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第91回関東大学バスケットボールリーグ戦
11月1日(日)日本体育大学世田谷キャンパス
東洋大80-72立大
16|1Q|18
23|2Q|19
20|3Q|20
21|4Q|15
スタートメンバー
11 中村晃太郎(済3=幕張総合)
25 島崎脩(ラ3=松本蟻ヶ崎)
30 川上海斗(済1=市立船橋)
54 マッカーサーエリックジュニア(国1=デイナ)
88 山本大貴(済3=市立船橋)
献身的なプレーでチームを支えた青木
過去最高位で引退した4年生たち
一巡目では20点差を付けられ大敗を喫した立大に80対72で接戦をものにし、最終週を連勝で終えた。勝てばリーグ戦において過去最高順位の5位となる立大戦。点を取っては取られの試合展開だったが、前試合で課題だった集中力が最後まで切れなかった。攻守においてリバウンドの意識が高く、それが4Qまで持続した。
前半から東洋大が積極的に仕掛けると、立大も離されまいと東洋大に食らいつく一進一退の攻防が続く。1点ビハインドで迎えた2Qのラストプレーに中村(済3=幕張総合)が「届くと思っていなかった」というセンターラインの右後方からロングシュートを決めて再逆転する。後半も終盤までどちらが勝つか全くわからない展開だったが、最後は東洋大の粘り強さが一歩手前に出た。「18試合やってきた中で、一番いい試合」と主将の林(済4=日川)は喜びをあらわにした。「シーズンで一番良いバスケができた」と目(さっか)監督の言葉通り、素晴らしい試合で今年を締めくくった。
今試合の集中力や粘り強さを支えたのが、4年生の青木(済4=西武文理)だ。ベンチスタートとなったが、ベンチから一番大きな声でメンバーを鼓舞する。インターバルでは、いの一番に出場選手にタオルを渡して声かけをしながら、チームを引き締めた。出場時にも、得点を伺いつつ味方がシュートの機会を作れるように、スクリーンをかけるなど献身的なプレーが目立った。「個人的には出ると思っていなくて」と語る青木だったが、大事な最終週で勝利に貢献した。同期の活躍に林は、「一緒にやってきた仲間が最後の最後で活躍をしてくれたので4年間やってきてよかったなと思った」と振り返った。
東洋大は、史上最高位である5位でシーズンを終了した。「この結果は4年生が支えてくれたおかげ」と中村は話す。成績を喜ぶ一方で、「来年は1部を狙えるメンバーがそろっている」と井上(済4=昌平)や「自分たちの代以上の結果を残してもらいたい」と浅井(ラ4=駒場)など4年生は皆、来年への大きな期待を寄せた。「(昨年の)先輩方が残してくれた財産を、自分たちで崩したくないという気持ちで練習していた」という青木を含めた4年生の姿を、後輩たちは来年へと受け継いでいく。
◼︎コメント
・目(さっか)監督
シーズンで一番いいバスケができた。よく耐えていたし、オフェンスもディフェンスもよく頑張ってくれた。(選手の成長は)5位は過去最高に良い成績。去年を超えることができたのがまず一つ。ただもう少し上に行けるチームであるとは思っていたが、試合だからそれはわからない。なので一番最後にこういった素晴らしいゲームができたのは、4年生が来年につなげてくれた。(選手たちには最後どのような声掛けを)4年生にはお疲れ様と。下級生にはまた練習で死ぬよと。そういう風に言った。(今季を振り返って)けが人が多かったのがきつかったけど、それ以外の出ている選手が頑張ってくれた。いいチームだった。
・林主将(済4=日川)
18試合やってきた中で、一番いい試合。観てる方も楽しいし、やってる方も勝って気持ちいい試合ができたと思うので最終的には良かった。(青木選手の活躍は)同期としてすごく嬉しい。一緒にやってきた仲間が最後の最後で活躍をしてくれたので4年間やってきて良かったなと思った。(過去最高位は)チームの力。出てない人も、応援席も、保護者の方々も全員の力があってこの結果を残すことができた。来年はもっといい結果を残せるように後輩たちには頑張ってほしい。(4年間を振り返って)きついことの方が多かったと思うが、最後の最後こうやって気持ちよく終われたので4年間やってきて良かった。(主将としての1年は)不甲斐ないことが多かったと思うが、自分としては今まで経験できなかったことを経験できたので良かったかなと思う。(同期で出れた試合は)本当にあの試合は後輩たちのおかげ。思い出に残ったし、監督もベンチに全員入れてくれたのは普段は厳しいがわかってくれていたと思うので感謝しかない。(後輩に向けて)来年が勝負の年で、主力がほとんど残っているので今年以上の結果を残して頑張ってほしい。
・青木(済4=西武文理)
大事な試合でチームとして勝てれば良いかなと思っていた。そこで自分が使われて、何とかしないといけないという気持ちで出て、粘れて良かった。(チームに献身的なプレーが目立ったが)自分の立場として声を出し続けるとか、後輩を指導することもチームとして求められている。ベンチに入っても出ているときもしっかり声を出して、みんなをまとめるのが大事だと思っていた。(5位という結果について)今年は上と下の関係が良いので、ここまでいい成績を残せたと思う。とても最高なメンバーだったし、それが来年につながる。(今季一番の試合は)やっぱり今日の試合。個人的に勝って引退したいという気持ちが強かった。なので、勝って終われたのは個人的にはすごい大きかった。(来年に期待する後輩は)今日スタメンで出ていた中村、島崎、川上、山本、エリック。あとはけがをしている山口と佐久間。この7人は今年のチーム作る上で、最初から出ていたりけがで出られなかったりしていた。来年一年けがなしで活躍してくれれば、自分たちより素晴らしい結果が出ると思う。超えてもらわないと困る。期待するのは全員と言いたいけれど、その7人は特に期待したい。(今季を振り返って)トーナメントで東海大に60点差付けられたところからチームを作り始めて、新人戦でいい結果が出て、それがリーグ戦で結果として出たのが最高だった。
・浅井(ラ4=駒場)
今日は1試合通してディフェンスやリバウンドを頑張れていたので、今季一番の試合だったと思う。(5位という結果は)素直にうれしい。今季はベンチにも入れなかったこともあったり試合にあまり絡んではこなかったが、応援など違うところでチームを鼓舞してきて最後勝ってもらえて感謝している。この4年間練習は辛かったが、チームメイトに恵まれて楽しくやってこれた。中高とバスケをやってきて同期はたくさんいるが、大学の同期は4年という一番長い期間一緒にプレーしてきた仲間たちなのでこれからも大事にしていきたい存在。目監督は練習は厳しいが、バスケから離れると優しいおじちゃんのような感じ。切り替えがしっかりしていて好きでした。来年はまだ主力が残るので、自分たちの代以上の結果を残してもらいたい。
・井上(済4=昌平)
今日は最後としていい終わり方だったと思う。一回流れが相手側になったときも、みんなで頑張ろうと意識を高めて立て直しをした。個人的には試合に出たら絶対にシュートは決めることと声を出すことを徹底しようと思っていて、それができたので良かった。チームとしても今季一番の試合だったと思う。後悔はない。今季は最初、4年生としてのプレッシャーに負けていたところがあって空回りをしていまったこともあったが、終盤は自分の気持ちを大事にプレーできたと思う。集大成としては最高なリーグ戦だった。1年生のときは9位、2年生のときは7位、3年生のときは6位で、今年は5位と4年間でどんどん順位も上がって本当に充実していたと思う。この4年間を共に過ごした同期はとても優しくて、自分のことも理解してくれていて、一生大切にしたい存在。後輩は特に中村と山口と山本は、寮でも常に一緒にいるくらい可愛がってきた大事な仲間。目監督には同期の中で一番怒られてきて、もう試合に出さないと言われたことは何度もある。でも、また何度も信頼してくれて、試合に出してもらえて本当にうれしかったしお世話になった。来年は1部を狙えるメンバーがそろっているし、1部に上がっても上位で戦っていけると思う。今年の順位を絶対に超えて、インカレと入れ替え戦にいってほしい。
・岡本(ラ4=草加)
今日勝てたことは大きい。今年は4年生が主力ではないので、3年生の中村、山口、山本がプレーで引っ張ってくれた。最後にまとまっていい部分が出た。(青木選手の活躍は)今まで試合に絡むような選手ではなかったので、最後にいいプレーをしていて4年生の意地を感じた。試合に出ていないメンバーが出るというのはうれしい。(このシーズンを振り返って)試合には出てなくても4年生という立場があるので、練習中の雰囲気などプレー以外の部分で引っ張ることを意識した。今年の結果は5位で、今までで一番いい成績が取れたので3年生にも、4年生にも感謝している。(後輩に向けて)自分は一般入試で入ったので、一般で入ったメンバーの塚原だったり唐沢だったり。今も出てる島崎も去年も試合出てなくて今年になってスタメンに入ったので。そういう子たちの頑張りを見てきた。Bチームのみんながもっと試合を盛り上げてくれると思う。
・中村(済3=幕張総合)
最後の試合で意識も高くディフェンスから頑張ろうとみんなで話し合った結果、勝ちにつながった。(シュートの意識が高く見られたが)4年生を勝たせたいので決めなきゃいけないと思った。思いきり打った結果入った部分もある。(2Q最後のシュートは)あれはたまたまで。一応リングの方向には投げたけど、届くと思っていなかった。自分が一番びっくりした。(5位という結果について)この結果に満足するわけではないが、過去最高ということは4年生が支えてくれたおかげなので、感謝の気持ちでいっぱい。(4年生について)上下関係がとても強いというわけではなく、フレンドリーな人たちばかりで絡みやすくて。その分、部活のオンオフの切り替えが激しくて、部活のときは厳しく当たってくれているところは感謝しなきゃいけない。(来年の目標)今年はまだ一つ上級生がいるということで、頼ってしまうことも多かった。来年は自分たちが最上級生で、自分たちの代が中心となり、支えるようになってさらに今年の成績を更新していきたい。
・丹治マネージャー
今日はチームで勝ったという印象が強かった。すべてを満点にはできないけど、みんなでカバーし合っているところが、東洋大のバスケらしいなと思った。最後がこういう試合で良かった。このリーグ戦が終わってみて、選手にもマネージャーにも、これから任せていけると自信を持って言えるようなチームになったと思う。同期の4年生はあまり目立つような人たちではなくて、私たちの代になったときに引っ張っていけるかどうか心配なこともあった。でも今は、影で引っ張っていっている4年生という面ではどのチームよりも最強だと思う。目監督は技術で支えている面も多いけど、それでいて精神の支柱にもなっていると思う。本当にこの監督の下でやってきて良かった。後輩は日々の成長を見てきたので、いい意味で子どものような存在。来年は絶対にもっと上を目指せる後輩たちだと4年生は確信しているので、プレッシャーを感じてもそれを力に変えて頑張っていってほしい。
TEXT=藤井圭 PHOTO=高橋雪乃