Article

記事


2025.02.03
コラム

第868回 記者に向いてないかも 執筆者・望月桜

 こんばんは、引退コラムトップバッターを務めます3年の望月です。これが私にとって最後の記事になります。長くなると思いますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。


 本文に入る前に、このコラムのタイトルに少し触れておきたいと思います。


「記者に向いてないかも」

この活動をしていて、何度そう思ったかわかりません。

 

 自分の書いた記事に自信はないし、先陣切って選手に質問することも、スチールの場所取りも苦手です。試合中はつい見入って、シャッターを切り忘れることも多々、、深く考えすぎて、取材に消極的になった時期もあります。


 では、記者に向いていないとわかっていながら、なぜ私は今日までこの活動を続けてきたのか。

 それは、取材で出会う人が皆、心から応援したいと思える人たちだったからだと思います。

 それぞれのスポーツと向き合い奮闘する姿に惹かれ、その姿をより多くの人に知ってほしいと思いました。それが、私が記者をやめなかった理由です。



前置きが長くなりました、、

 記者として未熟な私ですが、私なりに学生記者としての思いを綴ります。

 



みなさんへお願い


 大学3年になってからの1年を振り返れば、スポトウ中心の日々でした。毎週のように取材へ行き、記事・文字起こし・赤入れ・新聞制作、常に何かに追われていた気がします。楽しいことばかりではなかったけれど、スポトウに入ったことを今、後悔していません。


 むしろ2年前、スポトウに入ろうと勇気を出した自分を褒めたいです。おかげで数々の感動の瞬間を目にして、温かくて素敵な方たちとも出会えました。


「取材してくれてありがとうございます」

取材後に選手からいただいた言葉です。

取材させていただいている立場なのに感謝されるなんて、それまで考えたこともありませんでした(笑)


 疲れているのに、忙しいのに、選手には取材に付き合わせてしまって申し訳ないな、という気持ちが常に頭のどこかにあって。記者はどうしても肩身が狭いからこそ、この言葉をかけていただけて本当にありがたかったです。


 私たちはこの1年、部員わずか18人で活動してきました。決して多くはない人数で、より多くの選手の活躍をみなさんにお届けするため、自分の時間を削っていた部員も少なくありません。


 それは、この活動が楽しいからという理由ももちろんありますが、多くの人に魅力や感動を届けたい、言葉を通して選手たちの力になりたいという思いの方が強いと思います。

 自己満だと言われてしまえばそれまでだけど、この活動を続けるのはそうたやすいことではないんです。


 私は記事を投稿するとき、この記事を最後まで読む人はいるのか、読んだ人は不快にならないかなとつい考えてしまいます。誰も最後まで読まないかもしれない、それでも自分の拙い文章を世に発信し続けることには、常に葛藤がありました。


 目には見えないみなさんへ発信し続けるっていうのは、想像以上に難しくて、時にやりがいを見失うことがあります。


 だから、このコラムを読んでくださっている方がいるのであれば、ぜひ学生記者を応援してあげてください。読んでるよって、みなさんの声を届けてあげてください。直接会ったときでも、SNSのコメントでも、投稿にハートをぽちっと押してくださるだけでも、みなさんが思う以上にずっと大きな力になります。


 この先も後輩たちが頑張り続けられるように、みなさんで背中を押してあげていただけないでしょうか。


 日の下で輝く選手だけでなく、陰で頑張る学生記者にも、みなさまの温かなご声援賜りますようお願い申し上げます。




記者としてのこだわり


 基本的にこだわりがなく、気分によってコロコロ行動が変わる私ですが、記事を書くときに一貫して守ってきた、こだわりのような一つの軸があります。


それは、

どんなときでも選手の味方でいること


 なかなか思うような結果が出ないとき、選手たちは世から厳しい言葉を浴びるかもしれない。スポーツは、結果主義の厳しい世界だから。


 勝ったときは祝福の声であふれるのに、負けたときはノータッチ。

 そんなの寂しすぎます。結果が振るわず苦しいときこそ、選手たちには気にするなと言いたい。あなたたちは十分すごいんだと伝えたい。苦戦の裏には、本人たちにしかわからない事情がきっとあって、外にいる私たちがそれらすべてを知ることはできないけれど、選手一人一人が努力していることに疑う余地はないから。

 

 だから私は、選手が負けたときには「惜」という言葉をつけます。敗北、大敗、惨敗、いろいろ言葉はあるけれど、「惜敗」を多用します。今回負けたのは運が悪かっただけだと、印象操作したいからです。


 結果が全てじゃない。試合結果や順位、それら事実を淡々と言葉で並べるのではなく、その過程を、見えない努力を称える人がいていいと思います。


 多少客観性が欠けたとしても、私たちくらいは、遠くから眺めるのではなくて、同じ学生として選手の後ろに立ち、背中を押し続ける存在であってもいいんじゃないか、


 そう思いながら、これまで50本以上の記事を書きました。一度も曲げなかった、私のスポトウにおける唯一のこだわりです。


 この考えはお世話になった先輩から学び、継いだものでもあります。ぜひ、後輩のみんなにも引き継いでいってほしいな




 スポトウの活動を今日まで続けてきたことは、私にとって正解だったと思います。記者に向いていなくとも、この2年間は楽しかった。ここまでの選択を肯定する理由はそれだけで十分です。


 最後に、これまで取材にご協力いただいたみなさま、関わってくださったみなさま、ここまで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。


 今日は、”誰も読まないかもしれない”なんてネガティブな考えを捨て、誰かに届けと願って、このコラムをアップしようと思います。


失礼いたします!


取材先で仲間と見た素敵な景色