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男鹿駅伝競走大会
令和元年6月29日(土)
男鹿総合運動公園〜男鹿総合運動公園 7区間 64.7km
大学の部
総合1位 東洋大A
3:21'29
1区(13.5km)大澤駿40'33(1位通過・区間1位)
2区(11.7km)宮下隼人36'49(1位通過・区間1位)
3区(7.5km)小田太賀22'47(1位通過・区間1位)
4区(3.8km)田上建14'01(1位通過・区間3位)
5区(8.2km)岡里彰大24'48(1位通過・区間1位)
6区(9.9km)山本瑛平30'57(1位通過・区間3位)
7区(10.1km)杉村宗哉31'34(1位・区間1位)
総合2位東洋大B
3:24’06
1区 町桟吾41'10(3位通過・区間3位)
2区及川瑠音38'18(2位通過・区間4位)
3区柏優吾23'04(2位通過・区間2位)
4区大沼翼13'38(2位通過・区間1位)
5区清野太雅25'19(2位通過・区間3位)
6区前田義弘30'18(2位通過・区間1位)
7区荒生実慧32'19(2位通過・区間2位)
2年連続1区を任され区間賞を獲得した大澤
宮下(左)は起伏の激しいコースで激走を見せた小田へタスキリレー
及川(左)は順位を一つ上げ柏にタスキをつないだ
笑顔でタスキを渡す岡里(左)
前田(右)は1年生ながら区間賞を獲得した
優勝のゴールテープを切った杉村
今年度からコースが変更となった男鹿駅伝。男鹿市総合運動公園をスタートし男鹿半島を1周して行われ、東洋大から2チームが出場。昨年優勝した東海大が不参加のなか、区間賞を総なめする圧倒的な強さを見せ大学ワンツーフィニッシュを果たした。
「三大駅伝を見据えて男鹿からつなげていくステップ」として出場した男鹿駅伝。Aチームには2、3年生、Bチームには1年生と学年ごとでの編成となった。レースはAチームの大澤(済3=山形中央)が2年連続の1区を任された。今回出場したメンバーのなかで唯一の箱根駅伝(以下、箱根)経験者。攻めの走りを見せ、ラスト2kmからペースアップし区間賞の走りで2区・宮下(工2=富士河口湖)へタスキリレー。
2区はコース変更に伴い4区から2区へ変更されたアップダウンが激しいコースであり、今年度の箱根で5区を任された田中龍(済3=遊学館)や中島(東海大)がこのコースで区間新記録を樹立するなど、箱根の山へひとつの材料となるコース。宮下は下りで後続に詰められながらもトップを守りきった。箱根の5区を狙う宮下は下りで「後続を離せる力がほしい」と課題を挙げた。またBチームの及川(済1=一関学院)はひとつ順位を上げ2位で柏(済1=豊川)にタスキを渡し、箱根の山争いにも注目が集まる走りとなった。
その後は次第にAチームとBチームの差が離れていくものの安定した強さを見せ、ワンツーフィニッシュを果たした。また、Aチーム、Bチームを含め、全7区間での区間賞を獲得。男鹿の地に圧倒的な強さを見せつけた。
今回Aチームの監督を務めた佐藤元コーチも「(駅伝を)経験したことのない選手が成長しているというのが手応えを感じている」と中間層である選手たちの成長を評価した。「個々で課題は見えてきたと思う。夏合宿でしっかり練習をして秋のシーズンにつなげていきたい」と谷川コーチ。男鹿駅伝での経験が秋以降の駅伝シーズンへどうつながるのか、かぎは夏合宿になりそうだ。
■コメント
・谷川コーチ
(Bチームについて)今回は三大駅伝を見据えて男鹿からつなげていくステップとして走るようにいった。1年生は人数が多いので1年生だけでチームをくんだ。上級生は走れているメンバーのなかで駅伝の経験をさせたいという子を使った。1年生にはここをしっかり走れれば箱根や三大駅伝につながるかなということで走るように伝えた。もうひとつかなという気もした。アップダウンは1年生はきつかったと思うがアップダウンの練習もしなければならないとよくわかったと思うのでいい経験になったと思う。駅伝の走り方を分かってないかなと思うところもあったし後半しっかりペースを押せてなかったので個々で課題は見えてきたと思う。夏合宿でしっかり練習をして秋のシーズンにつなげていきたい。夏合宿での走り込みに向けて準備をして体をつくっているのでその過程で男鹿駅伝に出した。今年は三大駅伝で十分にチャンスがあると思うので優勝を目指してやっていきたい。
・佐藤元コーチ
(Aチームの走りを見て)今年の4月になってから見ていなかったが、しっかり走れる形になってどの選手も力通り走ってくれた。宮下は力があるのでそれくらいはいってくれるかなと思ったが今日見た感じはしっかり走れる感じになった。成長を感じた。1年生のときは一緒に走る時間は少なかったがそれなりにしっかり走っていたようだ。大澤は箱根を走った経験者なのでしっかり走ってくれる選手になってきているが、やはりまだ経験したことのない選手が成長しているというのが手応えを感じている。Aチーム、Bチーム共に三大駅伝にからめるような形になってくれれば良いし、それだけの力が備わっているような感じは受けた。この辺がひとつ頑張ってくれればチームのレベルも上がると思うのでその面ではかぎを握っていると思う。レギュラークラスはまだいるわけだけれどもそこに迫っていくような状況になればチームとしては最高、いい勝負になるのではと感じさせてくれた。そういう意味ではまだまだ足りない部分はあるがひとりひとり成長が見られた。
・大澤(済3=山形中央)
前半は集団でいって後半しかけようと思っていた。目標のタイムよりは速かったので良かったがラスト2kmでペースを上げられたらもっと良かったなと思った。Aチームの優勝は素直に嬉しいというのと箱根を走ったのは僕だけでその他の選手もあとの区間で攻めの走りが出来たことで優勝できたと思っている。このメンバーが中間層なのて僕自身も夏しっかり走り込んで男鹿駅伝で経験したメンバーからもしっかり主力になれる選手が生まれていけるようにみんなで切磋琢磨していきたい。
・宮下(工2=富士河口湖)
アップダウンがきついコースだったので、その分監督からの期待も大きいのかなということでそこは自信を持っていこうかなと思っていた。(起伏の激しいコースの経験は)思っていた以上にアップダウンが激しくて、ああいうコースは初めてだった。もともと下りが苦手だったので、上りから下りへの切り替えを自分の中では課題に持って今回レースに挑んだ。(実際に走ってみて)上りは想定通りいけたが、やっぱり下りの面で後ろの新電元工業さんに詰められてしまったので、下りへの課題が残った。目標タイムは一応設定したが全然想定と違った。1分20秒くらい遅くてあそこはコースがわからなかったので言ってしまえばしょうがないが、1kmごとのラップで見ると下りが出ていない。下りでしっかりもう1回上げて箱根の5区を狙うには下りが後半にあって、そこでしっかりと後続を離せる力がほしいので下りの課題が残った。(このコースを走る選手は箱根の山に起用される傾向があるが)レース前から龍誠さん(田中、済3=遊学館)からは「きついから覚悟しておけ」と言われていた。中継所が変わって一概には言えないが、田中龍誠さんもそうだし去年区間記録をつくられた東海の中島怜悧さんがアベレージで言うと1km3分くらいで押していた。自分も1km3分くらいでアベレージをするようにしていたが、結果的には3分8〜9秒くらいにはなったのでまだ力不足だと思う。(今後に向けて)自分は長い距離が得意なので箱根を最終的には目標にしているが、三大駅伝の出雲、全日本からもしっかりとメンバーに入って勝負していけるように夏合宿で走り込んでいきたい。また龍誠さんとの5区の勝負もあると思うので、そこでしっかりと存在感を示していけたらなと思う。
・杉村(済3=八頭)
とにかくどんな位置できても前半から攻めていく走りを目指した。みんながつないできてくれたのでしっかりトップでゴールしようと思った。素直に嬉しい。自分はまだまだメンバーに選ばれる力がないのでしっかり夏合宿で走り込んで選考会などでアピールできるように頑張っていきたい。
・及川(総1=一関学院)
宮下さんに勝ちたかったが、最初に突っ込みすぎたのもあって後半の上りに体力がもたなかったというのを反省している。(アップダウンの激しいコースは経験があるか)去年の蔵王合宿というので、10kmTTというのをやったがそれくらいしかやったことないので、あそこまで長い距離だときつい。(実際走ってみて)上りは得意な方だがまだ長い距離を走れるだけの足の筋力もそうだし、体力も無いのでそこを補えるだけの力が付けられれば箱根の5区も目指せるんじゃないかなと思う。(このコースを走る選手は箱根の山を走る傾向にあるがコースを走ったことでいい経験になったのでは)箱根だけじゃなくて三大駅伝全てにおいていい経験になったんじゃないかと思う。(今後に向けて)三大駅伝全部でしっかり区間賞を狙えるだけの選手になれるように、夏合宿を乗り越えて頑張っていきたい。
TEXT=長枝萌華 PHOTO=稲村真織、長枝萌華