分があった。(次戦にむけて)全グレは大学の一番の選手たちが出てくる試合で、ラッキーやチャンスがあまりない実力だけになる試合なのでそこでしっかり自分の動きを出して、技をかけたりしていきたい。


TEXT=渡部穂乃花 PHOTO=小野由佳莉、稲村真織、渡部穂乃花、長枝萌華、林莉子