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2016.02.28
陸上競技

[陸上競技]日本選手権クロカン 男女共にエース2人が出場 それぞれの目標に向け経験の場に

第99回日本陸上競技選手大会クロスカントリー競走クロカン日本選手権

2月27日(土)

国営海の中道海浜公園クロスカントリーコース

シニア男子12km

5位 服部弾 36'32

シニア女子8km

17位 佐藤早 28'29


懸命に前を追う服部弾

佐藤早は先頭集団に食らい付いていく走りを見せた

日本選手権クロカンに男子長距離部門から服部弾(済3=豊川)、女子長距離部門からは佐藤早(食3=常盤木学園)が出場し、服部弾は5位に入賞した。実業団選手も多く出場しレベルの高いレースが繰り広げられ、互いにラストシーズンを迎える2人にとって、それぞれの目標への課題を得るレースになっただろう。

 

シニア男子12kmではスタート前に雨が降り始め、レース中には強風が吹き雷鳴も響く悪状況となった。その中、優勝候補の神野(青学大)を筆頭に先頭集団が形成され服部弾も懸命に食らい付いていく。集団がばらけた後は千葉クロカン2位の上田(山学大)を振り切り粘りの走りで前を追い続け5位でゴールした。優勝候補に挙げられながらも故障明けで本来の力が発揮できなかったが果敢に攻めたレースは目標のリオデジャネイロ五輪へ生かされることだろう。

佐藤早は強い選手が多いレースで前に付いていく走りを目標としていた。しかし前半は先頭集団にレースを進めるも、後半はスタミナが持たず前との差が広がってしまった。結果に満足していない佐藤早に対し、永井監督は「彼女の力からすれば9割くらいの力が出せているレースになった」と評する。2度のクロカンを経験し、後半のスタミナや勝負どころで勝てる走りが課題として上げられた。これをクリアできれば強い選手が多い中でも積極的に前に攻める走りと共に、迎えるトラックシーズンや駅伝シーズンでさらなる活躍ができるはずだ。

 

各部門のエースである二人もついにラストシーズンを迎える。シーズン前半はリオデジャネイロ五輪や関東インカレで上位入賞など目指すところは異なるが、目標達成へ走りに磨きをかけることでチームの柱へと成長していくに違いない。

 

■コメント

・永井監督

冬季練習の一環として千葉クロカンと今回のクロカン、アップダウンのある中でどれくらい頑張れるか、4月のトラックシーズンに向けてのレースという位置付けで出場した。(佐藤早は)冬季練習も順調にこなしている。前半は先頭集団にもついていけたので、彼女の力からすれば9割くらいは出せているレースになったと思う。課題は後半のスタミナ。千葉クロカンも今回も最後の勝負どころで、強い選手と比べるとまだまだかなと課題としてはっきりわかった。残りの春休み期間でしっかり勝負どころで勝負に勝てるというレースができるように、最後の1ヶ月しっかりやっていきたい。(佐藤早に期待するところは)前半は関東インカレで今年は5000mと1万m両方に出ようと冬場やってきているのでそこでやはり表彰台にしっかり上れるように。この冬課題を持ってやっているので、最後のシーズンの前半は関東インカレの5000m、1万mで3位以内というのを達成してほしいと思う。もちろん駅伝シーズンもエースとしてチームの柱となってやってほしい。

 

・佐藤早(食3=常盤木学園)

強い選手がたくさん出るので、できるだけ最後まで頑張ってついていけるような走りをしようと思っていた。(前回より距離が伸びたが)千葉クロカンで走ったときよりも短く感じた。早い段階で離れてしまい、そこから自分の速いペースでいけなかったのが悔しかった。(今後は)関東インカレに向けて、そこでしっかり勝負できるように練習を積んでいこうと思う。

 


TEXT/PHOTO=福山知晃