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第96回関東学生陸上競技対校選手権大会・2日目
5月26日(金) 日産スタジアム
男子100m 準決勝
1組(風:+1.8)
1着 桐生 10"15 ※決勝進出
2組(風:+0.3)
5着 与那原 10"73
7着 森下 10"94
男子100m 決勝
(風:-0.5)
1位 桐生 10"24
男子400m 準決勝
1組
6着櫻井朴 48"30
2組
3着 増子 47"72 ※決勝進出
男子400m 決勝
7位 増子 47"74
男子110m障害 準決勝
2組(風:+2.1)
7着 児玉 14"59
男子3000m障害 予選
1組
2着 小柳 8'56"56 ※決勝進出
2組
3着 小室 8'58"34 ※決勝進出
12着 小田 9'14"76
男子4×100mリレー 決勝
4位 東洋大(森下ー与那原ー北村ー桐生) 39"56
男子走幅跳 決勝
15位 小川 7m24(風:-0.8)
DNS 津波
女子10000m 決勝
10位 大倉 34'05"82
29位 内田 36'28"04
31位 森田 36'42"82
桐生は圧巻の走りで3度目の優勝を飾った
1年生ながら見事7位入賞を果たした増子
天候が安定しない中、行われた関東インカレ2日目。注目の100mで桐生(法4=洛南)が2年連続3度目の優勝を飾り、4×100mリレー(以下、4継)ではエースとしてレースをまとめ上げた。また、400mではルーキーの増子(工1=相洋)が7位入賞を果たすなど、新戦力の台頭が見られた。
まず100m準決勝に姿を見せた桐生。雨というあいにくの天気の中でのレースとなったが、10秒15という好タイムでフィニッシュ。最後は流す余裕も見せ、決勝への弾みをつけた。そして迎えた決勝。天候は回復し、比較的走りやすいコンディションとなった。会場のボルテージも上がり、一層注目度の高まる中、レースは始まった。スタートから勢い良く飛び出すと、一気に他を突き放す圧巻の走り。そのままゴールへ飛び込み、華々しい3度目の優勝を飾った。
4継では、予選でのバトンミスを修正し、決勝に挑んだ。予選よりもミスは小さかったものの、最後まで順大とデットヒートを繰り広げた末、惜しくも4位でフィニッシュ。「全日本インカレでは絶対に勝ちにいきたい」とリベンジを誓った。
ルーキーの活躍も忘れてはいけない。増子が400mにおいて、本人も驚く決勝進出を果たした。「自分の出せる力を全力で出していこう」。その言葉通り、予選から全力を尽くす懸命な走り。迎えた決勝でも、果敢に強豪たちに食らい付く。最後まで力を緩めることなく、1年生ながらも7位入賞を果たした。梶原監督も「決勝に残り、7番になってくれたので立派だった」と評する。また、増子は予選から決勝まで好タイムを叩き出す絶好調ぶり。3日目に行われる4×400mリレーのメンバーにも入っており「個人よりマイルの方が好きなので、絶対に負けない」と闘志を燃やす。エースのウォルシュ(ラ3=東野)欠場の穴を埋める新戦力に注目だ。
3000m障害予選では、前半から積極的なレース運びを見せた小柳(済4=大阪桐蔭)が自己ベストを叩き出し、見事決勝進出。また、総合3位のベストタイムを持つ小室(済2=仙台育英)も順調に決勝への駒を進めた。両者ともに、3日目に行われる決勝での活躍に期待がかかる。
ハイペースな展開となった女子10000mでは、大倉(食2=埼玉栄)が先頭集団で攻めのレース運びを披露。徐々に縦長となる揺さぶりをかけられた状態の中で、入賞争いを繰り広げた。しかし、残り3000mになると集団から脱落。その後も粘り強く足を進めたが、入賞はかなわず10位でフィニッシュした。残る女子長距離部門の出場種目は、最終日に行われる5000m。「順調にきている」と永井監督が語る白川(食2=常総学院)が出場予定である。1500m、10000mで仲間たちが抱いた悔しさを晴らしていきたいところだ。
関カレも残るはあと2日間となった。しかし、まだまだ熱いレースが目白押し。3日目の10000m競歩では、表彰台独占が期待できる熱戦が繰り広げられるだろう。個人個人がチームのためにその1点を稼ぎ出し、目指すトラック優勝への歩を進めていく。
■コメント
・梶原監督
桐生は、決勝での2回目のスタートの時の時間が短く、うまく集中しきれなかった。しかし、全体としては悪くないので、きれいにまとめられたと思う。また、向かい風の中でもあのタイムが出ることは、やはり強いなと思う。(400mは)本来、櫻井朴が決勝に残るかなと思ったが、直線に入ったところでけいれんがきてしまった。残念だった。1年生の増子が、決勝に残り、7番になってくれたので立派だった。(4×100mリレーは)勝ちたかったが、予選で失敗したというところが若干大きかった。予選に比べれば決勝でのミスは小さかったが、やはり「雪辱したい」という思いが強すぎたのか、動きが固くなり、本来の走りができなかった。個人個人が自分の本当の力をここで出し切れないという弱い部分を感じ取ったと思うので、それをこれからの練習で克服して、全日本インカレでは絶対に勝ちにいきたい。4位という結果になったのはやはり力が足りなかったからだと思う。
・永井監督
(大倉は)関カレ前の調整で今一つ調子が上がってきていなかったので心配をしながら送り出した感じだった。寸前の調整での動きよりは今回のレースは頑張った方だと思う。(上級生の)二人も調整が思うようにいっておらず、ただ(レースの)寸前で彼女たちの思う動きが少しできてきており経験もあるのでまとめてくれると思っていた。だが、練習の過程でまだまだ甘いところがあったのかなと思う。(最終日に5000mが残っているが)白川は順調にきているのでしっかり表彰台を狙って5000mは勝負したいと思う。白川と大倉の二人がやっぱり5000mでしっかり上位を狙って走ってほしい。山口も調子は悪くないので切り替えて5000mの方で勝負したい。
・増子(工1=相洋)
準決勝と決勝にいけるとは思っていなくて、自分の出せる力を全力で出していこうと思っていた。高校時代の48秒5というタイムで大学に来た。監督からはマイルや400m障害で推薦をもらっていた。大学入ってからは48秒台で1回も走らず、初戦で47秒9で(関カレ では)47秒6、47秒7を2本まとめられ、最低限の力がついていると思った。もともと強いわけではなく、みんなの応援やサポートのおかげでここまでこれたと思う。東洋大に来て自分のパワー以上のものが出た。まさかこのタイムでゴールするとは思わなかった。(結果について)100点はあげられないが、今の自分にとってはそれに近いくらい。目標にしているのが日本代表なので、関東の中でも戦えないようでは駄目なので来年、再来年また関カレに戻ってきたい。課題や収穫はたくさんあった。47秒台を3本まとめられたというのはすごく大きい。去年だったら考えられないタイムで走れた。周りの選手は日本のトップレベルの選手で、ベストでは自分はみなさんより1秒以上遅い。それでもその中で戦えたというのはこれからマイルとかで上を目指していく中で、勝負というところですごく自分の力になったと思う。(マイルの予選に向けて)個人よりマイルの方が好きなので、絶対に負けない。
TEXT=小野由佳莉 PHOTO=吉川実里、福山知晃