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第87回日本学生陸上競技対校選手権大会
9月6日(金)〜9日(日) 等々力陸上競技場
トラック2位
多種目優勝
男子200m準決勝
2組(風:-3.2)
7着 松尾 21"98
男子3000m障害決勝
3位 小室 8'48"66
男子4×400mリレー決勝
1位 東洋大(吉津-池田仁-櫻井朴-ウォルシュ) 3'06"34
女子走高跳決勝
18位 小池 1m65
3連覇を果たし大会を締めくくったマイルメンバー
2、3走で勝負を決めることができた(左から櫻井朴、池田)
積極的な走りを見せ表彰台へ登りつめた小室
全日本インカレ(以下、全カレ)最終日、各種目の準決勝、決勝が行われ会場は大きな歓声に包まれる。東洋大からは、400mの絶対的エースウォルシュ(ラ4=東野)を加えた4×400mリレー(以下、マイルリレー)で見事全カレ3連覇を果たし、他大学に圧倒的な差を見せつけた。また3000m障害決勝に進出した小室(済3=仙台育英)が3位入賞と終始攻めの走りを見せ、表彰台へと登りつめた。
マイルリレー、決勝のスタートリストには吉津(ラ2=豊橋南)、池田(法4=岩村田)、櫻井朴(総4=国学院栃木)、ウォルシュと4人中3人が4年生の布陣となる。経験豊富なメンバーで3連覇へと挑んだ。1走は予選でアンカーを務めた吉津。200mまではややスロースタートで入ったが、持ち前のラスト100mの追い上げを見せほぼ横一線でバトンを渡す。どの走順でも期待に応える柔軟性を発揮する結果となった。2走は予選で好走を見せた池田。300m地点までは5校が先頭を争う大混戦となる。ラスト100m、集団の中から抜け出したのが池田だった。後続を約5m離しバトンリレー。最後の50mで集団から一歩前へ出ることに成功した。
3走は主将の櫻井朴。マイルリレーでは、一度リードしてもすぐに追いつかれることがよくある。しかし、櫻井朴はバトンをもらうと後続をどんどん引き離していく。アンカーのウォルシュに余裕を持ってつなぐ大仕事をやってのけた。「(ウォルシュ)ジュリアンのところまでに決着をつけることができた」と土江コーチは1走から3走までの走りを高く評価した。ウォルシュは期待どおり仲間の作った貯金を生かし余裕を持ってレースを進める。最後まで他を寄せつけることなくそのままゴール。見事全カレ3連覇を飾った。中でも池田にとっては主力として活躍してきた立場ながらも大学初タイトルとなった。
男子3000m障害には、今年の日本選手権で8位入賞と波にのる小室が優勝を狙いにいく。この種目4連覇がかかる塩尻(順大)にどう喰らい付いていくかに注目が集まった。レースは1周目から予選と同様、塩尻がレースを引っ張る展開に。最初の1000mを2分50秒と大会記録更新ペースでレースは進み、はやくも優勝争いは塩尻、荻野(神大)、そして小室に絞られる。ここから先頭のペースは上がるものの小室は簡単には離れない。応援席からは大きな「翼」コールが響きわたり、小室の走りを大きくサポートする。しかし、2000m地点で塩尻がさらにペースを上げると小室は先頭から遅れてしまう。また、後ろからの追い上げにより苦しい展開が続く。それでもラスト一周で粘りを見せ3位を死守。学生内で確かな実力を見せつけるレースとなった。
200m準決勝には、昨日の100mで見事7位入賞を果たし勢いに乗る松尾(総2=神辺旭)が登場。100mでの勢いそのままに決勝進出を果たしたいところであった。しかし、100mの疲れもありスタートでやや遅れると直線でも思うようにスピードに乗れず7着でフィニッシュ。決勝へと駒を進めることはできなかった。
女子走高跳にはルーキーの小池(生1=武南)が出場。1m65を2回目で成功させ、1m70の跳躍へと進む。1回目のジャンプでは、成功かと思われたがわずかにバーをかすれてしまう。その後の2、3回目の跳躍でも越えることが出来ず。初めての全カレは悔しい結果となった。
全カレ最終日は東洋大のマイルリレーで幕を閉じた。各部門収穫と課題を大いに得た大会となったことは間違いない。東洋大戦士たちのさらなる活躍にますます期待が高まる。
◾︎コメント
・土江コーチ
200mの準決勝に関しては松尾の力を出し切れず、不甲斐ない走りになってしまった。最後のところ足に違和感があって走りきれなかった。少し昨日のダメージが大きかったと思う。100mでしっかり決勝まで残れたのは収穫であった。2年生にしてはいい経験ができたインカレになったと思う。今は、宮本がエースとしてやっているが松尾も実力者なのでもう一皮も二皮もむけていいレースができるように来年はなってくれるんではないかと思う。マイルに関しては、4年生が3人いてジュリアンも日本選手権リレーがあるにしてもインカレということでマイルでも400mでも勝って終わりたいというところが出せた。ジュリアンに渡るところまでに決着をつけることができたのがすごく大きいと思う。池田は特にこれまで主力でやってきたが故障とかなかなか調子が上がらないことがあり実は勝ったことがなかったので最後に優勝することができてよかった。
・櫻井朴(総4=国学院栃木)
当初の目標であった3連覇ができてうれしい気持ち。(決勝のメンバーの狙いは)予選は(ウォルシュ)ジュリアン抜きでほとんどみんな走力は変わらないが、松原が外れてしまってその松原の思いも4人で優勝しようという気持ちで走った。ジュリの次に個人で一番速いのが吉津なので、それで2に安定感がある(池田)仁で3に自分でもう勝負をつけるつもりで、という配置だった。(池田から始まる4年生どうしのバトンリレーとなったが)4年生として4年間一緒に練習してきた3人なので、仁なんて本当に初めての決勝でずっとけがをしていてそういう思いとかがあって仁はトップでつないできてくれたので、自分が引き離してジュリに渡そうという気持ちだった。(予選3組でトップ通過だったが)ジュリ抜きでトップ通過できたのは予想通りと言えば予想通りで、それにジュリアンを加えて学生記録を狙おうというのが優勝ではなく目標だったので、でもそこが達成できていないのが悔しいので10月に日本選手権リレーがあるので、そこで記録を狙って頑張っていきたい。(今後の意気込みを)日本選手権リレーで最低でも優勝して、そこで学生記録をつくって最後東洋大学に貢献したいと思っている。
・ウォルシュ(ラ4=東野)
最後ということでこのチームで優勝を飾れたことがうれしい。(最後の全カレは)純粋に楽しかったことが一番。自己ベストには届かなかったが、優勝できたことが良かった。(予選、準決勝で色々走りを試していたが)1レースごとに手応えはあった。得た手応えから走りを修正することができた。(日本選手権リレーへの意気込みは)優勝はもちろんのこと、学生記録というところを一番に狙いたいと思う。
・池田(法4=岩村田)
(今日のレースプランは)昨日同じく二走を走ったのでその通りに走ろうと思ったが監督から学生記録を狙っていくと言われたので、前半から追い風だったが飛ばしていこうと思って走った。(メンバーとして久々のレースはどんな気持ちだったか)メンバーが1年生の時に全日本インカレで入賞したメンバーと同じで4年生最後ということなので全部出し切るつもりで走った。(4年生としての最後の全カレは)優勝という形で終わることが出来てチームのメンバー、監督はじめコーチ陣にすごく感謝している。(10月の日本選手権の意気込み)日本選手権は出るか分からないが、出るとなったら学生記録を狙う最後のチャンスなので頑張りたい。
・吉津(ラ2=豊橋南)
(優勝したが)優勝できてうれしい。4年生がマイルリレーで3連覇することの力添えをすることができてうれしい。(一走だったがレースを振り返って)出遅れるとそこから流れをつくり直すことがすごい大変なことは自分がよく分かっていたので、人生初めての一走だったが、やることは一番で帰ってくることかなと。タイムは学生記録を狙っていこうということだったので、それを狙っていくためには確実に一番で断トツで渡さないといけないと思っていた。準決勝がやはり悔しい結果で終わったので、その雪辱を果たせるような走り、その時の反省点をしっかり生かした走りをしようと。まだスピードが足りないなと感じています。(レースプランは)後ろの3人がとてもすごい人たちなので、少し失敗してもいいので前半突っ込みたいなと思っていたが、やはりまだ身体がまだ突っ込もうと思っても突っ込めるスピードに限界がある状態なので、周りから見たらまだ遅いねっていう状況で、それを上げていかなければならない。これから来年4連覇を果たすために必要だと思う。(日本選手権リレーへの意気込みを)やはり記録ですよね。今回は少しコンディションがよくなくて、風もすごくて。10月は気温は下がると思うが学生記録を狙って、勝つのは当たり前。誰が走っても勝てるチームだと思うので、学生記録狙いたい。
TEXT=小島敦希 PHOTO=稲村真織、小野由佳莉、大谷達也