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2016.05.18
硬式野球

[硬式野球]投打かみ合わず、優勝の可能性消える

平成28年度東都大学野球春季1部リーグ戦・国学大1回戦

5月18日(水) 神宮球場

東洋大2-3国学大

(イニングスコア)

1回戦










国学大
東洋大

(東洋大)

石倉、飯田、●山下(2勝2敗)、片山翔―西川元、澤田

二塁打:田中将也


打順                    
守備
名前



(中)
笹川(営4=浦和学院)
(遊)阿部健(営4=帝京)

(指)
中川(法2=PL学園)

(一)
鳥居(営4=愛工大名電)

(左)
茶谷(営4=東北)

堀北(営1=龍谷大平安)

西村(営4=広陵)

(右)
安西(営4=聖光学院)

打右宝楽(営3=PL学園)
(二)津田(総1=浦和学院)

上島(営4=佐久長聖)

(三)
田中将也(営3=帝京)

(捕)
西川元(営3=浦和学院)

澤田(営4=新湊)




32


名前




石倉(営4=帝京)22/311
飯田(営3=常総学院)12/310
●山下(営1=東邦)10
片山翔(法3=大社)12/3



先制の本塁打を浴びた石倉


山下は好投を続けていたが、八回に決勝の適時打を許した


 昇格即優勝へ、一つも勝ち星を落とせない東洋大は最終カードで首位国学大との直接対決。しかし、先発・石倉(営4=帝京)は3回途中で降板と役目を果たせない。八回には前の回まで持ちこたえていた山下(営1=東邦)が連打をい浴び、決勝点を与えた。頼みの打線は、尻上がりに調子を上げた相手投手に翻弄(ほんろう)され、2点止まり。大事な初戦を落とし、優勝の可能性はなくなった。

 


 緊迫したシーソーゲームを制したのは、国学大だった。ここまで投手陣を支えてきたルーキー山下がついにとらえられた。この試合も五回のピンチでマウンドを託される。度胸満点の1年生はこの場面にも動じない。「一人ずつ抑えよう」と新人とは思えない落ち着きで指揮官の期待に応え、1球で併殺打に仕留めていた。以降も味方の勝ち越し点を待ちながら、相手に流れを渡さず淡々と試合を運んでいた。八回、直前の回に1番から始まる攻撃を三者凡退に抑えられ、流れが相手に傾きかけたところだった。先頭打者に初球の浮いた直球を中前に運ばれると、完全に流れは国学大へ。続く打者は初回に本塁打を放っていて、警戒が必要だった。しかし、「甘いところに投げてしまった」と山下が振り返れば、「工夫が足りなかった」と西川元(営3=浦和学院)が悔やむように、きっちりと右翼線に弾き返され一気に一塁走者が生還。これまで好調だっただけに悔しい失投。「自分が試合の流れをつくらないといけなかったので申し訳ない」。試合後にはいつもの1年生らしい無邪気さが消えていた。

 このカードでも初戦の先発を任されたのは石倉。初回、簡単に二死まで取った直後に本塁打を浴びたが、その後は持ち前の打たせて取る投球がさえ、凡打の山を積み上げていく。女房役である西川元(営3=浦和学院)の2度の盗塁阻止などにも助けられ、守備陣も石倉を盛り立てる。だが、三回に二者連続で出塁させたところで降板。3試合続けて悔しい序盤での交代となった。

 打線も初回に鳥居(営4=愛工大名電)の内野ゴロの間に取った1点と、五回に奪った中川(法2=PL学園)の右前打でと失策絡みの1点の計2点のみと元気がなかった。最終回に田中将也が意地の左越え二塁打で好機をつくるも、今季初めて4番を外された笹川(営4=浦和学院)が走者を返せなかった。「自分が貢献できなかったのが敗因」と主将としての責任を重く受け止めた。

 目標である春季優勝は果たせなかったものの、選手は次の秋季優勝を見据えている。そのためにも残りの試合に負けるわけにはいかない。“強豪東洋大”復活への物語はまだ始まったばかりだ。


■コメント

・高橋監督

選手がもう少し頑張ってくれないと。笹川はあそこで(九回2死二塁)で一本打ってくれればね。

・笹川主将(営4=浦和学院)

結果的にもう少し。優勝するチームとの差が出たかなと思う。キャプテンがしっかり打ってこないとだめなので、自分があまりにも貢献できなかったのが敗因だと思います。

・田中将也(営3=帝京)

(打順が変わった理由)監督さんが3日前に、勝つしかないから思い切って変えていこうと。監督さんから「打てる打順だから、しっかり働け」ということで今日は8番に座りました。(優勝の可能性はなくなってしまったが)もう秋しか見ていない。秋優勝できるために今日帰って練習して、簡単には終われないので明日、明後日勝てるように頑張ります。

・西川元(営3=浦和学院)

勝たなければいけない試合で、自分の結果がふがいなくて悔しい。久保田選手には慎重になりすぎてしまった。(八回の場面は)山下には気持ちよく放らせようと思っていた。でも、自分の工夫が足りなかったと思います。優勝の可能性はなくなってしまったけれど、残りの試合は意地でも勝ちたいと思います。


TEXT=星川莉那 PHOTO=菅野晋太郎