記事
平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・青学大3回戦
9月28日(月)東洋大グラウンド
東洋大2-0青学大
3連投にも関わらず、圧巻の投球を披露した原
無死三塁のピンチを切り抜け力強くガッツポーズ
全くあわてなかった。先発・原(営4=東洋大姫路)は1点の援護をもらった直後の六回、先頭に三塁打を打たれ無死三塁の大ピンチ。「ゼロでいきたいけど、取られたらそれはしょうがない。いい具合に気持ちが入りました」。そこからは徹底して、内角を厳しく攻めた。「ゼロでいくならここしかないなと」。ねらい通り相手の窮屈な打撃を誘い2死までこぎつけると、最後も二ゴロに打ち取り無失点。ぐっとこぶしを握った。この日最大の窮地を切り抜け、大事な第3戦を完封。3試合を通じて失点は初戦の本塁打による1点のみ。抜群の安定感で、貴重な3つ目の勝ち点をもたらした。
最後まで好勝負だった。今秋ドラフト候補・吉田に対し、この日は2打数無安打。勝負どころでは四球を与えながら、鋭い当たりの投直も好捕。「トータルで勝つ」というプラン通り、主軸を抑えてチームに勝利をもたらした。3戦に渡るライバルとの熱闘。「楽しかったです。あいつのときはいい球ばっかりいくし、球速も勝手に出ちゃう。昔から、いいバッターと対戦するときは燃えるんですよ。あいつは大学で一番だと思っています」。試合後にも言葉を交わすと、「入れ替え戦は見に行くから」と約束された。好打者との対戦で、原はまた一つ階段を上がった。
今季初の3連投で、「正直、体に張りはあった」という。それでも決してつらそうな姿は見せず、むしろ涼しい顔で最後まで投げ抜いた。「自分一人のためならすぐ切れちゃうけど、みんなのためと思うと我慢できる。声援が力になるなんてないやろって思ってたけど、当事者になるとわかるんです。みんなが応援してくれているから投げられる」。そう話すエースの表情は、清々しかった。
■コメント
・原(営4=東洋大姫路)
体に張りもあって、正直きつかった。ただ、逆に3戦目なので一人ひとり打ち取ることだけに集中することができた。(六回のピンチは)ゼロでいきたいけど、取られたら取られたでしょうがない。そんなに慌てず、いい具合に気持ちが入った。とにかく勝つことだけ。完封は全く意識しなかった。後藤田(営4=東洋大姫路)と話して、1点ならOK。最後まで気持ちを持って、落ち着いて投げることができた。安西(営3=聖光学院)の2点目も大きかった。茶谷(営3=東北)のバッティングは元からやばいので。(吉田との対決は)勝った負けたというより安心している。2四球は勝ちにいった結果。初戦は自分の緩みから打たれてしまったが、そこからしっかり切り替えられた。1打席1球とにかく集中して投げなきゃいけないので、しんどいの一言です。でも、楽しかったです。あいつのときはいい球ばっかりいくし、球速も勝手に出ちゃう。昔から、いいバッターと対戦するときは燃えるんですよ。あいつは大学で一番だと思っています。あと2カード勝って優勝しろよと言われました。入れ替え戦は見に行くからって。引退したら一緒に練習しようなって話もしました。これからも仲良くやっていきたいです。自分一人のためならすぐ切れちゃうけど、みんなのためと思うと我慢できる。声援が力になるなんてないやろって思ってたけど、当事者になるとわかるんです。みんなが応援してくれているから投げられる。しんどいけれど、12勝6敗でもいい。とにかく勝ち点5。でなければ優勝という感じがしない。
TEXT/PHOTO=浜浦日向