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2017.06.25
ボクシング

[ボクシング]王者日大の壁崩せず 自力優勝不可能に

70回関東大学ボクシングリーグ戦

6月24日(土)   後楽園ホール

 

東洋大3-6日大

 

LF】●田村(判定)松本○

【F】●福井(判定)坪井○

B1】●渡来(判定)村田○

B2】●川田(判定)金子○

L1○木村蓮ABD)上原

L2】○中川(判定)神足●

LW】●萱津(判定)李○

【W】●原田直(RSC)鈴木○

【M】○松野(判定)高倉●


チーム1勝目を決めた木村蓮

中川はテクニックで相手を圧倒

松野の勝利に観客も盛り上がる

次戦は中川㊧のリーグ戦全勝と木村蓮㊨のライト級階級賞にも期待だ




 リーグ戦4連覇を狙う王者日大との全勝校対決が行われた。前半4試合を落とし、早くも0―4と追い込まれるが、木村蓮(営2=飛龍)が棄権勝ちでチームに勢いを取り戻し、中川(ラ3=高知)もそれに続いて2―4に迫る。しかしライトウェルター級・ウェルター級で力及ばず敗戦。チームが負けた状態の中でもミドル級の松野(営4=開新)は全力のプレーで最後を勝利で飾った。だが3―6と悔しい結果で、東洋大の自力優勝は不可能となった。


 東農大戦では11年ぶりに勝利し、リーグ戦3戦3勝と日大と肩を並べての一戦。実質王者争いともとれる全勝校対決に、注目が集まっていた。「前半戦がポイント」と、試合前に打ち明けた三浦監督。バンタム級までの4人でどこまで勝ち点を積み上げられるかがカギと思われたが、4人に勝利の女神が微笑むことはなかった。

 0―4と早々と追い込まれる中、ライト級の木村蓮は「勝つだけでなく、チームが燃えるような試合をしよう」とリングに上がる。しっかりと相手のパンチを見極めつつ、プレッシャーを効かせ主導権を握る。最後は左ストレートで仕留めて棄権勝ちを決め、中川へとバトンをつないだ。中川も「自分が勝てばまだチャンスはある」とお馴染みとなった"番長コール"を受けリングへ。後半で集中力を爆発させ勝利した。しかし良い流れは続かず、ライトウェルター級・ウェルター級で勝てず日大に勝利を許した。

 ミドル級を控え、チームは負けてしまっているものの、観客席の応援はさらに熱気を帯びていた。松野がリングに上がる時には「最後は勝ち逃げだ~!!」と大きな声援が送られる。その声援に応えるかのように松野の動きもラウンドを重ねるごとに良くなり、相手選手も嫌がるように松野と距離をとり始める。「距離を取るのが上手い選手で遠い距離でやるとダメだから、力で崩した」と持ち前のパワーを武器に攻め切り、判定で松野の手があがると最後は大きな拍手が贈られた。

 3―6と今季のリーグ戦で初の黒星に喫した。やはり王者日大、簡単には優勝の道を譲ってくれない。「監督として力足りなかった。素直に日大の練習量が上だったと感じた」と監督も肩を落とした。日大戦敗北により自力優勝が不可能になり、残る優勝のチャンスは最終戦での結果次第に。だが日大は勝ち点でかなり優位であり、かなり厳しい道であることは間違いない。最終戦となる駒大戦は「勝つために全力でぶつかるだけ」と希望は捨てない。またライト級で全勝中の木村蓮の階級賞や、中川のリーグ全勝にも期待できる。少しでも良い順位に向かって最後まで戦い抜く。


◾︎コメント

・三浦監督
前半が非常にポイントになる試合だと思っていて、バンタムが終わるまでに実は2ポイント欲しかった。やっぱりライトフライは絶対とれると思っていたが、1ラウンド目が印象悪くて、それが2ラウンド目の評価に響いた。3ラウンド目はとれたが、負けてしまった。フライ級の福井は実力出してくれて、勝ったと思いましたし。相手はもちろん相当な実力者ですが、クリーンヒットもスピード、パワーも技術も勝っていた、結果は負けだったがちゃんと見てる人は見てると思うので良さを出せたと思う。渡来は1ラウンド目、相当よくボクシングができた、2ラウンド途中から相手の連打が効いてきて流れが相手にいってしまった。惜しい3-2だった。ここも力負け。向こうの執念が後半に爆発したので、気持ちと練習が相手の中に見えました。川田は実力十分に発揮してくれた、クリーンヒットだいぶとって、互角以上の戦いをしたが、主導権支配という点で相手の方が上手だった。木村蓮は徐々にプレッシャーをかけて相手に効いて、連打・ボディもしっかり。いい戦いっぷりで圧倒的に勝って、すごくよかった。中川も要所要所で技術が上回って、とくに後半の集中力、きわどい試合こそテクニック見せつけてくれた。萱津に関しても、前に出るボクシングってゆうのを見せてくれましたし、相手も手ごわかったので、次また期待したい。原田直も出だしはよかった、だけどそれが気の緩みにつながってリラックスしすぎてしまい、相手のパンチの来るところの判断を見誤ってしまうというミスにつながった。前半よかったから余計ボクサーとして集中してそういうパンチをもらわないようにしなければいけない。負けてしまったのは自分自身に原因があるので、そういうのも勉強していかなければ。松野、正直1ラウンド目は持っていかれたかなと思ったが、2ラウンド目から相手が嫌がっているなっていうのがわかっていましたし、パワーでも勝っていましたし、クリーンヒットもガンガン、3-2ではあったが、後半の勢いが勝ちに結びついた。3-6で負けてしまいましたので、監督として力足りなかったなと思った。ひとつ、正直日大の選手の練習量が上だったんじゃないかなと感じ、次に生かしたい。できることは全力で最後駒大戦ぶつかるだけなので、勝つためにどうすればいいかだけをスタッフで考えていきたい。キャプテンの馬場がここまで引っ張ってくれたチームなので駒大戦には出てもらいたい。

・木村(営2=飛龍)
自分が負けたらチームとしても負けだったので、ただ勝つだけじゃなくてチームが燃えるような試合をしようと臨んだ。今日の相手は初めてだったが、同じ静岡出身で見た事があった。相手は正統派のボクシングをするのでやりやすかった。最後は左ストレートで仕留めた。ジャブを2回打ってのストレート。階級賞は絶対に取る。

・中川(ラ3=高知)
高校の時に1回だけやった相手なので、緊張というよりも楽しみにしていた。動きは、周りの人がどう判断するかはわからないが、自分ではリーグ戦の中で一番ベストな動きを出せたと思った。(減量は)今回体調を崩してしまい、お腹の調子が悪くて。練習はできていたけど、本調子ではなかったので不安だったが、コーチのサポートもあってやることはやったので自信はあった。減量厳しかったけどなんとかなるなと感じていた。試合は楽しめた。蓮太朗勝って、雰囲気はまだよくなかったけど自分も勝ったら、まだチャンスはあるなと思っていたからいつも通り(日大に負ける)の流れを変えようと思った。(チーム負けたことは)悔しい。優勝できる立場ではあった。優勝するチャンスもまだあるけど、来年は差をみんなで埋めて日大倒して優勝したい。(駒大戦は)チームではもちろん勝ちを狙うが、個人としても全勝が狙えて、そんな機会めったにないのでどこの階級であれ勝ちます。

・松野(営4=開新)
いつもの事だが1Rは動きが固くて、途中監督にセコンドで(判定は)どっちかわからないと言われた。だから2Rからは相手は結構距離を取ってくるので力でいけば嫌がっていたので体の力では負ける気がしなかったので力でいって勝てた。2、3Rは取れてる自信があった。でも勝っても負けてもおかしくないとは思っていた。対戦経験がない相手で、自分が高校生の時のインターハイのミドル級チャンピオンだからずっとやってみたいと思っていた。自分はミドル級では小さい方なので相手が大きかったのでやりずらかった方。相手が距離を取るのが上手かったから遠い距離でやるとダメだから、それを力で崩した。でも、大きくてリーチが長いタイプとはいつも練習しているから、やりずらかったがそこまででは無かった。(自分の番の時は)チームが負けてるからこそ悔しかったから最後は4年生としての意地。後輩達からも「先輩やってください」って言われて勝たないとなって思った。馬場キャプテンはいつも、良い言葉をかけてくれる。冷静に言ってくれるからこっちも冷静になれる。本当に応援は力なりです。最後になる4年生全員で試合に出たい。後輩とももちろん頑張りたいし、試合に出たいがやっぱり同じ4年生と一緒に試合に出たい。


TEXT=玉置彩華  PHOTO=梅山織愛、松井美乃、菊池美玖、水野桜、佐藤マナ、福田桃香