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2016.11.27
アイススケート

[アイスホッケー]最終節早大に引き分け 最終順位3位でリーグを終える

平成28年度関東大学アイスホッケーリーグ戦

11月27日(日) ダイドードリンコアイスアリーナ


東洋大3―3早大


[ゴール(アシスト)]

17:53 川口(田中、阿部)

22:31 所(坂本、長原)

26:01 川口(人里)


圧倒させるDF川口のロングシュート


2ゴールのDF川口㊧に笑顔が集まる


GK水田も着々と力をつけている


FW人里主将を中心にインカレで挽回する


 最終節の相手は早大。1ピリで先制点を奪うも、2ピリ開始直後に得点を許してしまう。その後立て続けに2得点を奪い、いい雰囲気で3ピリへ。しかし、3ピリで2失点を許し早大の意地を見せつけられる。試合は3―3で終了し、最終順位3位でリーグ戦の幕を閉じた。


 前節までの結果により3位が確定していたが、勝って1月に控える日本学生氷上競技選手権大会(以下、インカレ)に弾みをつけたいこの試合。なかなかチャンスをものにすることができず両者一歩も譲らない展開が続いた。試合が動いたのは1ピリ終了間際。相手のペナルティにより5対3の数的優位の局面が訪れる。このチャンスにDF川口(社1=白樺学園)が後ろから落ち着いてスティックを一閃(いっせん)し先制。チームを勢いづけた。

 しかし、2ピリ開始47秒でミスから失点してしまう。1―1と油断を許さない展開が続くが、その2分後にFW所(社1=駒大苫小牧)がゴールに押し込み、1点を取り返す。その後も勢いは止むことなく、その4分後にはFW人里主将(社4=白樺学園)が相手DF陣を引き付け、絶妙なタイミングでパスを出したパックをDF川口が確実に決める。「狙い通りだった」と、この日2得点目のゴールで3―1と早大を突き放した。

 続く3ピリ、ペースをつかんだかと思われた東洋大はスピード感のあるパス回しで果敢に攻めるが、相手DFの固い守備に阻まれ得点に結び付けることができない。その後、思うようにプレーできない苦しい時間帯の中、一瞬の隙を突かれ失点。試合終了間際にも早大の6人攻撃を浴び、パスミスから追加点を許してしまう。3―3に追い付かれ、試合は同点のまま終了した。

最終節を勝利で飾ることはできなかったが、下を向く内容ばかりではなかった。前節の明大戦で自信を付けたGK水田(社1=駒大苫小牧)は今試合フル起用され、強豪校との対戦経験を積んだ。また、DF川口も後方からのロングシュートで2ゴールを挙げ、徐々に頭角を現しはじめるなど、下級生の活躍が目立つ試合だった。


 試合後、監督は「0からスタートしてもう一度チームを作り上げていきたい」と語った。リーグ戦では総じて4つの引き分け。追い上げた試合も、追い付かれた試合もあったが、勝ちと負けの間で確実に選手たちは精神面で成長していった。しかし、‘勝ち切る’チームになるためにはあと一歩の「強い気持ち」が必要だ。今シーズン最後の大会であるインカレに「最後はみんなで笑えるように(FW人里)」。チーム一丸となって挑む。


■コメント

・鈴木監督

(今日の試合を振り返って)気持ちはすごく入っていたが、少し気持ちが空回りしていたところがあったかなと思う。今日の試合に関してはそこのメンタル面を継続できなかったということ、自分たちのミスからの失点が多かったことが引き分けという結果につながったと思う。(今試合2ゴールのDF川口については)もともと下級生が良いプレーをしてくれていた中で、川口もコンスタントに活躍してくれていたが、課題であるデフェンスであっても、ゴールに向かう気持ち、姿勢が彼の課題の一つであったので、そこを今日はいい結果で見せてくれたのではないかと思う。(GK水田の起用については)GK古川(駿)はプレー面で悩んでいるところがあったと思う。水田は前回明治戦途中出場した中で良い結果を出してくれているので水田を起用した。(リーグ戦を振り返って)結果3位ということで、もちろんそれが今の実力であるのはそうだが、チームとしては良い部分がたくさん見えたし、足りない部分もたくさん見つけられたリーグ戦だった。選手たちはいつも一生懸命努力をしてくれたので、スタッフとして感謝している。春、秋と目標に達していないが、このチームはチャンスがあるチームだと僕も信じている。(良かった点として)精神的な波というところで、精神面の成長がすごく見られた。引き分けの試合も多かったが、負けないチーム、そこから勝ちにつなげるチームというところでは、みんながそれに対して精神的な波を春、昨年より少なく戦ってくれたと思う。ここからは勝ち切るチームにというのは、もっともっと細かいところ、いろいろな部分の成長が必要。リーグ後半も体調を崩した選手もいたし、気持ちの成長があった中でもなかなかメンタルが優れなかった選手もいた。そういうところをもう一度成長させられれば勝てるチームになると思う。中大に勝ち越せたことは選手の自信になっているし、結果なので、その良い時のチームプラスアルファの部分をインカレで出せたらと思う。(インカレに向けて)またチームが一つになれるように、0からスタートしてもう一度チームをつくり上げていきたい。


・FW人里主将(社4=白樺学園)
(早大戦について)なかなか点数が入らないことで少しずつズレがでてきてしまったが、プレー自体は一生懸命ハードワークしていた。自分たちの簡単なミスで失点してしまって、最後引き分けまでもってこられて、悔しい試合にはなってしまった。(リーグ戦の総括)去年よりは確実に強く、いいチームにはなってきていると思う。今回4つ引き分けがあったが、勝てるゲームで追い付かれてしまったり、反対に負けてしまうゲームで追い付くことができたりとか、チーム全体で成長することができた。(リーグ戦を通してチームの状況や変化は)色々なことはあって、ホッケー面でも私生活面でもそうだが、練習や試合を同じようにハードワークして一生懸命プレーをするというのが増えたというか、チーム内での争いが増えた。下級生の頑張りもそうだし、誰がどこで試合に出ても変わらないプレーができるので、1、2年生の底上げみたいなものがすごいいい方向に向かっていて、チーム全体が成長できたリーグ戦の期間だったんじゃないかなと思う。(下級生へ)今の1、2年生はスキルの高い選手が多いしホッケーも上手い。だけどスキルが高いだけでは試合には勝てないし、一生懸命やる気持ちが大事。今の1、2年生が来年も再来年もキーになると思うので、これからまとめられるリーダーが出てくればもっといいチームになると思う。(3年生について)地味って言ったら変かもしれないが、僕らの学年もスキルの高い選手はいなくて、全員が一生懸命簡単なプレーをして、チームに勢いをつける選手が多い。(山田)大雅や(成田)壱皇もそうだが、練習でも試合でも一生懸命やるし、チームにすごくいい影響を与えてくれる。普段は試合に出ていない梅庭はチームの雰囲気を和ませてくれるし、二塚も一生懸命練習しているので、僕らの年代とちょっと似てる。スキルのある選手ではなく、一生懸命やってなんぼみたいな選手が多い。(インカレに向けて)今回は自分たちも悔しいし、応援してくれている人たちも同じ気持ちだったと思う。そういう「思い」っていうのは絶対に忘れちゃいけないし、自分たちがインカレで勝つことで、応援してくれている人だったり、大学でサポートしてくれている人、親やスタッフもすごく協力してくれて僕たちの為に色々やってくれているので、そういう人たちに恩返ししたい。勝ちだけを求めないといけないと思うので、あと1ヵ月しかないが、上級生を中心に練習をしていけば結果もついてくると思うし、春からやってきたことが間違えていることは何一つなかったと思うので、力を100%出せるように、悔いだけは残したくない。どんな試合になっても東洋のホッケーを100%出して、最後はみんなで笑えるように頑張ります。


・DF川口(社1=白樺学園)

(自身のゴールを振り返って)1点目は練習通りの形で上手くヒットしなかったが、結果的に入ってよかった。2点目は人里キャプテンが真ん中に持ってきて、もしかしたら来るかなと思っていたら来た。狙い通りだったと思う。(最後の失点は)守りの隙を突かれた感じがあったので、そこは試合が終わる最後まで全員が集中して守らなきゃいけない。インカレまでにしっかり修正したい。(リーグ戦を振り返って)徐々にチームが良くなっていった感じがしたので、これからまた意識高くして練習していく。インカレは優勝が狙えると思うので、今回のリーグ戦を生かしたい。(印象に残った試合は)一番大きかったのは中央戦。勝てたのは本当に大きかった。あの試合は誰一人手を休めずにプレーができていたので、あの時のプレーを常に出せるようにする。(インカレに向けて)ここ数年優勝できていないので、今日の引き分けもそうだし、明治に負けた悔しさを忘れずに練習に取り組んでいきたい。


TEXT=金澤瑞季 PHOTO=坂口こよみ、美浪健五