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2025.05.09
ボクシング

[ボクシング] 新体制企画・関東大学ボクシングリーグ戦・トーナメント戦開幕インタビュー7日目 〜西中結菜選手〜

  過去5年、王者に君臨し続けるのは日本体育大学。東洋大学は、何度もあと一歩届かず、その背中を追い続けてきた。 ——その流れに、今年こそ終止符を打つ。

 「日体大の5連覇にストップをかける」——その想いを胸に、東洋大の女子選手たちは、その目標に向かって鍛錬を重ねてきた。


  関東大学ボクシング女子トーナメント戦は、5月11日に開幕する。頂点を懸けて拳を交える戦いが、ついに始まる。今回は、女子チームをけん引する4年生たちの「想い」に迫るインタビューをお届けする。



関東大学ボクシングリーグ戦・トーナメント戦まであと1日!



  7日目は、2025年度女子51kg級日本代表に選出された西中結菜(営4=浪速)を紹介する。昨年の全日本ボクシング選手権大会では女子フライ級で頂点に立ち、努力を積み重ねてきた成果をついに形にした。仲間との声かけを大切にしながら、常にチーム全体を意識するその姿勢には、責任感と優しさがにじむ。「少しでもロサンゼルスオリンピックに近づきたい」——そう語っていた彼女の視線は、今、東洋大を背負う誇りとともに、さらにその先を見据えていた。(取材日・4月5日、聞き手=山本華子)


♢ 西中結菜

身長/160cm

階級/フライ級



ーー昨年のボクシング競技生活を振り返って、自身の成長を感じたところは

大学1、2年の間はなかなか結果が出ませんでしたが、昨年は「絶対に全日本選手権で優勝するぞ」という気持ちで練習をしていました。今まで努力してきた結果がやっと出せたと思います。



ーーこれまでの競技生活で最も印象に残っている試合は

去年の全日本ボクシング選手権大会の決勝戦で、対戦相手も強豪選手でしたが、その強い相手に対しても自分のボクシングができたので、その試合が直近では最も印象に残っています。

 

 

ーー7日間の別府での春季合宿で印象に残っているエピソードは

新1年生が入ってきて初めて交流をしたので、エピソードとかではないですが、一緒に高めあって練習ができたかなと思います。

 


ーー新チームの雰囲気、印象は

声出しとかがもっとできるのではないかと思うので、これから声出ししていいチーム作りっていうのをしていきたいなと思います。

 


ーー練習中や試合中にチーム内で意識していることは

1対1の競技なんですけど、一人一人が声を出して、チームで勝たせにいこうとする声援とかを東洋は大事にしていると思います。


 

ーー目標にしている、または尊敬している選手は

井上尚弥選手が尊敬している選手かなと思います。理由は、タイミングとかがとても上手いなと思うので、そういうボクシングができたらなと思います。

 


ーー関東大学ボクシングリーグ戦・トーナメント戦に向けて

男子はリーグ戦、女子はトーナメント戦となりますが、女子団体では優勝したことがないため、新1年生が加わった今年こそ、団体優勝を目指ていきたいと思ってます。


 

ーー今年1年を通して、最も達成したい個人の目標は

日本代表に選出され、大学生になって初めて国際大会に派遣されることになりました。そこで少しでもいい結果を残して、ロサンゼルスオリンピックに少しでも近づけたら良いなと思います。



ーー最も達成したいチームの目標は

昨年は不祥事があって2部に落ちてしまったので、今年は関東大学ボクシングリーグ戦で2部優勝し、入れ替え戦でも勝ち、1部に昇格できたら良いなと思います。



  7日間にわたって、7人の4年生たちの「想い」に迫るインタビューをお届けしてきた。その言葉の一つ一つからは、仲間とともに歩んできた日々への誇りと、勝利を目指す強い覚悟がにじみ出ていた。

  いよいよ明日、5月10日——関東大学ボクシングリーグ戦・トーナメント戦が開幕する。男子は2部優勝、1部昇格を目指し、女子は悲願の団体優勝を目指す。


  男子2部リーグ初戦の相手は日本体育大学。拳に想いを込め、初戦から全力でぶつかる東洋大ボクシング部の「本気」。その戦いの幕開けを、そしてこれから続く熱戦の数々を、どうか最後まで見届けてほしい。



TEXT=鎌形美希

PHOTO=村田旺亮、山本華子