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第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第3節
4月15日(土) 非公開
東洋大2-3桐横大
〈得点者〉(アシスト)
4分 山之内(清水)
57分 増田
〈出場メンバー〉
▽GK
川上康平(国4=JFAアカデミー)
▽DF
田頭亮太(国4=東福岡)
稲村隼翔(国3=前橋育英)
徳永祟人(国2=前橋育英)
山之内佑成(国2=JFAアカデミー)
▽MF
清水祐輔(国4=柏U-18)
増田鈴太郎(国3=東海大相模)→81分 石井宏育(国4=横浜FM・Y)
本間洋平(国4=札幌U-18)
新井悠太(国3=前橋育英)→86分 平田駿佑 (国4=徳島Y)
▽FW
小野田龍剛(国4=常葉大橘)→66分 梅津凜太郎 (国3=鹿島Y)
鍋島暖歩(国2=長崎U-18)→62分 高橋輝(国1=大宮U-18)
FKに頭で合わせる稲村
相手陣内に切れ込む清水
関東大学サッカーリーグ(以下、リーグ戦)第3節の相手は昨年度のインカレ王者、そして川崎フロンターレ内定の注目株、山内日向汰(4年=川崎U-18)を擁する桐横大。東洋大は開始早々に山之内の今シーズン初ゴールで先制、その後一点を返されるも増田が追加点を挙げ、突き放す。しかし、最終的には2失点で試合をひっくり返され、リーグ戦2度目の逆転負けとなった。
2節連続で雨の中でのキックオフとなったリーグ戦。昨年度は同じインカレ王者だった駒大に対し、初戦は4発で快勝している。今季もアップセットを狙う東洋大は試合開始早々から桐横大に一発お見舞いする。4分、相手ゴール前左の角度がないところでFKを獲得すると、本間と清水のお馴染みのコンビがボールの前へ。今回は清水が右足で急激に曲がるボールを蹴り込むと、そこに山之内が合わせて先制。2年生になった元ルーキーDFのうれしい今季初ゴールだ。ここから東洋大は面食らったような形になった桐横大を攻め立てるが、なかなか2点目を奪うことができない。そんな中迎えた22分、フリーでボールを持った相手に左サイドを突破され、クロスを上げられる。それをクリアしようとしたDFの中でクリアミスが発生し、オウンゴールを犯してしまう。その後は桐横大に攻め込まれる時間が長くなり、苦しい時間が続くも、なんとか無失点で前半を終えることに成功した。
後半、東洋大は前半終盤の劣勢を取り返すような勢いのある攻撃で再び桐横大ゴールをおびやかす。中大戦の試合後、「チャンスのわりに点が取れなかった」と得点力アップを課題に挙げた小野田も決定機を迎えるものの、ゴールネットを揺らすことはかなわず。しかし、怒涛(どとう)の攻撃がついに功奏する。57分、右サイドでボールを受けた小野田がファウルをされ、FKを獲得。今度は前半と逆の右サイドから、再び清水が蹴り、そこに稲村がヘッドで合わせるものの、ボールはまだ、ゴールインせず。しかし、そこに詰めていた増田が押し込み、桐横大を突き放すことに成功。このまま、試合を終わらせられるかと思ったが、王者の命の灯はまだ尽きていなかった。川崎内定の山内が器用なボールキープと正確なロングフィードで東洋大守備陣を苦しめる。同じボランチである本間も「正直、うまいな」と語った名門チームの有望株の活躍でジリジリと試合の主導権が相手に移ってくると、FKからのヘッド、右サイドを突破されてのクロスで2失点し逆転を許してしまう。1節の法大戦を思い出すような展開の中、このまま終わりたくはない東洋大だったが1点が遠く、試合終了。今季2敗目かつ、2度目の逆転負けを喫(きっ)する結果になった。
試合後、本間も「側から見たら勝負弱いチームに見えてしまう」と語り、逆転された試合がもう2試合あることを危惧。東洋大はもう強豪相手に点を奪う力は養えてきている。その後、いかに試合を上手くクローズすることができるかも今後重要なポイントになってくるだろう。そして、まだ今季リーグ戦1得点のFW小野田のゴールもそろそろ期待したい。眠れる獅子は目覚めるか。
■コメント
・井上監督
良い立ち上がりで早い時間帯に先制したが、ミスからの失点をした後の20分ほどは、相手のリズムで行われた。前半の終了間際は自分たちの時間が作れ、後半の立ち上がりからも立て直して勝ち越しをしたところまでは良かった。しかし、その後の失点の多さと仕方に問題があるなと考えている。(失点の仕方とおっしゃいましたが、特に守備面で見えた課題点は)一つはセットプレー、もう一つは縦じゃなくて横からの攻撃に、中で合わせられてと言うところ。出所に対する指示の仕方と中で合わせてくる選手への詰め方に改善点があると考えている。(本間主将からセットプレーの練習が多いと聞きましたが、その理由は)セットプレーの練習は昨年から行っていて、特に守備のところのトレーニングに時間を割くことが多い。その中で選手たちが自分で攻撃についてアイデアを出しながら取り組めていることが試合での良い結果につながっていると思う。(今シーズンが始まって様々なポジションの選手に得点が生まれているが、それはチーム全体で得点を意識できていると言うことか)シチュエーションによって得点を取る選手が入れ替わり立ち替わりすることは良いこと。挙げている得点はセットプレーが多い。高さのあるDFの選手がそこに絡めているのかなと思う。(セットプレーの前に本間主将、後半に田頭選手にそれぞれ指示を出していたがどのような指示を出したか)田頭のところは2ー1でリードをしている中で、残りの20分間をしっかりマネジメントしながらゲームを進めようと言う話をしたが、その通りにはならなかったかなと。(試合のマネジメントというのはやはり難しいものか)自分たちのリズムの時にチャンスを作れているが決めきれないと言う中で、強引に3点目を取りに行ってバランスを崩して、カウンターを食らって失点をすることは気をつけようと指示をしたが上手くいかなかった。(次節に向けて)最終的に上位で終わりたい中で連敗は避けたい。今回はもったいないゲームをしたよねという話を選手にはしたので、しっかりと出た課題を突き詰めながら。国士舘も負けているので、向こうも次節ホームゲームで(勝ちたい)という思いも強く出てくる。それに対して引けを取らずに叩きにいける準備をしたい。
・山之内佑成(国2=JFAアカデミー)
前半早々から先制点を取れて立ち上がりは良かったんですけど、15分以降からあまりいい流れではなくて、点は取れましたけど3失点してしまった。あまりいいゲームではなかったと思います。(1得点目のシーンではセットプレーにきれいに合わせる形でしたが)練習でやっているので、ボールがここにくるだろうなと思っていました。(今季からホームとアウェイで(リーグ戦が)開催されていますが、何か変わったことはありますか)去年と比べて応援される回数が多くなって、応援が自分たちの力にもなるので、助かりますしうれしいです。(3失点の要因は)1失点目は、もう少しボールに行ってシュートコースを消せればよかったなと思います。2失点目はセットプレーでの弾き返す力だったり、中でもう少し準備していれば止められました。3失点目は自分がやられてしまったので、自分がやられなければ失点しなかったと思います。(今季初ゴールの気持ちは)本当は点を取ってチームを勝たせたかったですけど、まぁ、点を取れてうれしかったです。(国士大戦に向けては)今、1勝2敗といい流れがないので次、ちゃんと勝っていい流れにして今回出た課題をしっかり練習で直して、勝ちたいです。
・本間洋平(国4=札幌U-18)
立ち上がりにセットプレーからいい形で点が取れて、その後10〜15分は自分たちのペースかつ相手の陣地でボールを奪ってやりたいことができた中で、ちょっとしたミスで1失点してから前への推進力がなくなった。それでも相手の時間が多い中で後半にまたセットプレーから点を取ることができて、(試合の)運びとしてはいい流れだった中で、失点を立て続けにして勝てる試合を落としてしまったのは残念かなと思います。(今季はすでにセットプレーで3得点していますが、キック精度を高めるための練習は)全体練習の中でセットプレーをやる機会が多いので、そこで本数を重ねてみんなとアイデアを共有しながらやっています。結構セットプレーに割く時間は多いかなと思います。(1失点してセットプレーから点を返した後はどんな雰囲気でしたか)点を最初の15、20分で取りに行くっていうのがハーフタイムの中の話であって、そこで(点を)取れたという試合運びは悪くなかった。しかし、オープンな展開になって隙をつかれてしまったのはまだ甘いところかなと思います。(逆転されるような流れが続いていますが)自分たちがリードしている状態が多い中で、それをひっくり返されるっていう試合は側から見たら勝負弱いチームという感じですし、こういう試合が開幕から3試合中2試合もあるので、そこは必ず今後につなげるような、今日の負けが意味のあるようにしたいなと思います。(桐蔭横浜大の山内選手と対戦してみてどうでしたか)正直、うまいなっていう印象。前半特にセンターバックの間まで落ちていて、そこにいかないとサイドバックの背後にいいボールが配球されて全体がひっくり返されてしまうっていうシーンが多くなった。ドリブルで1人で運ぶ能力もあるので、そこが抑えきれなかったなと思います。(国士舘大戦に向けて)お互いに今節負けた中で、どっちも落とせない試合になると思います。前線からのハイプレッシャーが予想されるので、それを受けずに自分たちがチャレンジャーとして意識してしっかり準備して勝てるようにしたいです。
[次節試合予定]
第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第4節
4月29日(土) vs国士大 国士舘大学楓の杜キャンパスサッカー場 14:00キックオフ
TEXT/PHOTO=髙橋生沙矢