スポトウ｜東洋大学スポーツ新聞編集部

平成28年度東都大学野球春季１部リーグ戦・日大２回戦

５月４日（水）　神宮球場

東洋大10－４日大

（イニングスコア）

（東洋大）

○山下（２勝１敗）、中田、飯田－西川元、澤田

二塁打：鳥居、安西

初先発のマウンドで好投する山下

阿部健の活躍でチームの打線を力強くする

　ナイター照明の灯る中行われた日大２回戦。大学初先発の山下（営１＝東邦）は５回０／３、３失点で２勝目。打線は二回に一挙８得点。終盤にも２点を挙げ、結果１０対４で快勝。優勝に向けて大きく前進した。

　初先発だろうと、この男の度胸は変わらなかった。「３、４日前に伝えられた」という大学初先発。「緊張はなかった」と振り返る山下は、初回に１、２番を連続で空振り三振に仕留める。二回はわずか８球で三者凡退。三回には、フルカウントまで粘る打者に対して変化球で空振り三振。緩急をつけた投球で、気迫を見せつけた。４、５回は内野陣の失策も絡み、３点を奪われ降板。しかし、十分に試合は作った。

　打線は二回に大爆発。先頭打者の津田（総１＝浦和学院）が10球も粘り四球を選ぶ。この勝ちへの思いに打線も応え、５連打で一気にたたみかける。特に「自分がチームの足を引っ張ってしまっている」と、亜大戦後に自ら坊主にした阿部健（営４＝帝京）は、適時二塁打を放つとほっとした表情を見せた。相手投手の暴投やボークも絡み、気づけば打者一巡、大量８得点を挙げた。また、七、九回には安西（営４＝聖光学院）が２本の適時打を放つ活躍。本人は「たまたまです」と謙遜しながらも、このカードは９打数５安打４打点と絶好調。指揮官も「良いつながりをしてくれたよ。安西はマイペースだけどよく働いてくれるね」と目を細めた。

　前回登板した亜大戦では、押し出しの四球で点を与えるなど、制球が乱れ敗戦投手となった山下。「力まずに投げること」を意識したこの試合は、「山下は先発でもいける」と女房役の西川元（営３＝浦和学院）も認める成長ぶり。度胸満点なルーキーの活躍が、１部優勝のカギとなるのは間違いない。優勝のかかる今季最終カードは、勝ち点の並んでいる国学大戦。昇格即優勝を山下の投球で導いてほしい。

■コメント

・高橋監督

山下は三、四回までいっててくれればと思っていたけど、もう少し頑張れば完投できましたよ。安西もよくやってくれました。（１部に）上がったばかりで、まさか勝ち点３も取れるなんてね。

・笹川主将（営４＝浦和学院）

最初良かったですが、途中だめだった。優勝ももう少しでできるポジションについているので、他力本願なんですけど、もう一度チーム作り直して、秋につながるようにしたい。最下位はないので、そこも考えてやっていきたいなと思います。

（山下は）実戦もだんだん積んでいるので頼れるというか、少しずつ投げれるようになってるんじゃないかなと思います。

・山下（営１＝東邦）

３，４日前から先発の話があった。緊張は特になかった。抑えだったら投げるイニング決まっているので、力込めて投げれますね。（イニングの目安はあった？）自分の中では１周り半くらい。最初は点取ってもらえたので、多少点取られてもいいかな、と。

（前回から改善した点）少し力抜いて力まず投げたことです。ショートイニングでも長いイニングでもしっかり投げられるように頑張っていきます。

・西川元（営３＝浦和学院）

山下はよかった。３点取られたのは自分の責任だと思う。山下は先発でもいける。上級生なので、上級生として引っ張っていきたい。

TEXT=美馬蒔葉　PHOTO=菅野晋太郎、當麻彰紘