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2017.07.04
アーチェリー

[アーチェリー・女子]12年ぶりの舞台・王座戦で「楽しめた」 清水、涙の引退試合

第52回全日本学生アーチェリー女子王座決定戦


7月2日(日)はらっパーク宮代


2回戦目

東洋大学 2ポイント - 6ポイント 徳山大学 (全4エンドの合計点をポイントに換算)


      東洋大学    徳山大学

1エンド   46         51

2エンド   55            50

3エンド   46         49

4エンド   43         48


出場選手

小松(社3=帯広三条)

吉留(法3=千葉女子)

清水(食2=花咲徳栄)

中野(総1=県立船橋)


個々の経験値が上がった大会となった


 12年ぶりに出場した王座決定戦は、徳山大学に競り負け、2回戦敗退。悔しさで涙が溢れ出すも、最後は4人に笑顔が見られた。


 2日目は、1日目の70mラウンドの結果で組まれたトーナメント戦。相手は、王座決定戦の常連校である徳山大学だ。初めて立つ舞台に、「緊張した」と小松(社3=帯広三条)。リーグ戦とは異なり、レンジには多くの選手や応援団はもちろん、観客も加わり、人だかりの環境に動揺を隠せない。反対に、全国大会に慣れている徳山大学に実力を見せつけられ、2回戦で姿を消した。

  涙を流す彼女たちに、石河監督は「東洋大学の看板をしっかり背負っていた」と健闘を称えた。普段、感情をあらわにしない小松も「悔しかった」と目に涙を浮かべ、歯を食いしばった。それでも、「楽しく射つことができ、有名な選手も見れた」と無邪気な笑顔が垣間見える。吉留(法3=千葉女子)は、「先輩に、王座に連れてきてくれてありがとうと言われて嬉しかった」と嬉し涙がきらりと光っていた。

  そして清水(食2=花咲徳栄)は、この大会でアーチェリー部を引退。「この舞台に立つことができ、先輩と仲間に感謝でいっぱい」と全部員、関係者と涙の抱擁を交わした。"アーチェリーの申し子"は弓からペンに持ち替え、学業に専念することを決断。石河監督は清水に対して「社会人になってまたどこかの射場で会えたら」と再会を願った。

  次戦は、8月の個人戦。吉留は「個人の頑張り次第。いかに時間を作って練習して、上に行きたい気持ちがあるかどうか」と分析。小松、中野(総1=県立船橋)は「インカレ出場に向けて頑張る」と個人戦の先を見据えている。負けは人を強くするーーー女子アーチェリー部はより強くなって射場に戻ってくる。



■コメント

・石河監督

現役選手にとってはじめての王座戦だったので、みんな緊張していた。東洋大学の看板やチームの責任を背負ってた。自分の目標をしっかり持っていた。王座決定戦は出たくて出れる試合ではないので、選手や部員全員が良い体験が出来た。(試合をまとめて)実力を発揮できたかどうかは、勝っても負けても実力だと思っている。その中で、勝ちを取りにいくまでに自分の課題を見つけられたと思う。なので出場した価値があったと思う。(今日で引退する清水について)私も初めて聞いた。アーチェリーの申し子のように、自分の天命だと思って全うしてくれた。部活では難しいということでアーチェリーをやらなくなるわけではない。勉強とアーチェリーの両立が厳しいことは、どちらも一生懸命な彼女の良さである。1年間頑張ってくれたことに感謝。卒業するまでは勉学に打ち込んで、社会人になってまたどこかの射場で会えたら、と思う。


・小松(社3=帯広三条)

悔しかった、勝ちたかった。昨日のトーナメントが決まる時点では、点差があまりなかった。リーグ戦で勝ち抜いて、王座決定戦に進んできたので、自信があって挑んだ。調整も上手くいっていた。リーグ戦は自分の大学しかないので、周りの様々な声が聞こえる環境に戸惑った。(調子は)3人の点数がみんな同じぐらいだったので、良かったと思う。だが、圧倒されて飲み込まれてしまった。楽しく打てた。緊張していたが、この舞台に立てる喜びを噛みしめた。有名な選手がいて、憧れの選手を見れた。すごい場所だと改めて感じた。12年ぶりだったので、みんな分かっていなくて、楽しんでいけ、と言われた。個人戦、本戦、インカレまで突っ走る。


・吉留(法3=千葉女子)
昨日の夜からずっと緊張して、練習もずっとそわそわしていた。始まってからは後ろの応援もあってすごいのびのび射ててよかった。いい経験になった。(2日間の結果は)自分の中では昨日の忘れるくらい今日がよくて、昨日ぼろぼろだったので。今日は天候も晴れたし本当によかった。(リーグ戦振り返って)去年1部リーグに上がって、よかったねって話をしてたら今年3位になって王座いけるよってなった。本当に勢いのまま王座に来て、そういう意味ではチーム全体として勢いに乗れているのだと思う。でも王座も終わったので、また1からやり直すというかここを目指して1年間やっていく。来年またこの舞台に来れるように、次は男女ともに来れたらいいなと思う。(1部の舞台を経験してみて)戦う相手が基本的に自分たちより上と思っていたので、ずっと挑戦し続けてるという感じだった。その中でも諦めずに最後のエンドまでしっかりやって、逆転して勝ったという試合ばかりだったので、粘り強いチームなのかなと思う。(監督や先輩からの声かけは)皆さん言ってくれるのは「王座の舞台に連れてきてくれてありがとう」とか「この景色が見れてよかった」っていう感謝の言葉ばかりいただいているので、すごく嬉しい。(個人戦へ向けて)ここは個人の頑張り次第だなと思う。いかに自分で時間を作って練習して、上に行きたいと思う気持ちがあるかで個人戦はだいぶ変わってくるのかなと思う。東洋は上手い人が多いので、本選に行く人は多いかなと期待をしておいてもらえれば。(来季のリーグ戦へ)この前私たちの代でミーティングした時に掲げた目標が1部リーグ優勝だった。なかなか厳しいとは思うが、上手く勢いに乗れればいいかなと思う。ここで満足してさぼるのではなくて、ずっと練習し続けて結果につなげて、優勝してまた王座に出れるので。練習を怠らず努力し続けてリーグ戦に臨みたい。


・清水(食2=花咲徳栄)
1日目の個人戦で順位が低かったから今日は応援だったが、後ろでスコープをしたりして選手を支えられて充実してた。まず、王者の舞台に立てたのがすごくうれしい。メンバーもすごく安心感のある方々で、ちゃんと的に当ててくれていた。今回は一回戦敗退だが、すごく楽しかった。(今シーズン全体として)去年から一部にあがり、昇り調子だったので東洋の時代だなと思った。男子も一部に上がったので、この流れに乗って来年は男女アベックで王者進出したい。でも、王者進出だけでは物足りなくなってきたから、さらに上を目指して王座を取れるようになればいいなと思う。ただ自分は訳あって今試合で引退だが、高校からアーチェリーをやっていて、この舞台に立つのが夢だった。だからこの舞台を用意してくださったOB、OGの先輩方や一緒に出てくれた仲間たちにすごく感謝している。最後の最後で王者に出られて本当に良かった。


・中野(総1=県立船橋)

自分が目標としている点数には及ばなかったが、今までの練習の具合を見て、良い感じの点数で終われたかなと思った。予選順位、トーナメントの組み方としてどちらかというと良い方であったため、2日目が楽しみだなと思った。今日は最後の最後に自分が不甲斐ない点数を取ったことが原因で負けてしまったというのが大きく責任として感じている。(良くない点数を取ってしまった理由が)メンタルの弱さからくるのかなどいろいろ考えながら上がってきた。が、とにかく来年に向けてチームやメンバーは変わるが1年間練習していきたいと思った。特別これといった練習はしなかった。今までコーチやさまざまな方からこうやりなさいと言われていたことを再開してやり始めたというのはある。だが、王座だからといって練習体制を大きく変えるようなことはしていない。いつも通りの練習にプラスして少し練習を増やした程度だった。頑張ってね、といろいろ言われたことで自分自身のやる気が起きた。また、試合に出れるんだという実感が湧いた。高校時代は自分は必ず試合に出ていて、他の人何人かという形での試合の参加が多かったため、(大学で王座の試合に出ることが決まり)選手としてしっかりと任されているんだという実感が湧き、凄く力になった。個人戦は王座とはまた違う形でやっていくため、時期的にも自分は夏の後半から秋冬にかけて当たるため、インターカレッジに向けて精進していこうと思う。まずはインカレ出場を目標に頑張っていきたい。


TEXT/PHOTO=星川莉那