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悲願の1部復帰。高橋政権最長の6季の2部生活に終止符を打ったこの秋、彼らはどんな思いを抱いて戦っていたのだろうか。そんな舞台裏に迫った特別インタビューを8日間に渡ってお届けする。
第3日は田中将也内野手(営2=帝京)。この秋、レギュラー定着、2部優勝、一部昇格と大学生活で最も充実したシーズンを送った。シーズンが終わった今、今季の活躍を本人はどう考えているのか。胸中を打ち明けた。(取材日・11月29日、聞き手・菅野晋太郎)
――この秋を振り返ってみて。
最初はレギュラーではなかったし、春に関してはベンチにすら入っていない、という状態からのスタートでした。最初からレギュラーを取るという気持ちでいて、中盤からレギュラーとして試合に出られるようになった。レギュラーになってからは、2部優勝、入れ替え戦に勝って1部昇格というのを目標にやっていた。毎試合が自分にとっては勝負だと思っていたので、あっという間で充実していました。
――シーズンを通して試合に出続けたのは初めてでしたが。
体調管理も今まで通りという感じで、体調を崩すといったこともなかった。一番気をつけていたのがケガ。1年生の時から苦しめられてきた。疲労が溜まってきた時のケアに関しては病院の先生やトレーナーさんに見てもらったり、常に気を配っていました。
――入れ替え戦3試合を振り返って。
本当に地獄のような3日間でした。こんなに一球に重みのある試合は高校でもなかった。原さんと今永さんという投手が投げることもあって、周りから注目されている試合。その試合に出られるという喜びとプレッシャーを感じながらプレーしていました。3戦目が終わったときにはホッとして、帰りのバスの中でこんなに肩の荷が降りるんだと感じました。今までの野球人生でこんなことはなかった。色々な意味で自分の血となり肉となった3試合だったと思います。
――今シーズン、成長できた面はありましたか。
春の開幕前に背中を肉離れして、自分の中でかなり気持ちが切れてしまった。野球をやめると監督さんにも伝えた。でも、みんなのサポート役になることも必要だ、そういった立場になることで人間としての幅も広がるんじゃないかと監督さんに言われて、原さんにも言葉をかけてもらった。まわりの方にも支えられて、一皮向けなくてはいけないと思っていました。入れ替え戦の1、2戦目は全く振るわなかったのですが、最終戦で適時打を打った二打席で一皮向けたんじゃないかなと思います。
――1年間原さんを軸にプレーしてきて、原さんはどんな人だと感じていますか。
春にケガをしてしまったとき、原さんに『幼い時から休みなくやってきて、ここで辞めたら何が残る』と言われたその言葉が一番頭に残っています。原さん自身も2年生の時にケガをして思うようにいかなかった。投手と野手でポジションは違うけれど、最後にこうやって活躍された。1人の人間として、自分の精神的な支えになっていた人でした。
――原さんを含めた4年生が抜け、新チームではどのようにプレーしていきたいと思っていますか。
中川や阿部さん、笹川さんとは違って、レギュラーを約束されているわけではないと思っています。また一からレギュラー争いをして勝ち残っていかなければいけない。今回はたまたま結果が出てレギュラーで出ることができた。なので、これからはまた一打席一打席、監督さんにアピールするためにも緊張感を持って取り組んでいきたいです。
――最後に、来年はどのようなシーズンを送りたいと思っていますか。
自分たちは1部という舞台に挑戦するチャンスをいただけた。4年生のためにも1部優勝して、全日本選手権でも優勝することを目標に戦っていきたいと思います。
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8日連続インタビュー~昇格の舞台裏
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