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2015.12.30
アイススケート

[アイスホッケー]特集4日目この選手に注目!④ GKってかっこいい  “直感”こそがGK脇本スタイル

 日本学生氷上競技選手権大会まで、あと1週間を切った今。東洋大を優勝に導くためには?スポトウが選んだ注目選手を5日間に渡り記者のコラムによって紹介する。


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 チームの守護神として東洋大を支えてきたGK脇本(社4=苫小牧工)。昨年の数的不利によるピンチを、彼は幾度となく救ってきた。


 北海道出身。小学校1年生のとき、親の影響でアイスホッケーを始める。小学6年生になるまでに、ポジションは当初やっていたDFから本格的にGKへと移行した。「かっこいいなって思って」。始めたきっかけは、そんな単純なものだった。


 GKというポジションは孤独ではないのだろうか。試合中、チームが攻めているときにリンクにぽつんと取り残されたGKの姿は、素人の目から見ればそんな疑問を持ってしまう。しかし、脇本は「自分が一人だとかは感じないですね」と、あっさり答えた。「試合が始まれば、まずFWがいて、DFがいて、最後に僕がいる」。チームのFWとDFが突破されたとき、最後にGKが放たれたシュートを止められるか、そこにすべてがかかっている。


 実際のところ、FWやDFが抜かれても、最終的にGKが止めれば失点にはならない。「GKは、他のポジションに比べてひとつのミスの重さが全然違う」。些細なミスでも、その代償はどこよりも大きい。そんな責任あるポジションだからこそ、ビックセーブが生まれたときに喜びや楽しさを見出すことができるのだ。目に見えてチームの危機を救える唯一のポジション。「かっこいいな」と思わずにはいられない。


 昨年、脇本はセーブ率大学ナンバーワンという驚異的な守りを見せた。「直感…ですかね。あ、やばいって思ったときにちょっとだけ前に出るとか。なんかそういう、雰囲気があるんですよ」。彼は目で見て判断できないものを“直感”で感じ取っているのだという。相手の利き手、体の向き、DFの位置はどうか、そういう細かいものを分析し、あとは“カン”を頼りに動く、それだけだ。「相手がここに打ちたいだろうなってところを読んで、あ、くるな。っていうのがわかる」。そんな洗練されたホッケーセンスが、昨年の好セーブを生み出していた。


 そんな中、4年目になった今年、脇本は昨年とは全く違う“最後の年”のプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。「GKが4年目にだめになるって、こうゆうことなんだな」。昨年の言わば出来すぎたプレーが出せない。「GKは何も考えないような人がやった方が合ってますね」と、つい物事を考えすぎてしまう脇本はこぼした。

 とはいえ、インカレの時はかまわず近づいてくる。試合に出られるGKはたった一人だけ。秋リーグのほとんどは脇本ではなく1年生のGK古川駿(社1=八戸工大一)がマスクをかぶったが、「出てないときでも練習に手は抜かない。自分がだめにならないように、今まで以上の努力をする」と意欲を見せた。「出られない選手がいるのもしょうがない。共に辛い練習をこなして、努力しているGK宮川(社3=北海)やGK梅庭(社2=北海)の分も頑張らないと」。東洋大GK4人。全員が切磋琢磨して、堅い守りの壁を築き上げていく。


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「霧降でみんなで校歌を歌いましょう!」


■脇本侑也(わきもと・ゆうや)

178cm/72kg

H5・5・4生/O型

趣味/服、洋画、野球観戦

好きな食べ物/いちご、甘いもの

好きなタイプ/やさしい人

プチ自慢/料理が好き(得意料理はカレー)

座右の銘/一意専心


次回は12月31日(木)のラスト掲載です。お楽しみに!

TEXT=坂口こよみ