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2022.12.18
アイススケート

[アイスホッケー] 「リンクの中央で胴上げしたい」インカレ直前特集⑥・宮田大輔選手

12月20日、新横浜アイスアリーナで第95回日本学生氷上競技選手権大会(以下、インカレ)が開幕。「学生日本一」をかけて5日間の戦いが繰り広げられる。2019年、21年と優勝している東洋大は、3連覇を目指して挑む大会。インカレ直前特集と題し、7選手のインタビューをお届けする。 



最上級生として、フォワード陣として、チームの前線に立ち続けたFW宮田大輔(社4=白樺学園)。連覇のかかったリーグ戦を制し、「ほっとした」と振り返った。いよいよ集大成のとき。4年間の思いをぶつける。(取材日・12月12日、聞き手=青木智哉) 


ーーリーグ戦を振り返っていかがですか

春、タイトルを一つ落として、秋、臨んだんですけど、去年は1チームに1回しか当たらなかったのが、今年は変則で試合数が倍近くあって。その長いリーグ戦を経験しているのって、1年生のときの僕らが最後なので、4年生しか長い期間を経験していなくて、メンタルの部分がいちばん大事だなと思いながら、リーグ戦に臨んだんですけど。負けた(セカンドリーグの)明大戦がそうですけど、やっぱりメンタルが揺らがないチームがいちばん強いんだなっていうのを再確認した大会でしたね。


 ーー春の秩父宮杯からリーグ戦にかけて意識していたことはございましたか 

一次[ファースト]リーグまではとりあえず6位以内に入れば、セカンドリーグに行けるという条件だったんですけど。二次[セカンド]リーグは勝ち点も全部持ち越しだし、得失点差も全部影響するので、二次リーグからは緊張感みたいなものも、引き締まったというか。そこはやっぱり一次リーグはチャレンジできるけど、(二次リーグは)一次リーグより確実なプレーをしなければいけなかった中で、明大戦。あれだけ失点してしまったというのは、結果的に優勝できたんですけど、あの試合だけにフォーカスすると、やっぱり反省点とか、課題がたくさん残る試合だったと思いますね。


ーー優勝をしたお気持ちはいかがでしたか

とりあえず一つタイトル取れたので、正直、うれしかったというより、ほっとしたという気持ちの方が強いですね。


ーー春の秩父宮杯からリーグ戦にかけて意識していたことはございましたか  

春に負けて、夏期間はみんなで朝と夜、ずっとトレーニングして。いい守りからいい攻めというところが自分たちの持ち味だと思うんですけど。春もそうですし、この前の明大戦に負けたときもそうだったんですけど、だいたい負けたときって失点数が多いんですよ。点は取れているんですけど、負けている試合は本当に失点数が多いので、守りの部分の意識を変えたというか、守りを重点的に意識して取り組んできました。


ーーリーグ戦で個人的に目標としていたことはございましたか 

ポイント数も気にしていなかったことはなかったですけど、それよりかは、チームがつらい状況のときに流れを持ってこれるというか。それが得点であったりとか、チェック行ったりとか、いろんな流れの持っていき方があると思うんですけど、チームがロースコアのときに点を決めたりだとか、そういう流れを持ってくることを意識しました。


ーー実際にそのような試合も見られましたが

ファイナルリーグの法大戦は、攻めてはいたんですけど、1ピリオド0対0で、2ピリオドに先制点取ったりとか。あとは一次リーグもちょくちょく点を決めたりもしていたんですけど、僕はけっこうスタートのセットで出されることが多くて。そういうときもやっぱり相手のエリア内でフェイスオフをもらって帰ってくるのか、逆に僕たちのDゾーンでフェイスオフになって帰ってくるのかと、やっぱりスタートが課題なので、そういった意味では最初のシフトというのは意識していました。


ーーシーズンを通して調子はいかがでしたか  

一次リーグはいい感じだったんですけど。二次リーグは調子を落としたというわけではないですけど、あまり結果には表れなくて。でもファイナルリーグになって、それこそ二次リーグで明大に負けて、ファイナルリーグも全勝じゃないと優勝する可能性がゼロだったので、そこである意味吹っ切れたというか。調子は今大会はそこまで波がなくいけたかなと思います。


ーーセカンドリーグで明大に敗れ、ファイナルリーグ最終戦で再戦となりましたが、意識したことなどはございましたか

やはり僕たちはスタートが課題というか、スロースターターじゃないですけど。その中であの試合はスタートから100パーセントでいこうって話していて、1ピリオドで4点取っているんですよね。そういった意味では、課題も改善できて、なおかつ失点もアンラッキーはありましたけど、最小失点でいけて。結果的に点差は離れましたけど、内容的に見ても、終始、僕たちが流れを持ちながらプレーできた試合だったので、あの試合はよかったかなと思います。


ーーリーグ戦での収穫と課題はありますか

収穫は、春に比べてディフェンス陣もそうですけど、フォワード陣の守備の意識も上がって、専門的なことで言うとバックチェックだったり、ポジショニングだったり、スティック置く位置一つにしても、みんな頭を使ってプレーができるようになりました。インカレも短期決戦なので、トーナメントで一回負けたら終わりという中で何がいちばん大事かってなったとき、たぶん失点数を減らすことなので。その守備的なところでレベルアップできたというのは、インカレに向けてもよかったんじゃないかなと思います。


ーーチームの雰囲気はいかがでしたか

今年はキャプテンの石田(社4=武修館)を中心に、練習中も活気づくというか、声も飛び交っていますし。練習中、自分がうまくいかなかったときとか、周りもああしてほしい、こうしてほしいって、練習中からみんな要求し合えていたので。試合になればみんなポジティブな声になりますし、練習のときはみんな求めていいと思っているので、そういう求める声が去年よりも多くなったということは、それだけチームの完成度も上がってくると思うので。言い合える環境というのが出来ているというところはチームとして非常にいいことなのかなと思います。


ーーオルタネイトキャプテンとして意識していることはございますか 

僕はどっちかというと言葉というよりか、プレーというか、取り組む姿勢で見せていくタイプだと思っているので。練習とかも常に先頭でやっていますし、プレーでも自分が率先してフィジカルプレーをしたりだとか、足を使ってプレーをしたりだとか、自分が犠牲となってでもチームのためにっていう思いで、チームメイトにいい背中を見せられたらなとプレーしています。


ーー自身の強みに「クイックプレー」と挙げていましたが、具体的にどのようなところですか 

大学の上のレベルのチームに当たってくると、守りもうまいので、例えば、パスをもらってからシュートを打つまでの時間があまり無いんですよね。なので、レシーブしてからシュートを打つまでの早さだったりだとか、ちょっと敵をかわして足の間とか、スティックの間から打てるということは、それだけシュートまでのモーションが短くないと打てないんですよね。そういうシュートまでのモーションの短さを普段から意識しているので。今大会でいったら、ファイナルリーグの法大戦もそうですし、ファイナルリーグの中大戦のゴールもたぶん敵のスティックの間から打っているんですよね。こういうクイックシュートは持ち味かなと思います。


 ーー尊敬する選手や意識している選手はどなたですか 

けっこうNHL、北米のリーグの選手を見るんですけど、コロラド・アバランチというチームの29番、ネイサン・マッキノンという選手がいるんですよね。その選手のプレーは僕の理想みたいな感じで。スピードにしても、テクニックにしても、シュートスキルにしても、どれとっても速いし、正確だし、という感じで。試合前とかいいイメージをつけるときも、その選手のプレーを見て、試合に入るって感じですね。



ーーインカレで意識したいところはどこですか

インカレは勝つことがすべてなので。それこそ1年生のとき優勝して、2年生のときはコロナで中止になりましたけど、3年生のときは去年、優勝して。3連覇を狙えるのは僕たちだけですし、最後の年だからというのは変ですけど、やっぱり勝って引退したいってのはありますし。なので、正直、内容が悪くても、終わりよければすべてよしじゃないですけど、やっぱり勝つことがインカレはすべてかなと思います。


ーーインカレでの注目選手やポイントはございますか

東洋大はタレントぞろいなので、ほぼみんなそうなんですけど。プレーとしてはフォワード陣の得点もそうですけど。足を使ってプレッシャーをかけ続けられるかっていうのが、いちばん大事かなと思っていて。もちろん守備が大事っていうことも言いましたけど、キーパーとディフェンスはミスがほぼ失点につながるポジションなので、それを助けてあげるのがフォワードの仕事だと思います。極端な話、フォワード陣がずっと攻めていたら失点することは無いので、頑張って敵の陣地で長い時間パックを持って、攻め続けられるということが大事かなと思います。


ーーここまでの4年間を振り返っていかがですか

一瞬でしたね、大学4年間は。正直、その当時は「長いな」って思ったときもあったんですけど、ここまで来たら、4年間あっという間だったなと思って。4年間ずっとみんなと練習してきて、やっぱりレベルが高い中で手を抜くこともなく、常に一番を目指しながら練習してた日々だったので、本当に充実していた大学生活だったと思います。


ーーインカレへの意気込みをお願いします

インカレはもう3連覇する気しかないので。相手がどこであろうと、残りの試合を楽しみながら東洋のホッケーを観に来てくれている人たちに見せて、最後、リンクの中央で胴上げをしたいなと思います。



◇プロフィール◇

宮田大輔(みやた・だいすけ)

身長・体重/170㌢、77㌔

出身地/北海道帯広市

リーグ戦の思い出/優勝した瞬間(ベンチでほっとしちゃって。みんなキーパーのところ行くじゃないですか。僕はスタッフと握手してから行ったんですよね。うれしさが爆発したというより、ほっとしたというか)

オフの日の過ごし方/おいしいものを食べる(インスタグラムでお店の情報を見て、池袋や新宿のランチに)



宮田選手ありがとうございました!



◇インタビュー掲載日程◇

12月16日:大久保雅斗選手大友宏太選手

12月17日:佐藤永基選手中島照人選手

12月18日:武部太輝副主将

12月19日:石田陸主将


◇インカレ選手名鑑(コメント完全版)◇ 

12月19日



PHOTO=青木智哉