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第65回日本選手権(25m)水泳競技大会
10月21日(土)〜22日(日) 東京アクアティクスセンター
(2日目・予選)
女子100m自由形
1組
2着 山本 54"51
→全体4位で決勝進出
女子50m平泳ぎ
2組
6着 池田 31"94
4組
5着 谷口 31"61
→全体10位でB決勝進出
男子200m個人メドレー
2組
1着 牧野 1'55"88
→全体1位で決勝進出
男子400m自由形
1組
4着 坊岡 3'46"89
→全体11位でB決勝進出
女子200m平泳ぎ
1組
水野 DSQ
(2日目・決勝)
女子50m平泳ぎ
B決勝
2位 谷口 31''42
男子400m自由形
B決勝
3位 坊岡 3'47''20
女子100m自由形
決勝
2位 山本 53''88 ?
男子200m個人メドレー
決勝
3位 牧野 1'54''36?
表彰台へ上り笑顔を見せる山本
日本最速を決める熱い戦いが繰り広げられる第65回日本選手権(25m)水泳競技大会の2日目が東京アクアティクスセンターで行われた。日本最速の称号へ東洋大からは昨日に引き続き5種目6名の選手が出場。女子100m自由形では山本(法3=花咲徳栄)が2位となり表彰台へ上がり笑顔を見せた。男子200m個人メドレーでは牧野(営1=湘南工大付)が3位に入り2日連続でメダルを獲得した。
今大会はコースが50mの長水路とは異なり25mの短水路で行われた。ターンの回数が長水路より倍になり、より多くの回数壁を蹴ることができるため長水路に比べて早いタイムが出ると言われているため、日本最速を決める戦いとされている。
2日目最初の種目は女子100m自由形。個人種目では花形とも言える、最速という名に相応しい種目に山本が出場。予選は隣のレーンで泳ぐ実力者の神野(中京大)に食らいつく泳ぎで2着でゴール。全体4位で決勝進出を決めた。決勝の舞台に笑顔を見せ登場。レースはラスト25mで神野がトップで抜け出し、山本を含めた2位争いが激戦となった。力強い泳ぎで追い上げをみせ、予選からタイムを大幅に更新、53秒台でフィニッシュし2位を勝ち取った。昨日の200m自由形や先日行われたインカレでベストを更新しながらも、届かなかった表彰台に日本選手権という舞台で上った。この結果に「まさか2位になれるとはおもってなく、とてもうれしい」と振り返り表彰式では笑顔があふれていた。
後半追い上げをみせ2位となった山本
続く女子50m平泳ぎには池田(営3=豊川)と谷口(文3=東京都市大塩尻)の2人が出場。昨日の100m平泳ぎに引き続きとなった池田は伸びのある泳ぎを見せるも全体17位と惜しくもB決勝進出とはならなかった。また谷口は予選、OGである青木玲緒樹(H28営卒=ミズノ)と同レースに。青木は組1着に、谷口も先輩を追いかけ奮闘、全体10位でB決勝へ進出を決めた。B決勝では8人の予選タイムが0.3秒に収まる混戦となったが、谷口はスタートから勢いと伸びのある泳ぎをし、予選からさらにタイムを縮め2位となった。
B決勝へ進出した谷口
そして昨日400m個人メドレーで銀メダルを獲得している牧野が200m個人メドレーにも登場。予選、最初のバタフライから積極的な泳ぎで上位争いを繰り広げる。その後背泳ぎ、平泳ぎとつなぎ、ラスト25m自由形で差しきり組トップ、全体1位で決勝進出。決勝には落ち着いた表情で登場。レースは予選よりハイペースで進み、両隣の選手に先行を許し波を受ける苦しい展開に。それでも前を追いかけ自己ベストを更新し3位でゴール。400m個人メドレーに引き続き2種目でメダルを獲得した。今大会出場した2種目でベスト更新とメダル獲得を果たし「力がついてきているなと実感できたレースでした」と振り返った。12月にはジャパンオープンが控える。そこで400m個人メドレーでインターナショナルの標準記録を狙う。レースを重ねる毎に自己記録の更新、着実にステップアップをする泳ぎに注目だ。
苦手な背泳ぎでも粘りの泳ぎをみせた牧野
ターンの回数が多く順位が目まぐるしく変動する過酷な中距離種目である男子400m自由形に坊岡(済2=市立太田)が出場。予選を全体11位で通過すると、迎えた午後のB決勝は先頭が日本記録ペース引っ張ったレースとなった。坊岡は後方で落ち着いた泳ぎを見せる。得意の後半、ラスト100mグイグイ先頭との差を詰める。懸命な泳ぎで最終的に3位まで順位を押し上げた。
懸命に追い上げた坊岡
水野(営1=湘南工大付)は女子200m平泳ぎに出場するも泳法に違反があったとして失格に。悔しい結果となった。
1ヶ月前にインカレを終え、4年生が引退し新体制となって迎えた今大会。新体制では「自主性を持ち、主体性を育む」を掲げた。副主将を務める山本が銅メダル獲得と自身の泳ぎでチームを引っ張る。さらにパリオリンピック日本代表を目指す牧野も自身の持ち味を遺憾無く発揮した。日本の高校生、大学生、社会人が最速の称号を競った今大会で、東洋大の名を表彰台で3回もとどろかせた。今後、東洋大水泳部から世界の舞台への期待感を抱かせ、日本最速を決める戦いは幕を閉じた。
山本葉月(法3=花咲徳栄)
(調子がいいとおっしゃってた100mで2位表彰台へ上がりました。今日のレースを振り返って)まさか2位になれるとはおもってなく、とてもうれしく思います。目標であった53秒台にも乗れ、良いシーズンが切れたと思います!日本選手権など大きな大会でメダルを獲得したことは初めてなので本当にうれしいです。
(今後の目標を教えてください。)まずは来年のオリンピック選考会でリレーで選出されるようにずっと目標としている長水路で54秒台真ん中を目指しているので選考会に向けて頑張りたいと思います。チームを引っ張っていかなければいけない立場として、自分だけにならず、チームも良い方向に向けられたらと思います。
(新チームの目標やスローガンは)新チームでは、「自主性を持ち、主体性を育む」を掲げ、日々練習に取り組んでいます。部員全員が言われたこと以上のことが自分でできるようにという意味を込めています。チームで活動するには自分のことはもちろん、周りに関心を持ち、行動することが大切だと思います。
牧野航介(営1=湘南工大付)
(今日のレースを振り返って)まず2種目ともメダルを獲得できてとてもうれしいです。またタイムもどちらともベストを出せて、力がついてきているなと実感できたレースでした。
(日本代表という目標に着実に近づいていると思います。今後目指していきたいタイムや大会は)12月にジャパンオープンがありますが、そこでインターCを突破することです。種目は400m個人メドレーで狙う方向で考えており、タイムとしては4分12秒前半を出したいなと思っています。それをクリア出来てようやく日本代表への道筋が固まってくると思うので、今までやってきたことを継続して、さらにステップアップしたいです。
TEXT=金子恭大、PHOTO=金子恭大、近藤結希