記事
第91回関東大学バスケットボールリーグ戦
9月26日(土)日本体育大学世田谷キャンパス
東洋大76-80日体大
25|1Q|14
6|2Q|27
20|3Q|16
25|4Q|23
スタートメンバー
2 山口健大 (済3=桐光学園)
25 島崎脩 (ラ3=松本蟻ヶ崎)
29 岩淵俊也 (済2=新潟商)
54 マッカーサーエリックジュニア (国1=デイナ)
88 山本大貴 (済3=市立船橋)
反撃のチャンスをつくった山口
山本はメンタル面の課題が浮上した
今リーグ戦黒星が一つの強豪・日体大が相手となった今試合。格上との戦いに勝利し、勢いに乗りたいところだったがあと1ゴールが沈められず惜敗。連勝を3で止めた。
「ハートの弱さが露呈した試合だった」。目監督のこの一言が今試合の敗因を的確に表していた。1Qは相手のターンオーバーとシュート率の悪さに後押しされリードを奪い、サイズの大きい日体大に臆することなく中に切り込んでいく強気なプレーを見せる。だが、徐々にリングに弾かれる回数が増え始め、何度も訪れた得点場面をものにできない。「点差が離れて安心した部分もあったかもしれない」と中村(済3=幕張総合)が振り返ったように、油断から10点差をつけられ後半に折り返した。3Qから泥くさくリバウンドやこぼれ球に反応していくようになると点差が縮まっていったが、フリースローやノーマークのシュートミスが響き、あと一つ逆転するまでに及ばない。それでも、山本(済3=市立船橋)の機転の利いたコンビネーションプレーが光り、4Qにはついに山口(済3=桐光学園)のフリースローで一点差まで追い付いた。
激動のラスト1分40秒だった。互いにチームファールがたまり、選手のプレー一つが勝敗を左右する気の抜けない展開に。東洋大はこの大事な場面で相手のファールに誘われ連続してフリースローを与えてしまい5点差まで離されてしまう。ここまでかと思われたが、残り16秒で山口が3ポイントシュートを決め逆転の望みをつなげる。しかし、焦りから手が出てしまいダメ押しの4点を決められてしまう。勝負どころで決められなかった精神力が最後まで尾を引き76対80で敗北した。
勝てる試合を落としてしまったと選手は、肩を落とす。特に「本当に悔しいし情けない」と自身のフリースロー決定率の低さに山本は顔を歪めた。だが、「ゲームプランは悪くなかった」と監督が語るように、毎回の課題となっていた出だしも克服の兆しが見えた。残り2戦で折り返しとなるが、すべて勝利し勝ち越すためにも、明日の神大戦を突破し波に乗りたいところだ。
■コメント
・目(さっか)監督
ゲームのプランは悪くなかったが、ノーマークのシュートをはずすときつい。あと、フリースローの確率が悪い。あれを決めていればもっと楽だった。あと一歩決め切れないところがうちのチームの弱いところ。あと一歩がみんな弱い。ハートの弱さが露呈した試合だった。2Qでオフェンスを適当にやってしまったから10点差がついてしまった。フォーメーションを使えと言ってるのに使わないとなると流れが悪くなる。日体大は走ることを得意としているのでそこを止めようと。背が高い選手がいるのでカバーやダブルチームで対応しろと言ったことはやってくれた。(接戦だったときの指示は)フォーメーションをしっかりやって、空いた選手が打てと。個人のミスで逃した点数が響いてしまった。(次戦に向けて)神大に勝って勝率を五分に戻す。まずはそこをやっていく。
・中村(済3=幕張総合)
ディフェンスリバウンド、2Qの試合展開がそのまま結果になってしまった。立ち上がりはみんな思い切りやっていてシュートも打てていたので、出だしはこのリーグ戦で一番良かった。2Qは個人個人で、点差が離れていて安心していた部分もあったかもしれない。オフェンスで足が止まってしまって、ディフェンスでは向こうに走られてしまった。(立て直すために選手間で話し合ったことは)ディフェンスでプレッシャーをかけることと、オフェンスは動いて勢いをつけようと。(個人としては)何もできなかった。監督にはチームをまとめなければならないポジションなので、オフェンスが悪いときに指示ができなくて流れが悪くなってしまったことを言われた。上級生としてもガードとしても引っ張らなければならないので、試合の流れをしっかり読んでチームを組み立てられるようにしたい。(今後にむけ)走ればいい展開になると思うので徹底的に走って、ディフェンスとリバウンドをやることによっていいオフェンスができるのでまず頑張りたい。自分たちのスタイルであるディフェンスから走ることを。走って勝つことを目指して頑張りたい。
・山口(済3=桐光学園)
今まで課題だった入りが良くて、相手のリズムを崩して、自分たちの流れにもっていけた。しかし、その後の2Qから気を抜いてしまい相手を走らせてしまった。オフェンスの流れがあまり良くなかったところで相手に点差をつけられてしまった。そこが今回の反省点。リバウンドはセンターの人たちが頑張っていて良かったが、2Qで軽いシュートが多く、攻めれていなかったのが敗因。相手がフリースローをしっかり決めてきて、自分たちはフリースローを決められなかったことも大きかった。(後半からの切り替えは)監督には負けているんだから、前からディフェンスでぶつかって、激しくいけと言われていた。3Qの入りも良くて足も動いていた。(勝負どころでは)自分はチームを勝たせるために点を取ろうと思っているので、最後は自分がやってやるという気持ちしかなかった。今回負けてしまったのはしょうがないので、次に向けて切り替えて、やるべきことをしっかりやっていきたい。
・山本(済3=市立船橋)
自分がフリースローを決めていれば勝てていた試合。本当に悔しいというか情けない。2Qで相手に走られて、自分たちのプレーが止まってしまったことが痛かった。今まで言われてきた出だしは今日良かった。自分がマッチアップしている選手が小さいときがあったので、ファールをもらえと監督から指示を受けた。4Qで相手のファールがたまっていたのでインサイドで力強くプレーしようと思った。(相手のサイズが大きかったが)32番は大きいし、力も強いので少しやりにくかった。どっちかといえば88番の方がやりやすかった。自分たちのポジション上大きい相手とやるのは当たり前なので意識していたことはなかった。(次戦に向けて)今日勝てる試合を落としてしまったことは悔しいが、切り替えて勝って勝率を五分に戻して勢いに乗りたい。
TEXT=高橋雪乃 PHOTO=福山知晃、石田佳菜子