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2023.05.08
サッカー

[男子サッカー] U-20代表候補の高橋リーグ戦初ゴール!!新井も2発で国士大に快勝!

第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第4節


4月29日(土) 国士舘大学楓の杜グラウンド


東洋大3-0国士大




〈得点者〉(アシスト) 


10分 新井(小野田)

41分  新井

55分 高橋


〈出場メンバー〉


▽GK


川上康平(国4=JFAアカデミー)


▽DF

田頭亮太(国4=東福岡)

稲村隼翔(国3=前橋育英)→72分 梅澤魁翔 (国3=大宮U18)

徳永祟人(国2=前橋育英)

山之内佑成(国2=JFAアカデミー)


▽MF

清水祐輔(国4=柏U-18)

増田鈴太郎(国3=東海大相模)→40分 高橋輝 (国1=大宮U18) 

本間洋平(国4=札幌U-18)

新井悠太(国3=前橋育英)→76分 中山昂大  (国3=大宮U18)


▽FW

小野田龍剛(国4=常葉大橘)→79分  渡井翔琉 (国3=千葉U-18)

石井宏育(国4=横浜FM・Y)→64分 鍋島暖歩 (国2=長崎U-18)


チーム内の1年生初Gを挙げた高橋

2Gで今節の主役となった新井



関東大学サッカーリーグ(以下、リーグ戦)第4節の相手は国士大。前節・筑波大に0-6で敗戦し、調子があまり上がらず苦しんでいる相手だ。ここで確実に勝利をつかんでおきたい東洋大は、新井が前半の内に2点を奪取すると、4月のU-20日本代表合宿に呼ばれた高橋もゴールを奪い、快勝した。


 前節までの寒空と違って夏の気配を感じる暑さの中キックオフ。いつも通り前半から果敢に攻撃を仕掛けに行った東洋大にこの日は新たなヒーローが生まれた。10分、川上のロングキックを受けた新井が上手く反転しながらドリブルへ。そのまま相手からのプレスが来る前に猛スピードでペナルティエリア内にボールを運び、左足でフィニッシュ。ボールはゴール右隅に吸い込まれ、早速先制点をゲットする。このゴールで自信を得た新井は、41分にも活躍を見せる。DFのパスミスを突いてGKと一対一に持ち込んだ新井だったが、ブロックされ決めきれず、新井はその場に倒れ込む。しかし、田頭や本間がつなぎ直したボールから清水がシュート。これも相手GKがナイスセーブを見せるが、こぼれ球が見事に倒れていた新井の前に。そのボールをきっちりと枠に沈め、本日2点目を奪取した。これまでは、ゴールまでの過程をクリエイトする部分での活躍に重きを置いていたサイドアタッカーが、今回は自ら主役となって見せた。


 前半に2点を取った勢いで、本来ホームのはずの国士大グラウンドにアウェイの東洋大サッカー部の歌声が響き渡る中、後半開始。後半の45分では、1年生の新星MFが”輝き”を放った。55分、ゴール前で味方の放ったシュートが相手DFにブロックされると、セカンドボールはドンピシャで走りこんでいた高橋の前へ。走りこむ勢いのまま思い切りよく右足を振りぬくと、強烈な一撃が国士大ゴールに突き刺さった。自身にとっても、そして今年の1年生の中でも初ゴールとなった高橋は「プロになる為には結果でドンドンアピールしなければいけない」と語り、気合を見せる。名前の通りキラリと”輝く”活躍を見せたルーキーの右足で、国士大にとどめを刺すことに成功した東洋大。その後も前節で井上監督が守備時の課題に挙げていた「出所に対する指示の仕方」と「中で合わせてくる選手への詰め方」の2つのポイントをしっかりと抑えた守備を見せ、完封勝利を収めた。


 試合後のインタビューで4月の17・18日に実施されたU-20日本代表合宿の出来を高橋に尋ねると「何回かスピードでぶっちぎるシーンはあったり、他の選手との連係でチャンスを生み出すという部分はあった」と自分の力がU-20の国内トップレベルの選手たちにも通用することを実感。今月8日に発表される代表のメンバー入りについても「狙っていきたいです」と選出に意欲を見せた高橋。東洋大サッカー部初のU-20W杯出場者誕生なるか。期待は膨らむばかりだ。


■コメント 

・井上監督

前節、リードしてるゲームを最終的に取れずに悔しい敗戦をして、国士大も前節負けていた中でどちらも勝ち点が欲しいゲームとなった。その中で相手を上回るマインドセットで戦おうと語り試合に入った。今回の試合は早い時間で自分たちのリズムに持ってくることができたかなと。攻撃面でも狙いを徹底してできたところは非常に良かったし、得点も早い時間帯や後半の立ち上がりのいい時間に取れたこともポジティブに捉えている。また失点の場面に特化して、改善を加えようという事で取り組んできたことが、完璧ではないが成果が出せて、失点0で終わらせられて良かったという話は選手たちとした。後は、3得点取れたが他に決定機もあった中で、もう少し早く複数点を取れたら、楽な展開になったのかなと。暑さもあって交代枠を使い切った中で足をつった選手も多くいて、あわただしい展開になった中でも選手たちは上手くやってくれたかなと思う。(守備面の課題を改善できたとおっしゃっていたが、前の試合で言っていた課題を改善するためにどのような練習を行ったか)失点の場面に近い形で練習をした。全てのボールの出所をコントロールすることは不可能なので、クロスを上げられた時の逆サイドの対応の練習を数多く行なった。(決定力の話がこれまで多く井上監督から出ていたが、今回の試合では、得点のタイミングという話が新しくあった。それは次回以降求めていきたいことか)結果、複数点取れていること自体は非常にいいが、2点目を、取るまでに35分ほど時間が空いている。その間に押し込むだけという場面も見られたし、後半の得点後にも惜しいシーンがあった。そのようなところをきっちりと決め切ることができると、これからチャンスが少なくてもしっかり決め切れるし、強いチームの条件なのかなと。最終的に得点という結果にこだわってほしい。(新井選手が得点までの過程を大事にしているという話をしていたが、井上監督も彼の得点までの過程の部分はかなり評価しているか)彼(新井)は縦への推進力が持ち味の選手なので、そこは徹底して自分の特長を出していこうという話は彼だけでなくチームの全員にしている。(今、特長を伸ばしていくという指導をしているという話をしていましたが)それぞれに彼ら自身の武器があり、それはドンドンチームの中で出していこうという話はしている。(選手たちが大学に入る前までで少し光るものがあった、という部分をそのような話をすることで一気に伸ばそうという意図はあるか)それぞれにスピードや技術力、タイミングを取るのが上手い選手、とタイプがあって。それだけを求めるのではないが、せっかくもっているそれぞれのストロングをチームの局面局面で出していけるといいねという話をしている。(次節に向けて)リーグ戦序盤の5試合を最初のターゲットにしている中で、4節終わって2勝2敗の五分、3勝目を取りたいし、次節はホームゲームかつ、西が丘で有観客開催なので、その中でも我々らしい戦い方ができて、結果がついてくる一番望ましい形になるようにしていきたい。

・新井悠太(国3=前橋育英)

今日は四節目で、今まで全部先制点を取ってる中で終わり方が自分たちの課題だった。そこを改善できるように一試合通して全員で集中できた試合だったと思います。(前節の終了時に本間主将が国士大はハイプレッシャーで来る印象があるから対策をしたいとおっしゃっていた。新井選手は何か対策はしましたか)自分はウィングをやっているんですけど、SBの背後だったりCBの背後というのを狙って、自分が後ろ向きでハイプレッシャーを受けないようにして、逆にハイプレッシャーで空いたスペースを使おうという考えでいました。(ボールの受け方や体の向きを意識していた)そうですね。(これが一点目のドリブル突破のシーンでゴールまで持ち込む意識につながったのか)最近、あのような練習をしていて、突破というより左足で持って行って、左足を使ってシュートを決めることを練習していたので。(今シーズン、チャントの種類が増えたのか)今までマニュアル的なのはあったと思うんですけど、昨年から声出し応援が再開になって。自分もその時応援する側にいたんですけど、勝手に自分たちで作ってみんなが付いてくるということをしていました。(見ていて楽しそうで、とても声が出ていた)そうですね。個人的なチャントも向こうに作ってもらって。感謝したいです。(二点目のこぼれ球に上手く反応したシーンでかなり自分の中で得点感覚への意識はあるのか)自分は今まで、点を取るっていうことはあまり得意ではない感じでいて、意識せずサイドで仕掛けることと、造りの部分でボールに関わって相手の陣形を崩すことが得意だと思っていたのであまり意識していなかった。(どちらかというと崩しがメイン)そうですね。(その中で本日2得点。自信や今後の得点が増えていくことにつながるのではないか)そうですね。(次節の東国大戦に向けて)東京国際さんも国士舘同様に個の力が強く、前からプレッシャーで来ると思うんですけど、東洋大らしく力を抜いてプレーし結果にこだわりたいと思います。

・高橋輝 (国1=大宮U18) 

前半の早い時間で先制することが出来て、自分はアクシデントがあった為、前半40分くらいからのスタートになった。でも最初から馴染むことが出来て、その結果が後半の得点につながったと思うのでそこの部分は凄くポジティブに捉えてるし、一番は得点できたことがうれしい。開幕戦からずっと得点したいと思っていた中で点を取れたのは次につながると思う。そしてチームが3-0という勝利を収めることができたのが一番。(東洋大の1年生では初めての得点者だが、今後への自信になるか)1年から結果を残すというのは自分が将来プロになるには、大事なことになってくるし、プロになる為には結果でドンドンアピールしなければいけないので、結果を残すことで沢山の人に名前を覚えてもらえるように、というところは意識している。(同じ大宮ユース出身の先輩で高柳郁弥(R4年度国卒=現・大宮アルディージャ)が同じポジションでプロとして活躍しているが、やはり目標としているか)目標ではあるが、自分はそれを超えていかないといけないし、自分の特長はスピードの部分でそこではだれにも負けたくないと思っている。だから高柳選手とはちょっとタイプが違くて、自分は自分なりに特長を毎試合表現していきたいと思う。(監督が選手の長所を伸ばすような指導をなされているとおっしゃっていたが、監督から伝えられている高橋選手の長所は)井上監督には、「ドンドン仕掛けろ」という話はされますし、ペナルティエリア内での仕掛けも要求されている。それが自分の積極性を促していると思うので、井上監督の言葉というのはかなり自分のプレーに影響していると思う。(1年生と言う積極的にチャレンジしていきたい時に監督からそのような声掛けがあるのはいいことですよね)1年生なので、ミスを恐れずにできるというのはある。だからこそ、チャレンジしていきたいし、何も恐れずやっていきたいというのが自分の考え。(U-20の日本代表合宿で得たものは)あの合宿の中で初めてウィングバックというポジションにチャレンジした。今まではFWやサイドハーフと言った攻撃的なポジションが多かった中で、ウィングバックは攻撃も守備も求められる。だから上下動が激しく、そこのハードワークや切り替えの部分は改めて学んだし、代表で「切り替えは無意識にやることが大事で、当たり前の事」と言われている。そこは(合宿の試合での)前半出せたと思うし、自分の最大の特長であるスピードの部分もしっかりアピールできたのではと。(また招集したいと思わせるような爪痕を残すプレーもできたか)何回かスピードでぶっちぎるシーンはあったり、他の選手との連係でチャンスを生み出すという部分はあったので、そこは良かったし、それをどんな試合でもどんな環境でもやっていかなければ上のカテゴリーでは活躍できない。それを当たり前のものにしたいなと考えている。(U-20W杯メンバー入りの可能性もありますよね)そうですね、そこは狙っていきたいです。(一緒にプレーした選手の中でやりやすかった選手は)代表は何回か経験があるが、法大の松村晃助 (1年=横浜FM・Y)とは3回くらいやったことがあって、彼は凄く技術的な部分で光るものがある。それに加えて攻守にハードワークをかける選手なので、一緒にプレーしてて頼もしいし、相手になったら怖い選手でもある。でも代表になれば自分を生かしてくれるので...晃助は本当にすごいです(笑)(視野が広いとかですか)視野も広いしなんでもできる感じ。スーパーな選手。(合宿の中でも松村選手とは一緒にいるか)いや、一緒にいるのはレイソルの山本桜大とか横浜FCのヴァンヤーデ・ショーンとかで、結構長い時間を過ごしています。U-18時代からの同年代なのでよく一緒にいますね。(次節に向けて)次節もしっかり勝たないといけないゲームかつ、自分も持ち味もしっかり発揮しなければいけない。一番はチームが勝つことなので、自分が出来る120%のプレーをやって、結果にこだわれれば。


[次節試合予定] 

第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第5節

5月13日(土) vs東国大 味の素フィールド西が丘  14:00キックオフ


TEXT=髙橋生沙矢 PHOTO=北川未藍