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2017.02.09
コラム

第543回 出逢い(愛) 執筆者・坂口こよみ


 スポトウ引退式を迎えてから早1週間!素敵な後輩たちに囲まれて、なんて幸せ者なのでしょうか。


 アイスホッケー、スピードスケート、フィギュアスケート、レスリング、準硬式野球を担当していました坂口こよみです。よろしくお願いします。


 さて、毎週木曜日更新のスポトウコラムでは3年勢がそれぞれ気合いを入れて書いてますね。もう引退した身ではありますが、私たちの(なっが〜い)最後のコラムを温かく見守ってくれると嬉しいです。



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 引退式にもお話したことではありますが、私が1番辛かった時期は2年生です。その頃は先輩と後輩に対して温度差を感じたり、モチベが保てなかったり、色々と悩んだ時期でもあります。もうなんでもいいや、と先輩に丸投げしたこともあります(反抗期でごめんなさい)。まるで自分一人が空回っているような「孤独」を感じていました。


 その孤独感や温度差への不安は3年になっても拭えず、紙面への妥協は許せませんでした。なので、今年のすべてのアイススケート紙面を私が担当し、やりたいことをやり尽くしました。後輩をもっとうまく育ててあげたかったな、と今更思っても仕方のないことですね。本当に、文句ひとつ言わずにやらせてくれてありがとう。


 そんな感じで好き勝手やらせてもらったので、最後の大取材、北海道遠征は不安でいっぱいでした。直前で人数が減ってしまうんじゃないかとか、最悪なことも想定してました。


 ですが、終わってみればもう楽しくて楽しくて仕方なかった!朝はスピードスケート、昼はアイスホッケー、夜はフィギュアスケートとトリプルはしご取材もあり、1日に記事を2〜3本上げ、朱入れ作業で朝4時寝なんてこともありましたが、そんなことは3年目にもなると大したことではありませんでした(顔には疲労が表れてたけど)。インカレが終わったあとには「楽しかったです!」と、後輩たちの笑顔が見ることができて、本当に安心しました。いつの間にか後輩はみんな立派に育っていて、申し分ないほどに成長していました。



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 北海道から帰ってきてすぐに作った第77号の終面には、アイスホッケー部、スピードスケート部の4年生の方々に「4年間を表す言葉」の色紙が掲載されています。皆さん悩みに悩んで、素敵な言葉を残していただきました。


 この取材をさせていただいているとき、ある選手の方がふと私に言いました。


 「こよちゃんは、スポ東での3年間を表すとしたら何を書きますか?」


 いつもこちらは当たり前のように取材をして、聞きたいことを好きなだけ聞いていたので、いざ突然この質問を投げかけられると緊張するな〜と実感しました(笑)。でも、こうやって逆に質問されたことは今までなかったので嬉しかったです。


 その場でパッと思い付いたものですが、私のスポ東での3年間を色紙に書くとしたら「出逢い」かなと思います。


 取材をしていく上で関わってきたすべての人、地域との出会いが、わたしの大学生活を、そしてわたしの人生を変えました。スポ東に出会ってなかったら、スケートも、レスリングもまるで知り得なかった競技です。これまでたくさんの努力と涙を見てきました。こんなに胸が踊ることも、たった1秒に望みをかけることも、〝ふるえるようなあこがれ〟も、彼らとの「出逢い」が無ければ経験できなかったことです。



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 冒頭に「孤独」という言葉を使いましたが、引退を迎えた今改めて考えると、私は決して孤独だったのではなく、ただ周りを見ていなかっただけでした。


 振り返れば誰よりもスケートが大好きで、サプライズが得意な真理さん。どんなに悪い態度を取っても決して私を見放さなかった星さん。こんな自分に最後まで着いてきてくれたかわいいかわいい後輩たち。 そして、こんな私の引退を寂しいと言ってくれたり、たくさんのメッセージをくれた選手の皆さん。手紙や色紙は一生の宝物です。感謝してもし切れない方々のおかげで温かく支えられ、ここまでこれました。珍しいタイプですが、本気で「スポトウを辞めたい」と思ったことは一度もありません!


 2つ前のコラムで菅野が書いてた目標。「取材の雰囲気を変える」「選手に喜んでもらえて、自分が納得のいく紙面を作る」。この2つの目標は、私たちの代が自然と持っていた共通のものだったんだと思います。知識や技術が足りなくても、プロのスポーツ紙や伝統ある他大学の学生新聞には及ばなくても、自分たちのやりたいことをやりたいようにやり尽くした、そんな学年だったなと思います。


 そして、何より木谷編集長の存在あってこその1年間。こんなにもみんなに愛され、尊敬され、誰よりもスポトウを思いやってくれたきやちゃんは間違いなくナンバーワンの編集長だったよ!



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 私たちはスポトウに何か残せたでしょうか。そして、私のアイススケート部への愛は、レスリング部への愛は、みんなにちゃんと伝わっていたかな?(笑)本当に、愛が溢れて止まらないくらい大好きでした!私にとってスポ東での活動は大学生活の中心であり、財産であり、人生の何よりの宝物です。


 今も、これからも、ずっと、応援してきたみんなの活躍を心から祈っています。たまに大会に観に行っても許してね。


 長くなりましたが、これにて私の最後のコラムとさせていただきます。3年間、ありがとうございました!


PS

愛が詰まったこの子たちは後輩への贈呈品にします。


TEXT/PHOTO=坂口こよみ