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「戦国東都」と語られる通り、6校による接戦が続いた秋季リーグ戦。惜しくも優勝には届かなかったが、立正大2連勝を始め、リーグ戦を通して数々のドラマが生まれた。激戦を終えた選手達は何を考えるのか、彼らの思いをお届けする。
上茶谷は東洋大を背負って投げ続けた
卒業後は3人とともにプロの世界へ
(左から上茶谷、中川、梅津、甲斐野)
第8日は上茶谷大河(法4=京都学園)投手。今年、大黒柱として春秋通して18試合で登板すると、秋季リーグ戦での防御率は1.68と春季を上回った。1位指名を受け、卒業後は横浜DeNAベイスターズへ進む上茶谷に、今季とともに4年間を振り返ってもらった。(取材日・11月4日、聞き手=望月優希)
--秋季リーグ戦を全体的に振り返ってみていかがですか
春より防御率は良かったんですが、他のチームのピッチャーもみんな良かったので、自分の成績はあまり良くなかったです。
--他大学で特に良かったなと思うピッチャーはどなたですか
それはもう中村稔(亜大)です。でもみんな良かったですよ。中村稔と糸川(立正大)が特にすごかったです。
--今季一番気にしていた伊藤裕(立正大)選手を抑えましたがそこについては
この秋は勝ちましたが、今年のリーグ戦で打たれた一本の、唯一のホームランが春季に伊藤裕に打たれたホームランで。なので、プロで対戦したかったという気持ちもあったんですが、同じチームになったので…。味方としてはありがたいというか、頼もしいですね。
--ドラフトで伊藤裕選手と同じチームだと分かった瞬間はどうでしたか
一緒なんやくらいです(笑)。会見が終わって、「伊藤裕がDeNAから二位指名ですよ」と言われて、「まじすか」ってなりました。うれしかったですよ。
--春から警戒していた頓宮(亜大)選手も1年間通して抑えて
一本も打たれなかったので完勝かな(笑)。完全に勝ったなと思ってます(笑)。でもこれからですよね。とりあえず、 大学時代に打たれた前のホームランの借りは返したという感じです。ずっと意識していた相手だったので。最終戦では4つ連続で三振を取れたので最後を飾るには良かったかなと思います。
--自分の中で一番良かったと思うのはどの試合ですか
亜大2戦目か、駒大2戦目。調子自体で言えば駒大2戦目。でも亜大の2戦目は自分の調子も良くない、天候も良くない、グラウンド状況もよくない中であのピッチングできたので一番良かったですね。調子が良くて抑えるのは普通なので、一番良かったのは亜大戦ですね。
--来年も東洋大を背負う後輩たちにメッセージをお願いします
リーグ優勝はもちろん、自分たちが取れなかった日本一を取ってほしいですね。
--リーグ戦が終わり卒業も近づいていますが、野球以外での東洋大での思い出は
法学部で同い年の1部生は自分と竹原(法4=二松学舎大附)だけで。同じ学部にあまり野球部がいないので一般生と仲良くなれたこと。みんな仲良いですよ。みんな友達。
--この代で良かったなと感じるのはどんな時ですか
やっぱりこの代でしかわからないものがあります。ピッチャーはこうやって、たくさんのいいピッチャーと巡り会えたのもそうですし。この4年生はメンバー外も含めて本当にいいピッチャーばっかりだったんですよ。そのピッチャー陣に巡り会えたこともそうですし、バッターにも刺激されて。中川(法4=PL学園)にも巡り会えたし。巡り会いで出会えたと思ってます。
--昔からの夢であったプロ入りを果たして
小学校の時は夢だったけど、大学4年生になって、実際に進路を決めていくという段階で夢ではなくなって。目標じゃないですけど、通過点というか、“プロで活躍する”ということが目標になったので。小学校の時は夢、大学に入ってからはプロで活躍するために頑張っているからここがゴールではなくなったというか、スタートですね。プロでは新人王を取りたいですね。
--プロの世界で楽しみにしていることは何ですか
今までテレビで見ていたすごいバッターの方々と勝負できるということがすごく楽しみです。ラミレス監督は小学校の時からずっと好きな選手だったので、その方の元でやるのは不思議な感じがします。
--最後に4年間の締めくくりの言葉をお願いします
まずは自分のためにプロで頑張ります。そして社会人でやる人たち、みんな2年後待っています。最後に東洋組でやる人たち、オフの期間キャンプへ行きましょう。
◆今後の掲載予定
11/29 梅津 晃大 投手
11/30 杉本 泰彦 監督