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第96回関東学生陸上競技対校選手権大会
5月25日(木) 日産スタジアム
男子100m 予選
1組(風:+0.3)
3着 与那原 10"55 ※準決勝進出
2組(風:-0.3)
3着 森下 10"71 ※準決勝進出
5組(風:-0.6)
1着 桐生 10"42 ※準決勝進出
男子400m 予選
1組
4着 増子 47"67 ※準決勝進出
2組
5着 吉津 48"01
3組
1着 櫻井 47"47 ※準決勝進出
男子1500m 予選
1組
10着 生井 3'54"76
2組
2着 堀 3'48"48 ※決勝進出
3組
6着 中村駆 3'4948
男子1500m 決勝
6位 堀 3'49"48
男子10000m 決勝
7位 山本 28'50"64
13位 渡邉 29'24"43
18位 相澤 29'42"15
男子110m障害予選
4組(風:-0.3)
5着 児玉 14"49 ※準決勝進出
男子4×100mリレー 予選
2組
4着 東洋大(森下―与那原―北村―桐生)39'88 ※決勝進出
女子1500m 予選
1組
8着 和田 4'36"09
14着 門間 4'45"60
2組
14着 塩谷 4'38"83
桐生(右)の追い上げがチームのピンチを救った
山本はハーフマラソンでさらなる高みを目指す
関東インカレ(以下、関カレ)がついに開幕。1日目は予選が多く、短距離部門は出場したほとんどの選手が準決勝へと駒を進めた。アクシデントがあった4×100mリレー(以下、4継)も桐生(法4=洛南)の激走により決勝進出。また、男子長距離部門からは堀(済4=大牟田)が1500mで6位、山本(済3=遊学館)が10000mで自己ベストを更新し7位入賞を果たした。
難なく100mの予選を通過した桐生、与那原(法4=那覇西)、森下(総3=浜松市立)の3名を擁して挑んだ4継。1走の森下が100mと同様にスタートで飛び出し、好走を見せた。しかし、本人が思っていた以上にスピードが出て、走り始めた2走の与那原に大接近。ここでバトンが詰まってしまい、与那原がバトンを受け取る際にスピードを1度緩めたため、続く3走の北村(法4=九州学院)は抑え気味にスタートを試みた。だが、1度緩めても与那原はしっかり加速し、2走と3走の間でもバトンが詰まってしまった。2度のアクシデントで他のチームと差ができて予選通過が危ぶまれる位置にいた東洋大だったが、アンカー桐生の怒とうの追い上げにより4着でゴール。バトンは詰まったがエリア内でつないだため失格にもならず、タイムで拾われ決勝へ進んだ。桐生の激走に救われた結果に与那原は「決勝では自分たちがしっかり走りたい」とリベンジを誓った。
一方、長距離は2種目の決勝が行われ、10000mに出場した山本が自身初の28分台に突入し7位入賞を果たした。終始留学生選手のワンブィ(日大)やニャイロ(山学大)が先頭に立ちレースを引っ張る展開に。序盤は集団の中間や後方に位置取っていた東洋大の3名の選手。3000m過ぎに集団が分かれると山本が第1集団に、そのすぐあとに相澤(済2=学法石川)が続いた。しかし、5000m過ぎでは先頭が9人に絞られ、入賞争いに絡んでこれたのは山本だけだった。「8000mまでは本当に良かったが、それ以降で足が止まってしまった」と振り返るように終盤は先頭から離され、法大や順大の選手と5位争いとなった。ラスト1周で2名の選手がペースを上げるも付いていけず、そのまま7位でゴール。自己ベストを更新はしたがチームのためにもタイムより順位にこだわっており「不甲斐ない走りをして申し訳ない」と悔しさをにじませた。最終日のハーフマラソンでは「日本人トップ」を目標に新たに闘志を燃やす。
1日目は自己ベストの更新や短距離部門においては出場した全種目で準決勝または決勝に進みまずまずの結果となった。2日目には注目の100mや4継の決勝レースが行われる。入賞や表彰台に上り、トラック優勝を十分狙える得点を稼ぎ関カレの折り返しを迎えていきたいところだ。
■コメント
・梶原監督
100mは3人とも予選通って、400mも3人通れれば良かったがあと1歩のところで一人落ちてしまった。児玉も通ったし、個人の方は順調にスタートできた。特別良くもないが、普通に力を出していってくれた。個々の状態はいいので、準決勝でも勝負をかける。4継は1走の森下が自分が思ったよりも走れて、与那原と接近しすぎてしまった。走れたことによりコーナーが膨らんでしまって与那原の足と絡んだ。与那原が少し止まってバトンを受けた。2走と3走が詰まったのは3走の北村が、1走と2走のアクシデントがあり与那原が(スピードを)上げづらいだろうと思い、少し抑える配慮をした。原因がはっきりわかったので決勝では同じような失敗はしない。走り自体はそれぞれいいので、予選より1秒は上がる。(2日目では)桐生は順調に走って、決勝でみんなに驚きと感動を与えてもらいたい。与那原は表彰台に上るつもりできているのだから厳しい準決勝だが、そこで与那原らしさを出して走って決勝にいってほしい。400mは櫻井朴がしっかり決勝を走って上位を狙う。予選ではアップから緊張していたが、1着でゴールして少しは自信がついただろうから、本当の力を準決勝、決勝で出して表彰台に。増子はできれば決勝に残ってもらえれば。可能性はあると思う。1年生で決勝に残ったら大したもの。児玉は準決勝では14秒2を目指して、それが出れば決勝に残れると思うのでしっかり出していきたい。走幅跳では小川はしっかり集中して1本目で7m50を跳ぶというところにポイントをおいていきたい。
・酒井監督
(レースを振り返って)1500mの予選は堀しか通過しなかった。生井は彼のなかではまずまずの結果だったと思う。中村駆が非常に惜しく、そこが悔やまれるところ。堀に関しては、6位という結果は4年生の意地だと思う。表彰台に上ってほしかったが、最低限の走りはできたと思う。10000mについては、山本が自己ベストで7位入賞を果たしたというのは、収穫だった。しかし、駅伝を考えると10000mで3人入賞くらいのインパクトが欲しかった。外国人選手もいるし、順大で二人入賞している。相澤あたりが、春の記録会で結果が出ているので、今回の結果は惜しかったなという気持ち。(2日目に出場する選手には)対校戦なので、一人でも多く決勝に進出することを目標にしてもらいたい。
・与那原(法4=那覇西)
(リレーは)バトンミスがあったがなんとか決勝につながって良かった。みんな調子は良いのであとはバトンをしっかり回せれば。(4走の桐生が)最後追い上げてくれたので決勝では自分たちがしっかり走りたい。(個人の方は)100mに関してはあまり感触が良くなかったので、しっかり修正して決勝に残って決勝で勝負したいと思う。(2日目の目標は)100mはしっかり決勝に残って表彰台、リレーはしっかり優勝すること。
・山本(済3=遊学館)
入賞を最低条件に日本人トップを目指して頑張ろうと思っていた。8000mまでは本当に良かったが、それ以降で足が止まってしまった。本来ならもう3点、4点上を狙えたと思うので、そこは本当に自分の課題であるラストの弱さが出た。対校戦である以上は1点にこだわる走りをしなければいけなかった。ラスト不甲斐ない走りをして申し訳ない。(約1年振りの10000mでベストが出たことは)最低でも28分台は出そうと思っていたので出せたことは良かった。ただ、タイムではなく今回は順位が大事だと思っているので、後半もっと20秒以上稼げたと思うのでそこが自分の弱さだと思う。(ハーフマラソンに向けて)留学生選手も出るが負けないように、最低でも日本人トップはとって長い距離は東洋大が強いということを示せればと思う。
TEXT=福山知晃 PHOTO=福山知晃、吉川実里