記事
1年間、主将として、エースとしてチームを引っ張り続けた。誰よりもこの日を待ちわびた原樹理(営4=東洋大姫路)が、4年間の大学野球を終えた今、その素直な思いをスポーツ東洋につづった。
高校時代から7年間背負った「TOYO」のユニフォームも、これで見納めとなった
とりあえず、ほっとしています。この1年間、自分のためには野球をやってこなかった。下のために何としても自分たちの代で上げてやらないと、後輩に「頑張れよ」とも言えないと思いながらやってきて、本当に肩の荷が下りたというか、安心したという思いです。1年間、ほんまに何回も「もうええわ」って思いかけたこともあったけど、周りが支えてくれたので耐えられた。妥協せず、崩れず、諦めないでやってきて本当に良かった。今年の正月に引いたおみくじに、昔の言葉で「神様は見ているから、悪いことをすれば災いを呼ぶ。だから思うように結果が出なくても一生懸命真面目にやりなさい」みたいなことが書かれていました。今までなんとなしにやってきたけど、今年は決心つけてやれたのが良かったのかなと思います。絵馬に書いた『キャプテン頑張る!』、『1部復帰!絶対させる!』という2つの誓いも、こうして果たすことができました。これまで自分はキャプテンという感じの人間じゃなかった。みんなにあれこれ言ってやらせるというのはできないタイプ。それが、自分の思ったことがしっかり言えるようになった。人に何かを言うためには、自分もしっかりしていなきゃ言えない。キャプテンになったことで、人間的にも成長できたかなと思います。
野球ってこんなにしんどいものなんやと思った4年間でした。とにかくつらかった。3年の夏でようやく調子を上げても、秋のリーグ戦で全然駄目だったときはほんまにもう無理かなと思いました。本当に監督なしでは自分はここまでこられなかったので、監督のおかげで今の自分があると思っています。ここまで自分の意思を尊重してやらせてもらえたので、両親にもとても感謝しています。くじけそうになったとき、チームメイトにはよく励ましてもらった。野球だけが全てじゃないし、24時間ずっと一緒におったのがチームメイト。だから本当にありがたかったですね。高校3年のときは自分のスタイルというものがなく、周りには「ドラ1でプロに入るために大学へ行く」と言っていたけれど、ほんまに行くというはっきりした気持ちはなかった。もし、その当時の自分に声が掛けられるとしたら、それは間違いじゃない、できることだから自信もって頑張れと言ってあげたいですね。
これからが一番の勝負だと思っています。初めにくじけてしまったら立ち直るのが難しいと思うので、明日からはもうプロに向けてやっていきたいと思っています。やっぱり日本を代表するようなピッチャーになりたいし、侍ジャパンとかを見ているとこういうところで投げたいなと思う。今度はそこを目指してやっていきたいです。こんなにつらかった4年間はないので、これから先、何があってもやっていけると思います。
(東洋大学硬式野球部 主将)