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2015.08.25
アイススケート

[スピード部門]さらなる強さを求めて、4年生がチームを引っ張る! 夏合宿in嬬恋

スピードスケート夏合宿

取材日 8月17日(月)、18日(火)


夏合宿日程

第一次 8月6日~9日 三重県にて陸上トレーニング

第二次 8月11日~18日 群馬県嬬恋村にて陸上トレーニング

第三次 8月20日~9月19日 北海道帯広市にて氷上トレーニング


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嬬恋での最後のトレーニングを終え、笑顔でカメラに収まる選手たち


 群馬県嬬恋村で行われた夏合宿を2日間にわたり取材させていただきました。今年は8月5日からの三重合宿を新たに行い、フォームやトレーニング方法の見直しなど、とても有意義な時間となったようです。その成果を嬬恋での合宿に生かすことができたと、選手のみなさんの顔からは充実した日々を伺うことができました。Image title


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 17日は午後から取材をさせていただいたのですが、取材初日の嬬恋は、珍しく雨に見舞われます。しかし、「甘えていられない」と加部監督。小雨の降る中での自転車トレーニングとなりました。標高600㍍から1700㍍までの12kmのコースを登り、持久力と心肺機能を強化します。約5kmの登り坂を終えると、ヘアピンカーブが始まります。このあたりから1位に躍り出た高柴選手は「記録を狙っていた」と苦しい表情を見せながらも、最後までペダルを漕ぎ続けます。ラスト1kmからは素晴らしいスパートを見せ、見事1位でゴール。これまで自転車トレーニングで圧倒的な速さを誇っていた黒岩宗一郎選手(H27年度社卒)の記録を抜く52分45秒の記録に本人もガッツポーズでした。


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 18日も自転車トレーニングからスタートします。前日よりも短く、また登りも緩やかなコースでしたが、晴天に恵まれたこの日は、前日より10度ほど高い気温が選手たちを襲います。しかし、その中でも昨日トップでゴールした高柴選手が序盤からチームを引っ張ります。他の選手も必死に後を追いかけますが、高柴選手がそのまま1位でゴール。遠藤主将が2位に続き、嬬恋での最後のロード練習で、4年生の2人が大学生活で培った強さを見せつけました。


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 嬬恋合宿の最後となるメニューは、体力測定です。最新技術を取り入れた機械で、様々な測定を行います。数値が伸びた選手もいれば、思うような数値が出なかった選手もいたようですが、これからの練習に向けてトレーナーさんのアドバイスを聞く顔は真剣そのもの。次の練習に生かすための、貴重な時間となったことでしょう。


 今年は新たな試みを多く取り入れている東洋大ですが、それは練習方法だけに限りません。チームの目標も去年のインカレ3位から今年は優勝というさらに上を目指すことで、監督の期待や選手の意識はより大きなものとなっているはずです。取材をさせていただく中でも、選手はインカレ優勝という目標はもちろん、個人の目標やしっかりとした考えを持って練習に取り組んでおり、その意識の高さを感じることができました。8月20日からは帯広に移動し、いよいよ氷上練習が始まります。三重と嬬恋での経験を生かし、さらに成長を遂げていく選手たちにこれからも期待です。


■コメント

・加部監督

今シーズンは黒岩と横平の抜けた穴が大きいが、短距離には遠藤がいる。遠藤は去年もそうだったが、今年もさらにやる気があり、みんなを引っ張ってくれている。それにみんなも着いていっていて、とても良い状態。11月になるとジャパンカップに出られる人と出られない人で練習が分かれてしまうことが仕方ないことだが、嫌だ。高柴は出られないが、しっかりした考えを持っていて、出られない人たちの練習を安心して預けられる。目標はインカレ優勝。個人が表彰台に乗るのも良いが、全員が15番以内に入って勝ちたい。


・遠藤主将(社4・駒大苫小牧)

今回の三重合宿は今年からで、コーチの方々が新しいことを取り組んでくれた。ゴールデンウィークも三重で合宿したが、そこからずっとウエイトや体の使い方を学べた。それによって去年より山のタイムが速くなっていたり、体は大きくなっていなかったが、使い方が上手くなったので、測定で前より良い結果が出た。(短距離のエースとして)そんな硬くならずに自分のペースでやりたい。(今のチームの雰囲気)やるときはやる、という東洋らしいチームカラーが出ていてとても良い。(目標は)個人では3位。去年の6位を最低でも超えたい。目標タイムは、卒業するまでに500mで35秒台を出したい。


・高柴(社4・日光明峰)

三重ではフォームなどを学び、今回は体力づくりということで標高が高いところでの自転車トレーニングなどで心肺を鍛えることが目的だった。みんなよく頑張っていたと思う。自分としても大きな成果を得られた。ここまで来る間に、遠藤と二人でいろいろ協力し合ってきた。今日の自転車トレーニングで1位2位を取れたのは夏の集大成として、後輩にいいところを見せることができたのかなと思う。自分たちが1年生の時のインカレで2部落ちという一番下の結果になってしまったので、今年は上位に食い込まれるようにしたい。チームの目標はインカレ優勝。それをずっと試みてやってきている。個人としては、入賞してポイントを獲れる選手になりたい。


・島田(社2・佐久長聖)

(嬬恋合宿を終えて)辛かったです。腰が悪くて今年はあまりみんなと練習できていないが、これだけの練習についていけたので良かった。技術面に関しては、自分の弱点を理解してどうしたら上達するのかなど考えることができた。インターバルが自分にとって一番弱い。短い距離をダッシュで上る練習より、長い距離の方が得意なので、そうゆうところで自分は長距離なのかなって。(1年生が入ってきて)みんなレベルの高い選手なので、負けないように意識している。氷上ではやっぱりライバルなので。(遠藤主将はどんなキャプテンか)実力でみんなを引っ張っていくキャプテンだと思う。(次のレースへの目標は)10月に行われる大会の3000㍍で表彰台に乗ること。5000㍍は自分だけなので、東洋大の長距離としてアピールできたらいいなと思う。(今シーズン全体としての意気込み)腰が万全な状態ではない中でベストパフォーマンスをすること。インカレでは入賞してチームに貢献したい。

 

・新井(社2・岡谷南)

今年の合宿は例年よりも短い期間だった分、充実した練習ができた。自転車メインの合宿になることは分かっていたので、4年生の2人に負けずに引き離されないように頑張ろうと思った。去年と比べて良くなった面も悪かった面もあったので満足度としては五分五分くらい。(良くなった面とは)元々短距離をやっていたが、今年から長めの距離にチャレンジしている。その練習の中で、去年より高いアベレージを長い間キープできるようになった。春から取り組んできたことだったので、伸びていることに満足している。(悪くなってしまった面は)持久力が伸びた分、瞬発力が思ったより落ちてしまった。(1年生が入ってきて)練習面で負けるわけにはいかないし、学年関係なく切磋琢磨していきたい。そうすればチーム力も上がってくると思う。(今シーズンに向けて)チームとしてインカレ総合優勝を狙っているので、自分ができることはインカレの2種目でポイントを取ること。チームが優勝するためにポイントを取れる選手になりたい。


・川目拓(社1・駒大苫小牧)

(東洋を選んだのは)他の大学も選択肢にあったが、短距離の選手があまりいなかった。東洋は遠藤さんや兄がいたので選んだ。(高校との違いは)やることは高校とそんなに変わっていない。三重の合宿では体の動かし方などを学べて良かった。(チームの雰囲気は)良いと思う。尊敬している先輩は兄と遠藤さん、高柴さん。(今シーズンの目標は)インカレで表彰台に上ること。自分が滑っていて気持ちいいと思える滑りができるようにしたい。500㍍では35秒台を出したい。


TEXT=中田有香 PHOTO=坂口こよみ、中田有香