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第66回兵庫リレーカーニバル 兼 ジャガルタ2018アジア競技大会日本代表選手選考競技会
4月21日(土)〜22日(日) ユニバー記念競技場
▼1日目
アシックスチャレンジ男子10000m決勝
1組
DNS 吉川
2組
5位 相澤 28'17"81
DNS 山本修
アシックスチャレンジ女子5000決勝
3位 白川 15'58"54
ニャイロ(山学大)とのデットヒートを演じた相澤(左)
白川はトラック初戦で攻めの走りを見せた
兵庫リレーカーニバルのアシックスチャレンジに男子長距離部門から相澤(済3=学法石川)、女子長距離部門から白川(食3=常総学院)が出場。10000mで相澤が自己ベスト、日本選手権の標準を切りながら日本人トップの5位でゴール。白川は5000mに出場し今季初戦ながら学生トップの3位と男女ともに好成績を残し、5月に行われる関東インカレ(以下関カレ)に向けて弾みをつける結果となった。
10000mの日本選手権A標準記録である28分20秒切りを狙い、今大会に挑んだ相澤。ニャイロ(山学大)、カリウキ(日薬大)、パトリック(日大)など留学生ランナーが序盤から積極的にレースを引っ張る中、相澤は集団の中ほどで様子をうかがう。集団が崩れたのは6000m過ぎ。カリウキが飛び出るとパトリック、ベケレ(マツダ)、キサイサ(桜美林大)が続き後続を離しにかかる。それでも相澤は落ち着いた走りを見せた。「400mラップが70秒かかっていないのでそのあたり粘れたところが良かった」と酒井監督も評する粘りの走りを見せ、ラストではニャイロとのデットヒートを制し日本人トップの5位でゴール。28分17秒81で日本選手権の標準を切ると共に、自己ベストを30秒近く縮めた。
「この大会で28分20秒を切ることを目標に春先やってきたので、順調に力を出すことができて良かった」と振り返った相澤。チームの主力がクロスカントリーで活躍する中、相澤はトラック1本に絞り調整を進めてきたことが結果につながった。今回マークしたタイムは設楽啓太、悠太(ともにH25年度済卒=日立物流・Honda)、服部勇馬(H27年度済卒=トヨタ自動車)に続く東洋大歴代4位の記録。歴代鉄紺の大エースと肩を並べた。今後は関カレ、日本選手権とトラックで順調にステップを踏んでいく。
今季トラック初レースである白川は終始攻めの走りでレースを展開した。スタートから集団の前方に位置取ると、集団が徐々に縦に長くなるにつれて前に出る。3000m付近で先頭を捉えると、3人の集団で残り一周へ。最後こそスパートで離されるものの、学生トップの3位でゴール。「狙い通りのレースができた」とトラック初戦ながらベストタイムに近い15分台の結果を残し、関カレへ向け状態の良さをアピールした。
今冬には実業団の合宿に参加して走りを磨いてきた白川。課題であるスピード不足に対応するため、今シーズンは例年より体重を増やしてトラックシーズンを迎える。上岡コーチは「体重が増えることの不安もあったと思う」と語るが、白川は一抹の不安も感じさせない力強い走りを見せた。新たな試みで、狙うは関カレの表彰台だ。
今大会、男女ともにエース格の選手がさらなる進化を遂げている。今大会の勢いそのままに関カレでは相澤、白川を中心に表彰台を鉄紺色に染め上げる。関カレまであと一ヶ月、狙うは二年連続のトラック優勝だ。
◾コメント
・酒井監督
今回のレースは日本選手権の標準を切るためのレースでそれが日本人トップという結果につながった。他の主力が学生クロカンに行く中で、相澤は10000m1本に絞った。熊日30kmの後に日本選手権の標準を切って、関東インカレ、日本選手権というシナリオを作ってきて、それが達成できたのことは他の子たちちも刺激になると思う。6000mあたりで一旦集団が崩れかかったが、それでも400mラップが70秒かかっていないのでそのあたり粘れたところが良かった。東洋大としては設楽兄弟、(服部)勇馬に続いて4番目のタイム。関東インカレが終わっても日本選手権は日本選手権で照準を合わせていきたい。西山も日本選手権に出られるので2人で練習していきたい。相澤は1月に体調を崩していて熊日で失速して、駅伝だけでなくトラックでも強化をしていって今後につなげていきたい。この後もアジア選手権、ユニバーシアード、オリンピックと続くのでそこに挑戦する権利をこの後は目指していきたい。(関東インカレに向けて)トラックは西山、相澤中心に、ハーフに関しては箱根に出た他の子を中心に考えている。1500m、3000m障害など他大学はスピードある選手が多いので、競歩にお願いするだけじゃなく、全種目で入賞していきたい。
・上岡コーチ
春休みに実業団の合宿に参加して普段やらない練習をしていて、帰った後も順調に疲労感もなくできていた。体重が増えることの不安もあったと思うが、いろんな実業団、社会人の選手にアドバイスをいただいて、最後のスパートの弱さを体重を増やすことで力強さを磨いていくことが課題だった。それがレースと中でところどころ見ることができたので手応えを感じている。ラスト600mあたりで仕掛けるとか、実業団の選手に気持ちの面で負けていてついていくレースしかできなかったので、自分でレースを組み立てる力が求められる。関東インカレは昨季4位という悔しい結果に終わっているので、集中して練習して勝つつもりで挑みたい。
・相澤(済3=学法石川)
中盤ペースが上がったところで結構きつかったが、きついところでしっかり粘れて体も動いていたので行けると思った。この大会で28分20秒を切ることを目標に春先やってきたので、順調に力を出すことができて良かった。1万mのタイムを狙う最後の大会だったのでしっかり狙った大会で出せたというのは成長できたなと思う。去年はチームに貢献する走りができなかったので、今年は表彰台を狙って東洋大のトラック優勝に貢献できればいいと思う。
・白川(食3=常総学院)
3番は狙っていたので狙い通りのレースができた。合宿終わって体重が増えてどんな感じなのかなというのと、1本目の試合がどんな感じなのか。関東インカレにつながるレースで、しっかりと攻めの走りができたんじゃないかなと思う。(レースプランは)あまり考えていなくてトップの選手の方について行って、ラストスパートで離されてしまったがスピードがないとわかったので、その強化とともにロングスパートの練習に取り組んで行こうかなと思う。みんな(ラスト)400mで上げてくると思うので、500、700mとみんなが気が付かないところでスパートをかけられるようにしていきたい。(実業団に混ざり練習した手応えは)初戦で15分台出せたというのは大きな収穫だと思うし、自信にもつながったので、気持ちを高めて関東インカレは優勝争いに加われるようにしたい。
TEXT/PHOTO=大谷達也