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10000m記録挑戦競技会2017
11月25日(土) 慶応義塾大学日吉陸上競技場
男子10000m
3組
DNS 小倉
4組
1着 大西 30'20"93
11着 大森 30'53"30
DNS 中尾
8組
22着 福井 31'07"30
DNS 今西
9組
11着 岡里 29'53"64
30着 小室 32'44"00
DNS 中野
故障明けのレースで積極性を見せた大西
粘り強い走りが光った岡里
10000m記録挑戦競技会に故障明けの選手を中心に5名が出場。各組ごとに目標タイムが設定された今レースで、4組に出場した大西(済2=花咲徳栄)、9組の岡里(総1=富山商)が自己ベストを更新するなど収穫のある大会となった。
故障明けのレースに挑んだ大西。スタートすると集団の中ほどに位置取り、徐々に先頭へと上り詰めていく。そのまま前方を維持し、5000m手前で先頭に立つとそこからは集団を率いてペースを刻んでいった。ところが、残り3周に差し掛かった直後、それまで大西のすぐ後ろを走っていた選手が勢いよくトップに飛び出し大西との差を見る間に広げていった。だが、大西も食い下がる。残り1周を告げる鐘が鳴るとギアを切り替え、ラスト100mからの猛スパート。力のこもった走りで一時は最大で30mほどあった差を巻き返し、ゴール間際で見事競り勝った。自己ベストを更新し、レース後半では自らレースを組み立てる積極性の見える姿に「このあとの練習にしっかりつなげてほしい」と谷川コーチも期待を寄せる。
また、同組に出場した大森(済1=佐野日大)は今レースが10000m初挑戦となった。前半は集団の前方で走るも徐々に引き離されてしまい順位を落とす結果となった。夏ごろから取り組んでいた長い距離への対応が今後も引き続き課題となるだろう。
目標タイムが29分10秒から29分00秒に設定されている9組に出場した岡里。「30分を切ろうという気持ちが伝わってくるレースだった。よく粘ったと思う」と谷川コーチが評価するように、粘りの走りを見せた。中盤に先頭集団から引き離された後も一人ずつ抜き返していき、4、5人で形成された第2集団の中で前に出ようと果敢に挑んだ。苦しい表情を見せながらも追い越し追い越されを繰り返し、決して簡単には離されまいという粘り強さが光った。結果、自己ベストを30秒以上更新し、目標の29分台を達成した。
今大会で故障やけが明けの選手が復帰したことは、箱根駅伝に向けたチームの底上げにプラスになるだろう。箱根駅伝までもう間もなく残り1ヵ月となる。チーム一丸となって士気を高めていきたいところだ。
■コメント
・谷川コーチ
今回は箱根の選考というよりは大西、大森、福井、小室の故障明けという形だった。このレースをこなしてここからどうつくっていくかというレースだった。福井にしても大森にしても大西も久々のレースで、今の本人たちの状態の中ではよく走った。岡里に関してはずっと練習を積んできていて今回は29分台を目標にしていてた。29分台が出て最低限タイムを出せて良かったと思う。大西はずっと故障続きで大分苦しんでいたが今回5000m以降自分でレースを組み立ててトップでゴールして、最後も一人かわして抜いたので、力はあるのでこのあとの練習にしっかりつなげてほしい。大森は10000mは初挑戦だったがまだ練習をつなげられておらず10000mを走り切れるかという状態だったので、まず30分台で確実にゴールしたというところは良かった。岡里は自分で30分を切ろうという気持ちが伝わってくるレースだった。よく粘ったと思う。(今後箱根までは)川越ハーフや練習を見ながら箱根の選考をしていきたいと思うが、もう少し下の底上げが欲しいところ。箱根に向けては走り込みの時期になってくるのでチーム全員でしっかり体づくり、走り込みをしていい状態をつくっていきたい。
TEXT=吉川実里 PHOTO=大谷達也、小島敦希