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2016.03.10
コラム

第502回 高まる瞬間 執筆者・野原成華


 こんにちは。社会学部3年の野原成華です。私がスポトウの活動の中で一番好きだったのは、カメラのシャッターを切ることでした。約3年間、ときめいたり、胸が高鳴った瞬間というのは、ほぼほぼシャッターを切っている時だったんじゃないかなと思います。誰かが喜んでいる顔とか、競技に打ち込んでいる姿とか、誰かが誰かを応援しているところとか、そういうものを写真におさめている時間は、まさに「高まる!!!」という感情が押し寄せてきました。そこで今回は、担当させていただいた部活ごとに私が高まった瞬間を紹介したいと思います。ただそれだけだとつまらないので、その競技の魅力と共にお伝えします!どうぞ!!



○射撃部

 射撃と言えば、ファイナルです!予選や本戦は静か~で射撃の音だけが射撃場に響いているのですが、本選の上位だけが進出するファイナルは、打って変わってまるでお祭りみたいなんです。初めて見たときは「ここはさっきと同じ場所なのか」と仰天しました。空気バットや手を叩いて応援したり、愛のある野次が飛んでいたり!中でも素敵だなと思ったのが、競技人口が少ないため他校にも知り合いが多く、大学関係なく応援しているところです。

 射撃部さんはとにかくギャップが激しくて(実際に見ないとわからないはず)、でも真剣に撃っている姿もかっこよくて、一度取材に行っただけで「この部活担当したい!」とすぐ思いました。


○ボクシング部

 正直に言います!最初はボクシングって苦手でした!すみません!!でも取材回数を重ねる内に選手の人柄だとか努力だとか知っていって、次第にボクシングという競技自体にもひかれるようになっていきました。きっと担当しないと好きにならなかったと思います。

 撮影場所だと、リングと応援席が一緒に写せるところも好きでしたが、一番はやっぱりリング下です。肉眼で汗しぶきも見えるんです。あんなに近距離でカメラ構えても許されるなんて幸せすぎます。もう二度とあの場所に立てないからこそ、貴重な経験でした。


○短距離(陸上競技部)

 短距離は結構取材場所がばらばらなのですが、例えば100mだと日大、200mだと日体大、400mだと上柚木競技場が好きです。陸上班ならわかってくれるかな?(笑)

 好きな写真だと、100mの選手が走り終わってから戻ってくるのを、梶原監督が優しい顔で待っているところです。いつもにぎやかで楽しいイメージの短距離部門ですが、競技中はもちろん真剣で、その写真の100mだと戻っていくところもまだ競技中なんです。監督がああいう顔で待っていてくれるから、短距離部門の雰囲気は素敵なのかなと感じる写真です。


○中距離(陸上競技部)

 私が陸上班に入って一番好きになったのは、間違いなく中距離です!!!特に800mが好きで、トラックを2周走るだけなのにいろんなタイプの選手がいるところが魅力的なんです。他にもおすすめポイントはたくさんありますが、書き出したら止まらなくなるので割愛します。

 そして、中距離と言えば日体大競技会です。日体は中距離陣に一番多く取材させていただいた場所で、陸上未経験者の私にとっては初めて青いタータンを見た場所でもあります。東洋大の白いサブユニが青いタータンに映えて、すごくきれいでした。800mの東洋大記録更新を2週連続で見られたのも思い出深いです。


○長距離(陸上競技部)

 一番取材回数が多かった部門なので、その分いろんな思い出があります。駅伝でいうと、初優勝した全日本で酒井監督と谷川コーチが肩を叩き合って笑っていた時は、こちらまでうれしくなりました。好きだった大会は、4月上旬に行われる五大学です。年度初めの、長距離部門としては最初の団体戦です。行くと絶対、誰かが誰かを応援している姿っていいなって思えます。写真を撮りたくなります。間違いないです!


○競歩(陸上競技部)

 競歩の選手は考え方がグローバルというか、視線が常に世界に向いていて、いつもすごいな、まぶしいなと感じていました。よく覚えているのは、偶然撮ってしまった関東インカレの写真です。

 関東インカレ1万m競歩のスタート直前、ある優勝候補の選手が観客席を見上げながらニコニコしていました。結果は2位だったのですが、コメントをいただけることになったので笑顔の理由を尋ねてみると、驚きました。余裕があったわけではなく、むしろ調子もそれほど良くなかったそうです。でも「スタンドを見上げると知っている人たちが応援してくれているのが見えて、(顔に)出ちゃったのかな」と返ってきたんです。世界レベルの選手でもそういうことで安心できるんだ、応援って大事なんだ、と、そのスタート前の写真を見ると思い出します。


○女子長距離(陸上競技部)

 2年間連絡係を務めたので、一番思い入れがある部門かもしれません。唯一同性だけの部門ということで、いつも少し安心感がありました。

 1年次の個人選手権で同い年の選手が入賞した時と、関東女子駅伝で初めて全国(杜の都)への切符を手にした時は、感動しました。どちらも夢中でシャッターを切って、メモを取ったことを覚えています。「同じ学生で、女子で、こんなに頑張っている人たちがいるんだから」と取材にうかがう度密かに(勝手に)励まされていました。



 スポトウってなんなんだろう、と悩みっぱなしの3年間でしたが、それでも私たちを応援してくださる方もいて、そのおかげでスポトウは続いているんだと思います。いつもありがとうございます。

 2部会でチーフを、1部門で連絡係を務めさせていただき、いろいろな方に大変お世話になりました。ありがとうございます。


 最後に、ここまで読んでくださりありがとうございました。

 今後ともスポーツ東洋をどうぞよろしくお願いいたします。