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第94回関東学生陸上競技対校選手権大会
兼第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州)代表選手選考競技会
5月17日(日)日産スタジアム
▼4日目
男子200m 準決勝
2組
6着 北村 21"59
男子800m 準決勝
1組
7着 尾上 1'53"21
2組
7着 眞柄 1'56"94
男子ハーフマラソン決勝
3位 高橋 1:05'04
5位 寺内 1:05'18
10位 山本采 1:06'00
男子4×400mリレー 決勝
6位 東洋大(ウォルシュ―北村―富樫―辰野) 3'08"28
男子三段跳 決勝
14位 戸塚 15m08
女子5000m 決勝
14位 内田 16'57"83
21位 平山 17'47"64
男子1部
総合5位 62点 ※1部団体入賞
トラック優勝 56点
フィールド10位 6点
女子1部
総合29位 4点
トラック連覇を果たし、小笹(左)がトロフィーを受け取る
関カレ最終日は、ハーフマラソンで高橋(工4・黒沢尻北)が見事3位表彰台に上る。また、エースを欠いて臨んだ4× 400m リレーも6位と健闘した。2日目終了時の総合得点が 11 点という出遅れを後半2日間で巻き返し、2年連続のトラック優勝で閉幕した。
高橋は、目標としていた表彰台に上り笑顔を見せた
ハーフマラソンは、ゆっくりとしたペースの中3選手とも冷静に先頭集団の中に位置取る。 13km ほどから山本采(済3・滋賀学園)が遅れ始めるも、高橋と寺内は「最後まで集団の中でレースを進められたら」という谷川コーチの指示通り集団に付き、レースはラスト勝負へ。高橋は、ゴール際まで繰り広げられた井戸(早大)との激しい競り合いに敗れるも、3位でゴール。「表彰台に上ることができて良かった」と笑顔を見せた。寺内は、見える位置にいた4番手の選手に追い付けず悔しさを残したものの、5位入賞でチームに貢献した。箱根路では悔しさを味わった二人だったが、そこからリベンジを誓い地道に重ねてきた努力が結果という形で実った。
着実に地力をつけ見事入賞を果たした高橋と寺内や、万全ではない中チームのために得点をつかみ取った昨日の渡邊一(ラ4・九州学院)と服部勇(済4・仙台育英)など、今大会では4年生が走りで示す場面が多く目立った長距離部門。最上級生の気持ちの入った走りは、チーム全体に勢いをつけた。今後は徐々に駅伝シーズンに向けた練習に入っていくが、彼ら4年生や関カレに出場した選手が中心となり、チームのレベルアップを図っていく。
トップで流れを作ったウォルシュ(左)、北村のバトンリレー
4×400mリレー(以下、マイル)では小林を欠いた中でも昨日の予選を突破し、決勝を迎えた。関カレ最終種目であるマイルを残した時点で、東洋大のトラック種目の得点は早大と同じであり、マイルの順位にトラック優勝が懸かっていた。「東洋大記録を作って表彰台に上がろう」という目標を胸にスタートすると、1走のウォルシュ(ラ1・東野)からトップに立ち流れをつかむ。「後半に上位に上げる」という作戦どおり、北村(法2・九州学院)、富樫(文3・酒田光陵)が上位でつなぐと、最後は辰野(法4・西武台千葉)に託された。前半は力強い走りを見せたものの、ラストは気持ちとは反面、前に進めず6位でゴール。悔しさは残るが早大のアクシデントにより東洋大が先着し、見事トラック優勝連覇を成し遂げた。梶原監督が「4人が本当に力を出してくれたことでトラック優勝ができた」と話すように、チームメイトからも歓声が沸き起こった。
2日目に桐生と小林が離脱、リレーも失格と悪い流れが立ち込めていた短距離部門であったが、走れなかった選手の悔しさの分も奮起し流れを変えて見せた。また、初の4日間連続の試合に疲労を溜めてしまった選手も多い中、それぞれが走りや応援でチームに貢献し続け、短距離部門のチーム力は格段に上がったはずだ。今後はよりハイレベルになる全日本インカレに向けて戦力を整え、チーム一丸で挑んでいく。
内田は持ち前の粘りで前を追ったが2年連続の入賞には届かなかった
女子5000mには平山(ラ3・酒田南)と内田(食2・学法石川)が出場した。「もう少し積極的に前で勝負してほしかった」と永井監督が語るように、レース前半平山は早い段階で集団からこぼれてしまう。また昨年今種目で入賞している内田も中盤徐々に集団から離されていく。それでも内田は「前しか見ていなかった」と集団から落ちてくる選手を捉えては追い抜き、持ち前の粘り強さを見せた。
女子長距離部門では今大会出場した3種目すべてで入賞を狙っていたため、非常に悔しい結果となった。また、駅伝では今回入賞したような強い選手に勝っていかなければならない。そのためにも各々が自己記録を更新するなど、チーム全体のレベルアップが必要となるだろう。
トラック優勝を目標に掲げ挑んだ今大会。上位が期待された桐生(法2・洛南)や小林(済4・保善)の欠場というアクシデントを乗り越え、選手たちは奮起し激闘を繰り広げた。また、観客席ではチームメイトが東洋大のロゴマークであるTUの形になり声援を送る姿も見られまさに総力戦で勝ち取ったトラック連覇となった。東洋大陸上競技部が一丸となってつくった勢いに乗り、各部門それぞれが次なる目標に向かっていく。
■コメント
・梶原監督
200mの北村はできれば決勝に残れるようにしたかったが、昨日もマイルを走り無理をさせていた。もうちょっと走れると良かった。三段跳の戸塚は3本目にようやく合ってきたところだったので、一本目から合っていればベスト8に残れる跳躍はできたと思う。残念ではあるが、課題は見つかったので全日本インカレを目指して頑張ってほしい。マイルは1走から前に出て流れをつくれた。2、3走は前半は無理しないで後半に上位に上げるという作戦で挑んで、作戦通りにやってくれて良かった。最後はやはり力不足で6位まで落ちてしまった。それでも全員が今持っている力を出してくれたので、全日本インカレではフルメンバーで城西大に勝ちたいと思う。マイルにトラック優勝がかかっていて、早稲田とマイルの前まで同点だった。早稲田にアクシデントがあったにしろ、4人が本当に力を出してくれたことでトラック優勝ができた。(4日間の評価は)けががあって帳尻を合わせてここにきたつもりだったが、4日間連続の試合で足を痛めてしまった。日産スタジアムのように硬いトラックであっても、それに対応できる基礎筋力などが足りない。桐生、小林のダブルエースが欠けても、他の選手が悪い流れを食い止めて、上向きの流れを作れたことはチームの力をとして良かった。全日本インカレでは戦力を整えていきたい。
・永井監督
気温が思ったよりも高く我慢のレースだった。二人とも前半にあまり積極性が感じられず、暑さが頭にあったのかなと思うが、もう少し積極的に前で勝負してほしかった。内田の方は中盤に持ち味の粘りで落ちてくる選手を拾いながらリズムをつくっていたので、次につながってくれればいい。平山は調子が良くなかったことと暑さで力を出し切れなかったが、その中でも一昨日の4年生と同じように最後まで粘っていたので、それを今後につなげてほしい。(関カレを振り返って)1500m、5000m、1万mの出場する3種目で入賞しようと目標を定めてやってきたが、一歩及ばなかった。ここにくるまでの準備が大事だと改めて感じたので、出た選手も出なかった選手ももう一度夏までに試合を設定して自己記録を更新し、それを夏合宿、駅伝へとつなげていきたいと思う。
・谷川コーチ
ハーフはよく頑張ってくれたと思う。暑さもあったのでしっかりと集団の中でレースを進めて、チャンスがあれば出ていく。ただおそらく途中から出て離すのは難しいと思ったので、最後まで集団の中でレースを進められたらと指示していた。高橋と寺内はトラックシーズンでベストも出していい流れできていたので地力もついたと思う。チーム自体もここまでのシーズンの流れが良く、昨日4年生が得点を取って関カレもいい流れできていたのでそれが結果につながったのかなと。(800mについては)予選は何とか二人通過できたが、まだまだ力不足だった。800m自体のレベルも上がっているのでそれに対応できるように強化をしてほしい。(総合的に振り返って)競歩で大量得点をしたのもあったが、全体的に予定通りの点数をしっかり取ってくれた。短距離が取れなかった分を長距離で取ったということは自信にしてもいいのかなと思う。ただ、駅伝を考えると代表になった以外の選手たちがどれだけ頑張れるか。昨年はこれから失速してしまったのでその反省を生かし、この勢いでここから頑張っていきたい。
・高橋(工4・黒沢尻北)
競歩が得点を取ったり、一磨が足の痛い中2位に入ったり、勇馬が故障明けで入賞したりといい流れできていたので、そのままいきたいと思っていた。3番以内を目標としていて、表彰台に上ることができて良かった。(レースを振り返って)ラスト勝負で、付いていくだけと思っていた。スローペースで18kmくらいから少しずつ上がっていくような感じだった。そこまでは余裕を持っていけたが、坂を上り切ってからトラックに入るくらいで離されてしまった。日本人トップを取れなかったのは悔しいが、表彰台に乗れたのでいいレースができたと思う。また、今大会は4年生の活躍が多くて嬉しい。(今後に向けて)夏合宿に向けて走れる足づくりをやっていきたい。また、競技面でしっかり引っ張っていける選手になりたい。
・辰野(法4・西武台千葉)
4日間やっと終わったなという思いがある。(マイルは)正直、自分の走りとしては情けなかった。下級生のおかげで入賞できた。マイルにとって小林が抜けたのはつらかったが、その分下級生が頑張ってくれたので十分に補えた。(今後に向けて)とにかく練習をして体をつくり直していきたい。
・寺内(ラ4・和歌山北)
入賞を最低限の目標にしていたので、入賞できたことは良かった。(レースプランは)あまり考えていなかったが「絶対前に出るな」と指示をもらっていた。学生ハーフでは前に出て後半にだめになったので、ずっと前の人に付いていたことが良かったのかなと思う。残り1周まで結構余裕はあったが、早稲田の選手がペースを上げたときに力んでしまって全然動かず、対応できなかった。余裕があったのに付いていけなかったのがだめなところ。4番の選手が見えていたのに追い付けなかったのも力不足。(収穫は)普段のレースは冷静にいかないが、今日は冷静に進められた。(チームとしては)初日と2日目はあまり点数を取れなかったが、監督にも「のびのび楽しめ」と言われたのでそういう気持ちで、3日目に競歩、3000m障害、5000mで一気に点を取れた。自分としては今回短距離部門に頼りたくないという気持ちが強かったので、長距離部門でも点数を取れたことは本当に良かった。(今後は)夏合宿に向けて走り込みになると思う。出雲駅伝から主力として走り、服部兄弟には頼らず自分や高橋とかがしっかり引っ張っていけるようにしたい。
・富樫(文3・酒田光陵)
予選で大学記録まであと少しだったので、決勝では出したいと思っていた。個人的には前半もう少し付いていって後半勝負したかったが、結果的に前半付いていくことができず後半頑張る形になってしまった。前半の入りとスピードの強化が必要なのかなという印象があった。(短距離部門として厳しい場面もあったが)4継の分や、(小林)将一さんが走れなくなった分も頑張ろうという気持ちになった。悪い部分だけでなくプラスになった部分もあったと思う。トラック優勝は始まる前から目標にしていたので、最後マイル次第となった中で連覇できて良かった。タイム的にもラップはベストが出たり、予選は前半も付いていけて自信になる部分があってこの状況で走ったことが成長できたかなと。日本選手権リレーや全日本インカレで走れるように練習頑張って、走った上で今回よりもいい成績を出したい。
・内田(食2・学法石川)
去年入賞できたので今年も入賞を目標にしていた。刺激が完全ではなかったが走れなくはなかったので、いつも通りだった。(試合では)前半にあまり動かず中途半端な位置でレースが始まってしまったので、最初からもっと前の方で走れていたら良かった。(集団から離れた場面は)付かなければという気持ちはすごくあったが付けず、そこでできなかったから今回のレースはずるずるしたレースになってしまった。(後半は)前しか見ていなかった。途中に抜かれたりしてあまり粘れていなかった。納得がいかない。(今後は)やはり悔しいので練習をもっとやるしかない。適当になってしまう部分があるので、もっとレース1本1本に集中して生活の中に競技を組み入れていかないと勝てないとすごく感じた。(部門としては)(佐藤)早也伽先輩が1万mで入賞して駅伝を見据えた長い距離に対応できる選手が出てきたのかなと思う。自分も駅伝でメンバーとして走りたいので、短い距離も長い距離も走れるようにならなければいけない。次は課題を持ってレースをこなすことと、とにかく生活の中に練習をおき練習第一でもっと強くなれるように頑張りたい。
・北村(法2・九州学院)
(今回の結果はどのように考えるか)表彰台を狙っていたので6位入賞といえども悔しい。ウォルシュが前の方でバトンを渡してくれてこのままいけそうな手応えはあったが、最後に巻き返されてしまった。(スタート前、メンバー間では)このメンバーで東洋大記録を作って表彰台に上がろうということを話していた。(200mは準決勝敗退に終わったが)風も良い条件の中であったがスタートする前から体に疲労が溜まっていて、自己ベストではあるが思ったような走りができず物足りなさを感じたレースだった。(その後、マイルリレーに向けてどのように切り替えたか)総合得点で早大と僅差になっていて、勝った方がトラック優勝の可能性があると聞かされていたのでマイルで勝つことだけを考えた。(今後は)まずは体を休ませる。そして最大の目標である個人での全日本インカレ出場に向けて記録会などで標準記録突破を目指したい。
・ウォルシュ(ラ1・東野)
小林さんがいなかったが、みんな速いのでそこは全然大丈夫だと思って、気合を入れて臨んだ。個人の400mの予選や準決勝よりはいい走りができた。ばっちりスタートが切れて、最後もたれずにいけたと思う。チームのみんなにはありがとうしかない。本当に感謝でいっぱい。(振り返って)4日間走るのは初めてだったので、疲れも少しはあるが、いい経験だと思ってしっかり次に生かしていきたい。(次に向けて)アジア選手権か、選ばれればユニバーシアードになるが、調子がいいのでこのまま次につなげていきたい。
TEXT=青野佳奈、畑中祥江、吉川実里 PHOTO=野原成華、石田佳菜子、伊藤空夢