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第3回日光いろは坂女子駅伝
11月27日(日) 日光だいや川公園~日光二荒山神社中宮祠
総合 8位 東洋大 総合タイム 1:38'33(23.4km)
1区 (4.7km)佐藤瑞穂 18'07(6位通過・区間6位)
2区 (5.2km)梨本侑季 20'40(10位通過・区間11位)
3区 (3.5km)矢澤紀咲 15'49(8位通過・区間7位)
4区 (3.0km)永木里沙 14'42(6位通過・区間9位)
5区 (3.5km)柴田桃花 16'22(10位通過・区間13位)
6区 (3.5km)曽我笑夢 12'53(8位通過・区間6位)
第1中継所 1区・佐藤瑞(右)→2区梨本
第3中継所 3区・矢澤(右)→4区・永木
第5中継所 5区・柴田(左)→6区・曽我
曽我はゴール前で他大を振り切った
日光いろは坂女子駅伝大会に女子長距離部門が挑み、昨年よりも順位を上げ8位でフィニッシュした。出場メンバーは大学での駅伝経験が少ない選手を中心に構成され、練習の一環として出場。駅伝の経験を積み今後につながる大会となった。
スタートからゴールまでに約875mもの標高差を有するいろは坂女子駅伝。6区間中、1区から5区のコースは終始上り坂となる。その過酷なレースの前半区間は今大会が大学での駅伝初出場となる3選手が努めた。
1区は永井監督が最近調子のいい選手として抜擢(ばってき)した佐藤瑞(食1=仙台育英)。集団後方から徐々に前へ詰め、6番手で2区・梨本(食3=駒大)へタスキをつなぐ。梨本は序盤で後続選手に追い抜かれ単独走になるも気持ちは切らさない。2区の最後の下りで一人抜き返してタスキリレー。続く矢澤(食1=古川黎明)も大学駅伝は初出場であったが「気を張らず普段通りに」と安定した走りで2つ順位を上げる。タスキは後半区間へと渡った。
4区、5区は大会名でもあるいろは坂を上っていく区間だ。急勾配かつ山道の急カーブが続く厳しいコースに挑んだのは4年生の永木(食4=埼玉栄)と柴田(食4=三浦学苑)だった。永木は今大会が大学でのラストラン。「上りは苦手」と言うもののきつい上り坂で二人を追い抜かす。「走れる喜びをかみしめて走った」と4年間の思いを込めて上り切った。6区間中最も勾配が激しい5区は2年連続で柴田が挑んだ。「去年よりは内容的にはいい走りがしたい」。そう決心して挑んだ5区だったが、難関コースのいろは坂に阻まれてしまう。思うような走りができず悔いを残し、最終区へとタスキをつないだ。
アンカーは昨年2区を出走した曽我(食2=須磨学園)が任された。2度目の駅伝で心に余裕をもって挑んだ曽我は、落ちてくる選手を冷静に拾っていき順位を上げる。ラストは走りを切り替え、並走状態から抜け出しタスキを受け取ってから2つ順位を上げてゴール。6人全員で上り切った。
今大会は上りに特化したコースであることに加え、出場したメンバーには1週間後の記録会を控えている選手もいたため練習の一環としての出場であった。「駅伝を通していろんな課題であったり弱みなどが見えてくる」と永井監督の狙い通り、選手たちはそれぞれ課題を見付けている。富士山駅伝まであと1ヵ月。まずは1週間後の記録会で好記録を狙い、チームで士気を高めていく。
■コメント
・永井監督
なかなかレギュラーで出られない選手を中心にメンバーを組んだ。駅伝を通していろんな課題であったり弱みなどが見えてくるので、そういう点を今日走った選手がそれぞれ何か感じてくれればいい大会だったのではないかと思う。前半から遅れるわけにはいかないということで最近調子の良かった佐藤瑞を1区にして、あとはかなりきついコースなので無理なく我慢していこうというオーダーだった。(4年生の二人は駅伝に出るのは最後だったが)そういう意味ではコースの苦しいところを二人に任せた。よく我慢して走ってくれたと思う。(順位については)極端に上っているコースなので、チームの順位や個々の区間順位というよりは来週の記録会に向けてそれぞれいい練習の一環という位置づけであると選手には言っていた。その中でもタスキをかけて走るというのは大学に来てからあまり経験のない選手たちなので、そういう経験もして切り替えて来週の記録会に向かってほしい。来週は主力も含めて5000mの記録を狙いに行く準備をしているので富士山駅伝に向けていい弾みにしたい。富士山駅伝でも8位入賞を達成できるようにしたい。
・1区 佐藤瑞穂(食1=仙台育英)
今日は練習の一環としてのレースだったので、最初から積極的にいって最後まで粘ろうと思っていた。前半は後ろの方だったが、そこから徐々に前にいった。中央大学とか3、4校が前の方にいてその後ろの第2集団にいた。後半で集団がばらけてからは一つ一つ抜いていった。(1区に決まったときは)距離は長いが、4区や5区の上りが区間よりは良かった。(2区の梨本からは)「待ってるからね」と言われていた。(今日の走りを自己評価すると)まだ調子も全然上がっていない状態なので、これが今後のレースや練習の刺激なればいいと思う。もう少しという感じ。(今後の目標は)今年はあと1ヵ月。まだ日体大記録会もあるのでそこで少しでも調子を上げたい。
・2区 梨本侑季(食3=駒大)
大学で出る初めての駅伝だった。抜かされてしまって粘ることができなかったのが反省点。中間の走りなど、自分の苦手としていることが出てしまったレースだった。(抜かれたのは)序盤のあたり。その後も見える範囲にはいたが詰めることができなかった。ずっと一人で走っていたが、ラストは下りを利用して切り替えられて一人抜かせたので、最後まで気持ちは切らさず走れたと思う。(アップダウンは)得意な方だが、ずっと上りが続いたので思った以上に足にきて、最初から息は上がっていた。(大学初の駅伝は)仲間とタスキをつなぐというのは、やはり特別な思いがある。きつかったが、楽しんで走れた。(今後に向けては)来年で4年になって、悔いの残らないように駅伝メンバーに絡めるように、これからステップアップしていきたい。
・3区 矢澤紀咲(食1=古川黎明)
1区が6位で来ていて去年より順位もいいと聞いていたのでいい流れをつなげられるように意識した。タスキをもらったとき前が見えていたので一人でも抜いていこうと思って走った。トラックとロードは違う上に坂もあるので飛ばし過ぎないようにペース配分に気を付けた。ラストで後ろに選手が来ていたが、応援の声も聞こえていたので越されないように走った。(大学での駅伝は初めてだったが)気を張らず普段通りに走るように心がけた。夏に赤城マラソンでロードを走った経験が生きたと思う。坂ダッシュのイメージで走るように監督に言われていた。(今後は)今季はあと来週の記録会に出るので記録を狙って頑張りたい。
・4区 永木里沙(食4=埼玉栄)
前の大学とは1分くらい差があったが、4区はいろは坂の一番の山と聞いていたので自分のペースを崩さないように走った。最初から坂がきつかったが、だんだん前が見えてきて最終的に二人抜かせたので良かった。ラストランだったので抜かせて良かった。最後に4年生としていい流れがつくれたのかなと思う。(二人抜いたのは)後半の方だったが、応援の人がすごくいてそこで抜かせた。応援がすごく力になった。2年生のときに2区を走ったが、こんなにすごい山は今回が初めてだった。上りは苦手だが、もう上るしかないと思って上った。(ラストランだったが)走れることに感謝することと、走れる喜びをかみしめて走った。
・5区 柴田桃花(食4=三浦学苑)
前回と同じ区間だったので去年よりは内容的にはいい走りがしたいと思っていたが、走ってみたら去年とあまりタイムが変わらず反省が残る走りになった。タスキが渡ったときには前後に他大がいたので、前に追い付こうと思っていたが後ろから来たところに抜かされてしまって、そこから追い付けなかったのが残念だった。来週は最後の日体大記録会があるので大学の中で一番いい記録が出せるように頑張りたい。
・6区 曽我笑夢(食2=須磨学園)
去年は2区を走っていて、距離が長いので不安の方が大きかった。今年は自分の調子も気持ち的にも、去年よりゆとりがある中でアンカーに選ばれて、何よりも楽しみというのが大きかった。前が見える位置でタスキを渡してもらえて走りやすかった。自分がペースを上げて捕らえた訳ではないが、落ちてきた人をしっかり拾っていき、最後切り替えて走れたことが良かったと思う。(収穫は)大学に入って2回目の駅伝になって集団ではなく、一人で流れを作ってその流れに乗るということは駅伝でしかできないからその経験を積めたことが一番大きい。最近少しずつラストで切り替えられるようになってきているのを自分でも思っている。今回も並走していたところを最後しっかり抜けたことが、次の日体にもつながると思う。(日体大記録会に向けて)今季3000mに出ているが、秋に入ってから狙った記録が出せていない。調子が上がっている感じがある中でレースができても、なかなかタイムに結び付いていないレースが続いている。今回はタイムと自分の感覚を合わせた走りをしたい。
TEXT=吉川実里 PHOTO=伊藤空夢、吉川実里、福山知晃