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第99回関東大学サッカーリーグ戦1部第10節 東洋大vs明治大
5月31日(土) 東洋大学朝霞キャンパスサッカー場
△東洋大2-3慶應大
《得点者》
19分 高橋 輝
▽GK
上村 倫士(国4=日本大藤沢)
▽DF
荒井 凉(国4=日本大藤沢)
福原 陽向(国4=鹿島Y)
西村 龍留(国3=柏U-18)→73分 山之内 佑城(国4=JFAアカデミー)
岡部 タリクカナイ颯斗(国1=市立船橋)
▽MF
田制 裕作(国4=柏U-18)
鍋島 暖歩(国4=長崎U-18)
相澤 亮太(国4=大宮U18)→69分 湯之前 匡央(国4=柏U-18)
宮本 新(経2=横浜FC)→65分 瀬山 航生(国2=浦和Y)
▽FW
村上 力己(国4=尚志)→82分櫛田 和夢(国2=東海大相模)
髙橋 輝(国3=大宮U18) →88分 髙橋 愛翔(国4=大宮U18)
第99回関東大学サッカーリーグ戦1部(以下、リーグ戦)第10節はアクシデントに見舞われながらも試合を進行。前回の関東リーグ王者である明治大との対戦となった。FW髙橋(輝)が明治大の守備を打破し先制点を奪うと1-0で前半折り返し。キャプテン山之内の復活で東洋大が勢いを高めるも、アディショナルタイムで痛恨の失点。1-1のドローで試合を終えた。
関東リーグ優勝を目指す東洋にとってこの試合は負けられなかった。試合開始のホイッスルとともにインカレ王者とリーグ戦王者の張り詰めた空気が動き出す。明治大がボールを運ぶ時間続き、東洋大は食らいつく流れへ。そんな中、19分髙橋(輝)が見せる。後ろからのやや距離のあるパスをワイドにいたMF相澤が奪うと、ボールを持ち一気にゴール右まで走る。追いついた相手選手と対峙するも粘りを見せ、ゴール前まで力強くクロスを上げる。途中軌道がそれるも、ゴール前にいた髙橋(輝)が素早く反応し、転がったボールを押し込み見事ゴールへ。初戦以降得点を挙げられていなかった髙橋は、今回の得点について「開幕戦以来点がなかったので結構苦しかった。しかし前回の天皇杯で2点決めることができ、そこで吹っ切れた感じがして、今回もすごくいい気持で臨めた」とほっとした様子で振り返る。
髙橋輝
東洋が得点を挙げた直後に雷の影響で試合約1時間半中断。先制し勢いを乗せていた東洋にとって苦しい流れとなったが、試合再開には再度円陣を組んでコートへ。そのおかげが、集中力切らすことなく明治の攻撃に落ち着いて対処していく。リードしたまま前半を終え、迎えた後半では明治大が急からか攻撃が激化。東洋もあと一歩勢いをつけたいところ選手交代へ。盛大なコールとともにピッチに登場したのは、けがで休養をしていたキャプテンDF山之内。応援席からの熱烈な声援に思わず笑みをこぼした。
応援席に釣られて笑顔を見せる山之内
しばらくの休養期間を経ながらも、変わらぬ力強いプレーで相手選手からボールを奪う山之内。コート内ではチームへ声をかけながら、積極的な攻撃のチャンスメイクを狙っていく。プレーだけでないその存在感の強さは東洋チームの士気を高め、東洋大も明治大に負けない勢いで攻撃を仕掛ける。
しかし、先に動いたのは明治大だった。警戒はしていたものの、相手CKから痛恨の失点。アディショナルタイムだったこともあり、東洋大は失点を巻き返せず1-1のドローで試合を終える。勝利目前にして、守り抜けなかったという思わぬ結果に、選手らの表情に悔しさを浮かべた。
リーグ前半戦も残り2試合。次節は現在リーグ戦5位の日大と対戦し、また最終戦では強豪筑波大が控える。ここまで勝ちきれない試合が続く中、スタメンやポジションの変更など試行錯誤しながら試合に挑んできた東洋大。現状の課題について山之内は「守り切れない力、チームとしてどう戦っていくかが明確でないところが顕著に出ている」と語る。インカレ王者としてプレッシャーに打ちひしがれることなく、勝ちにこだわり続けてきた熱い男たち。勝利の女神は微笑むのか。残り2試合、負けられない戦いへ。
❖第99回関東大学サッカーリーグ戦1部 前期 スコア❖ | ||||
節 | 日付 | 対戦相手 | スコア | 順位 |
1 | 4/5 | 桐横大 | ○5-0 | 1位 |
2 | 4/12 | 東海大 | △0-0 | 1位 |
3 | 4/16 | 流経大 | △2-2 | 3位 |
4 | 4/19 | 国士舘大 | ●1-4 | 7位 |
5 | 5/3 | 日体大 | ●0-1 | 8位 |
6 | 5/6 | 中大 | ○1-0 | 8位 |
7 | 5/10 | 東京国際大 | ●0-2 | 8位 |
8 | 5/17 | 慶大 | ●2-3 | 9位 |
9 | 6/14 | 筑波大 | ||
10 | 5/31 | 明大 | △1-1 | 8位 |
11 | 6/8 | 日大 | |
◼️コメント
・髙橋 輝
ーー試合振り返って
前半良い形で皆で集中して入れて、先制もできて、その後中断もあったんですけど、中断の後も皆もう1回スイッチ入れ直して集中して戦い続けていたんで、そこは良かったと思うんですけど、その最後自分たちの課題であるセットプレーでやられてしまったっていうところは本当もったいないし、とても悔しい引き分けだなっていうふうに思います。
ーー得点シーンは振り返って
右サイドで荒井選手の縦パスから相澤選手がうまく奪ってくれて、クロス上げてくれて、スリッピーだったんで結構ディフェンスのディフレクションもあって自分のところに転がってきたで、うまくファーストタッチ右足で受けて、ちょっと当たり所が悪かったんですけど気持ちで押し込んだかなっていうふうに思います。
ーー後半の決めきれなかったゴールシーン振り返って
何度かゴール前であったんですけどディフェンスとかに阻まれてしまって、そこは課題だと思ってるし、どんな状況でも少ないチャンスを決め切れるような力を身につけて、チームを勝たせる存在にならないといけないなっていう風に思います。
ーーリーグ戦ここまでフル出場の中で自身のプレーやメンタル面など変わったことは
開幕戦すごい素晴らしいスタートで、今年すごい良いのかなって思ってたんですけど、ここ最近全然勝ていなくて。チームとしてもすごい苦しいし、個人としても今節まで開幕戦以来点が無かったんで結構苦しかったんです。前回の天皇杯で2点決めることができてそこでちょっと吹っ切れた感じはして、今日もすごい良い気持ちで臨めてたんで1つ今日ここで点取れたことは良かったんですけど、まだまだチームが勝ってないっていうところでそういう悔しさの方が あるんで、今はしっかり耐えて、その1試合1試合の課題を次の試合に活かしていかないといけないなと思います。
ーー個人のプレーの調子は変わりなく
そうですね、相手で違いを作らないといけないと思うんで、前線からドリブルだったりもそうだし、スピード活かしたプレーで、ゴール前の質とかも違いを作らないと勝てないと思います。(試合)結果にこだわってやっていきたい。
ーー残り2節は勝利を狙って
もちろんです。勝ててないんで本当にそろそろ本当に勝ち点3取らないとちょっと危ない状況なんで。すごくしっかりこだわってやっていきたいなと思います。
・山之内 佑城
ーー試合振り返って
今無敗の明治との試合、みんな明治を潰すために1週間やって来た中で、最後の最後でやられたっていうのがとても悔しい結果になりました。
ーー復活戦となった今節、コート入る時の心境
今年キャプテンという立場になって、チームが嬉しい状況の中で、あんまりチームのためにっていうのができてない状況で、復帰して。復帰することが全てだって思ってるんで、やっとこっからスタートラインに立てたかなって思います。
ーー今日の自身のプレー自体はについて
プレー自体は、失点してしまったので良くはないかなと思います。
ーーリーグ戦開幕戦間近の新体制インタビューでは出場がないから緊張はしないと言ってましたが、今回は
緊張っていう緊張はなかったですね。応援団の皆さんが応援歌歌ってくれて、それが結構自分の中で力になったので、やりやすかったです。
ーーリーグ戦も10節を迎え初戦とは違ったチームの課題が出てくると思うが、新しい課題は
守り切る力であったりとか、チームとしてどう戦っていくのかがあんまり明確ではないところが顕著に出てるなっていうのが多々あるので、そこを改善しながらやり続けるしかないかなって感じです。
TEXT=森花菜 PHOTO=福田和奏、仮入部員