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2018.11.27
硬式野球

[硬式野球]甲斐野新たな船出 「まだ実感は…」

11月27日(火)

都内ホテル

緊張の面持ちで会見に臨む

初めてユニフォームに袖を通す

 ついにこの日が訪れた。今年ドラフト会議で指名を受けた4選手のうち最後の仮契約合意となったのは甲斐野(営4=東洋大姫路)。チームとしてプロの世界に入ったのは原(H27年度営卒=東京ヤクルトスワローズ)以来だ。最高条件での契約は上茶谷(法4=京都学園)と同じ。終始緊張した面持ちで会見に臨んだ。


   「あいつは区切り区切りの評価は絶対最高なんですよ」と過去に語ったのは甲斐野のお兄さんだ。入学直後の甲斐野の成績は特段目立ったものはなく、当時は本人も「ドラフト1位で入団できる選手になるとは思ってなかった」と笑いながら話す。「ここがスタート」と指名後から口を酸っぱく言ってきた甲斐野はこの日も、何度も「チャレンジャー」としての姿勢をみせていた。雑草魂を座右の銘に掲げるチャレンジャーが日本一を勝ち取ったリリーフ陣に相対す。まずは中での戦を制しにいく構えだ。


 ようやくたどり着いたプロの舞台。「背番号はまだ分からない」とこの日明かされることはなかった。大学時代3シーズン着けた背番号19はすでに埋まっており何番を新たに背負うかにも注目したい。

 「入団することがゴールじゃない。活躍して恩返しを」と先を見続ける東洋の守護神。玄界灘の潮風を鍛えし自慢の剛腕に受け、日本一という栄光を目指す。甲斐野央のストーリーは始まったばかりだ。

■コメント

・甲斐野(営4=東洋大姫路)

このチームでやっていくんだなと。自分次第で結果が変わる世界だと思うので、しっかり頑張ってやっていきたいと思います。実際にソフトバンクホークスのユニフォームを着たのは初めてで、鏡とかで確認できてないんですけどちょっと緊張してます。これからプロ野球選手とこれから呼ばれるようになって、小さい頃から家族でプロ野球選手になるという夢を持っていて、まだ実感はないけど頑張っていきたい。ソフトバンクホークスは凄い投手陣なのは日本シリーズだけじゃなくて他の試合を見ててわかっているので、その中に飛び込む形。厳しい世界なのは分かってはいるけど、一年目からしっかりといい成績を残していきたい。そういう結果がついてきて福岡のファンの方々にも愛される選手になりたいですね。自分のストロングポイントとしては、先発で長いイニングを投げるよりも短いイニングを全力で投げるのでしっかりと腕を振るところ。相手打者1人1人を打ち取りたい。まずは目標としては一軍定着。以前、福岡テレビに出演させていただいたんですけど観光で行ってないから福岡のことをって言われても困るんですけど、ご飯が美味しい印象ですね。

これからは秋季キャンプを見させていただいた時に、練習の質の高さであったり量も見てきたのでしっかりと練習をして春に備えたい。そういう中で、プロとして1年間をしっかりとプレイ出来る体づくりをしていきたい。


◆甲斐野央(かいの・ひろし)

身長・体重/184㌢・92㌔

出身/兵庫県西脇市

好きな食べ物/焼肉

嫌いな食べ物/メロン

好きな教科/体育

嫌いな教科/基本的に全部

野球をやらなかったら/水泳かサッカー。幼少期は水泳のクロール25mのみが得意だった

無人島に一つもっていくなら/ドン・キホーテ(1回目の回答はドラえもん)

オフにしたいこと/新幹線で旅行。南に行くから北に。北海道とか

登場曲にするなら/お笑い芸人のひろし。さんが使ってるBGM(上茶谷投手推奨)

自身にとってのTOYOのユニフォーム/7年間着て自分を作ったユニフォーム

コンプレックス/口が大きいこと。鼻が低いこと

寝る前の願望/起きたら顔は山下智久さん身体はクリスティアーノ・ロナウドになりたい

起きた後の感想/俺は俺のままやな

高校時代1番悔しかった試合/2年夏の県大会。勝ったら甲子園だったし、相手が地元だったから

自分でパワプロの評価をつけるなら/カーブ1・スライダー3・フォーク4・チェンジアップ2。乱調とシュート回転の赤特殊持ち

プロ初年度の目標/新人王。与えられた役割での1位の成績。

略歴/東洋大姫路高校から東洋大学に入学。きっかけは3学年上の原樹理(H27年度営卒=東京ヤクルトスワローズ)がいたこと。1年秋からリーグ戦のマウンドに上がるも目立った成績を上げることはできない。初めて150㌔を計測したのは2年生になってから。そこからさらなる飛躍を目指しトレーニングを積むと3年秋に開花。最優秀投手賞とベストナインを獲得し、日本代表強化合宿に召集される。4年生になるとクローザーに転身。MAX158㌔の直球を武器に大きく進化。「自分には短いイニングがあってる」と語る通り才能を遺憾無く発揮した。今夏の日本代表でも同じく抑えで出場し圧巻の投球を披露。最速158㌔を誇るストレートと変化球の組み合わせを高く評価され、ドラフト1位で福岡ソフトバンクホークスから指名を受け契約を結んだ。

TEXT=須之内海、PHOTO=林莉子