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第44回関東学生フリースケーティング選手権大会
6月18日(土) 東大和スケートセンター
◆7、8級クラス男子
6位 45.59点 板井(社4=武蔵野学院)
◆7、8級クラス女子
4位 41.23点 濱谷(社2=富士見丘)
7位 37.00点 阿久澤(社3=日本橋女学館)
12位 32.87点 川上(ラ1=中京大中京)
◆5、6級クラス女子
3位 36.69点 河口(社2=横浜創英)
7位 33.92点 遠藤(社1=日本橋女学館)
8位 33.66点 小林(社2=山村国際)
9位 31.56点 水上(社1=桜町)
30位 19.76点 長谷川(社4=武蔵野女学院)
◆1級クラス女子
12位 10.30点 瀬戸(社2=中大杉並)
◆男子団体
6位 13点
◆女子団体
1位 133点
主将としてのプレッシャーを背負いながら滑りきった
難しいステップに挑戦した河口
3位入賞に安心した笑顔をみせた
団体女子では1位の快挙
新体制となって初の公式戦となった関東学生フリースケーティング選手権大会。5、6級クラス女子では4人が入賞し、試合を重ねるごとに成果を挙げている河口はついに念願の表彰台へと輝いた。また女子団体では2点差で日大を破り頂点へ。昨年から一転、シーズン前に幸先の良いスタートを切った。
5、6級クラス女子の河口は、いつもの力強い曲とはまた違った、ピアノとバイオリンのしっとりした曲調で挑んだ。「レ・ミゼラブルの切なさやもどかしさを表現できたらいいな」と話すように、いつもの笑顔を少しだけ封印。冒頭のダブルアクセルを綺麗に降り、最後までノーミスの演技を達成した後には満開の笑顔が咲いた。今回、自身で初めてアクセルの前にステップを入れるという難易度の高い技に挑戦したという河口。その他の全ての演技で加点が付き、「練習以上の成果が出せた」と大学入学初の3位表彰台に喜びをあらわにした。また、同じ5、6級クラスの小林も昨年から大きく成長し8位入賞へ。1年生の遠藤、水上は初の公式戦にも関わらずそろって入賞するなど5、6級クラスから4人もの入賞者を輩出した。
7、8級クラス女子では濱谷が昨年から一つ順位を落とし4位で入賞する。ジャンプが3つまでしか入れられないショートプログラムの中、2つ目のジャンプが抜けてしまう痛恨のミス。「成功していたら表彰台に乗れたかもしれない」と、悔しさをにじませた。しかし、練習を積んできたという表現力については評価され、努力の成果が見られる結果となった。阿久澤主将は、キャプテンとしてのプレッシャーを感じながらも持ち前の表現力で7位入賞。1年生の川上は、高校とは違う緊張感の中でうまく力を出し切れず12位となったが、手足のリーチを生かした彼女の演技にはこれから注目が集まるだろう。
結果として、全体的に昨年度よりも大きく成績が上がった。また女子団体では優勝し、チーム力も向上してきている。全員での練習が少なく個人練習を中心としている中、団体優勝はインカレに向けても大きな成果となった。有望なルーキーも加わり、本格的なシーズンが始まる秋には新たな旋風を巻き起こしてくれるはずだ。
■コメント
・阿久澤主将(社3=日本橋女学館)
今回のショートの曲は「クレオパトラ」という曲で、初めて挑む曲調だったがイメージがつかめやすくてやりやすかった。(試合前のコンディションは)そんなに悪くなかった。今回はショートだったので入れられるジャンプが少なくミスができないので、ジャンプもステップも大事に跳んだ。練習ではノーミスで演技できたが、発揮できたのは五分五分くらい。コンビネーションが入ったことは良かった。(キャプテンとして)すごく緊張して、キャプテンとして足は引っ張っちゃいけないなとプレッシャーを感じていた。それで練習してきて、結果として女子団体優勝もできたのですごく嬉しい。7、8級クラスだけの点数だと日大と同点だったので、5、6級が頑張ってくれたから1位になれたんだと思う。
・濱谷(社2=富士見丘)
ジャンプが3つだけのショートで1つ失敗して、しかも回転にも繋がらない大きなミスで悔しかった。またいつも失敗しないようなところの振り付けでつまづいてしまって驚いた。春関は時期的に調整するのが難しいのでどこまで調整できるかが不安だった、ジャンプ3つなので締める、回転するってことを心がけていた。(見込んでいた表現力アップは)ジャンプ1つ失敗して4位だったので、ジャンプでマイナスされても、他の表現力の部分で評価が上がってきたのかなとは思う。失敗しての4位だったので、成功していたら表彰台にのれたのになと悔しかった。去年のインカレがあまりよくなかったので、インカレに出場できるように東日本インカレでいい演技して出場枠をもらってリベンジしたい。
・河口(社2=横浜創英)
今回は表彰台を少し意識していて、ノーミスすることを目標としていたので達成できてよかった。全ての演技に加点が付いていたのは初めてだったので、嬉しかった。得意なアクセルは加点を狙って、難しい入り方に挑戦してみた。(結果について)練習の成果以上に出せたのかなと思う。ただ、最後のフリップのジャンプが自分の中であまり良くなかったのもあって、こんなに点数が入るとは思わなかった。(ショートの曲だったが)いつもは元気っぽい曲が多かったが、今回はピアノとバイオリンの曲ということでジャンプだけではなく表現力も意識して、レ・ミゼラブルの切なさやもどかしさを表現できたらいいなと思っていた。だけど、実際は成功しちゃうと笑っちゃうんです(笑) (後輩ができて)1年生は、自分にない表現力とかスピンも上手かったりするので、負けないように頑張っていきたい。
・小林(社2=山村国際)
(去年より順位がだいぶ上がったが)去年は跳べるジャンプも入らなくて悩んでいたが、今年はダブルアクセルなど入るようになったので少し自信がついた。最近は練習であまり失敗することがなかったので良かった。スピンのレベルの取りこぼしがあったことは反省点だなと思う。落ち着いて滑れるようになってきたので、今後も意識したい。(下級生が入ってきて)Bクラスが増えて、インカレも出られるか分からなくなってきたので気が抜けないなと思う。これからも頑張りたい。
・川上(ラ1=中京大中京)
自分の得意のスピンもはまらなくて、ジャンプも思うように飛べなかったので微妙な気持ちです。緊張はしました。地元の試合ではリンクサイドの応援とかあまりないので、雰囲気が違って緊張感があった。いまジャンプの飛び方を1から直している最中で、出来上がっていなかったので次の試合までにはジャンプを仕上げたい。あまりうまくいかなかったけど自分のできることを出し切ろうと試合に臨んでいた。早くジャンプを直して試合ではめられるように、そして大学に貢献できるように頑張りたい。
・水上(社1=桜町)
練習のときから本番と同じリンクで練習していて、調子がよくなってきていたのでいつも通りの力で演技できたが、後半で疲れてしまってステップが思うようにできなかった。緊張はすごいした、でもいつも通りと思って頑張りました。高校の時の試合は戦っているという意識がすごくあったけど、大学は仲間が応援してくれているので、チーム感を感じられて楽しくできた。本番で失敗しちゃうタイプなのでいつもいい順位取れるわけじゃないけど、今回は賞状も頂けてよかったなと思う。大学では表現力をつけて最後まで楽しく踊れるようになりたい。
・遠藤(社1=日本橋女学館)
一つ目のジャンプで転んでしまった。練習では下りれていたが本番のジャンプは上がりすぎてしまったので次の試合はノーミスで決めたい。(試合前の意気込みは)まずノーミスで滑り切ること。部員の人に貢献できるいい演技ができるようにと滑った。緊張したが、まわりの声援でそんなに緊張しないで滑ることができた。(コンディションは)あまりよくなかったが、演技に影響はなかった。順位はもう少し上にいきたい。得意なのはスピン、これからはジャンプの成功率を上げることと、見てる人にすごいなと思われるような表現力を鍛えたい。7級を取ろうと思ってるので、できるだけ早く上がれるように頑張る。
TEXT=坂口こよみ PHOTO=玉置彩華