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平成29年度東京学生柔道優勝大会
5月28日(日) 日本武道館
2回戦
○東洋大7-0上智大●
3回戦
○東洋大5-0拓大●
4回戦
●東洋大0-7東海大○
※全日本学生柔道優勝大会出場権獲得
木下主将はチームをまとめる大黒柱だ見事な投げ技を繰り出す友田
後藤は全日本での活躍が期待される
2回戦を難なく突破し、6月に行われる全日本学生柔道優勝大会(以下、全日本)への出場権を獲得。続く3回戦の拓大戦は一人も負けることなく、順当に勝ち進むも、ベスト4をかけた4回戦では王者・東海大相手に力及ばず敗退。昨年のベスト8を超えることはできなかった。
4回戦の相手はこの大会3連覇中の東海大。強豪校相手にどこまで戦えるのか、現在の実力をはかるには絶好の相手だ。試合前には全員で円陣を組み、チーム全体で戦うために結束を深める。先鋒の木下主将(文4=京都学園)をはじめ、全員が物怖じすることなく積極的に技を仕掛けていった。しかし、それらも全てうまくいなされ、次第に東海大の選手の固め技に苦しめられていく。最終的に一人も勝利することができず、0-7で悔しい敗北を喫した。強豪との実力差を前に西山監督は、「魂を込めて稽古をやっていくしかない」と悔しさを噛みしめながらも練習からの立て直しを促した。
そんな中、今大会初めて団体戦に出場した那根(営2=沖縄尚学)、友田(営2=大成)の2年生コンビが大器の片鱗をのぞかせた。東海大戦では結果的に敗れはしたものの、果敢に攻めていく姿に西山監督も「内容的にはいい試合だった」と一定の満足感を示した。まだ2年生なだけに伸びしろがある2人。この敗戦を糧にどこまで成長できるか、全日本での活躍が楽しみとなる戦いぶりだった。
また、2回戦で大将を務め見事な固め技で一本を取った後藤(文3=東北)は大会の優秀選手に選ばれた。「気持ちが出ていた」と西山監督も納得の受賞であった。3年目の今年はチーム全体を引っ張る活躍が求められるだろう。
新体制となってから半年、木下主将を中心にチーム作りを進めてきた。「選手一人一人の自主性を大事にしている」と自分のことだけではなく、チーム全体を見るようになった。また、練習メニューも昨年までとは変わって選手自身が考えるようになり、選手それぞれが目的を持って練習に取り組んでいる。全日本に向けては「最低限ベスト8、欲を出せばベスト4に入って表彰台」と迷うことなく目標を口にした木下。この1カ月を有効に使い、全日本の舞台では最大限の力を発揮できるよう、練習からそれぞれが強化を図る。
■コメント
西山監督
1試合目は相手が4人だったしレベル的にも特に問題はなかった。2試合目の拓大戦は悪くてもベスト8維持ということで臨んだ。結果的には5-0だったが、やりようによっては6-0、7-0という試合ができたのではないかと思う。最終的には0-7で負けたので目立っていいという選手はいなかった。ただ、2回戦では大将の後藤は気持ちが出ていて良かった。あとは東海大戦で負けはしたが2年生の那根とか友田は団体戦の出場は初だったがその割には内容的にいい試合だった。(強豪との差を埋めるには)魂を込めて稽古をやっていくしかない。練習時間的にも勝っているという訳ではない。そこら辺を考えるとなかなか簡単には差は埋まらないが、気持ち込めてやっていくしかない。今回の東海大戦の悔しさをバネに一つでも多く勝っていければいいと思う。
木下主将(文4=京都学園)
東海大は差のある相手だとわかったうえでの戦いだった。結果が表れなかったのでシンプルに悔しいですね。(主将になってからは)練習メニューとかチームの方針とかを選手主体で決めるようになった。選手一人一人の自主性を大事にするようにしている。全員が目的を持って練習に取り組んでいるので、今回の結果も各々が生かしてくれると思います。(今後の目標は)全国ベスト8を最低限の目標として、欲を出せばベスト4に入って表彰台に乗れるようにしたい。(全日本に向けて)ベスト4入っちゃいます。
TEXT=美浪健五 PHOTO=菊池美玖、土橋岳