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第93回関東大学バスケットボール順位決定戦
11月7日(火) 駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場
東洋大74―92上武大
23|1Q|26
14|2Q|23
22|3Q|16
15|4Q|27
スターティングメンバー
0 田代幹
5 渡邉浩平
28 佐久間澪
29 岩淵俊也
50 唐澤恵介
攻守にわたってチームを引っ張る岩淵
唐澤は気迫のあるプレーでチームを鼓舞した
激闘のリーグ戦を終え、3部1位の実力者上武大との順位決定戦へ。初戦を白星で飾り勢いづけたい東洋大であったが、前半からリードされ終始追いかける苦しい展開に。4Qで一時は同点に追いつくものの踏ん張りきれず74-92で敗戦した。
前半から相手のゾーンディフェンスに苦しみ、パスがうまく通らない。何度も流れを持っていかれそうになりながらも、岩淵主将(済4=新潟商)を中心に得点し1Qを23-26の3点差で終える。続く2Qでは相手のオフェンスリバウンドを取りきれず、相手センターにそのまま連続得点を決められることが増えた。東洋大はマンツーマンディフェンスをとっていたため、相手センターに対するマークは基本的には一人。守るべきところはわかってはいたがうまく抑えることができなかった。岩淵主将は「一人でセンターを守るということの厳しい部分は見ていてもやっていても思った」と、ディフェンスの課題を分析する。上武大に勝利するためのポイントとして、ディフェンスの見直しが急務である。
前半を12点差で折り返し3Q。序盤から立て続けにスリーポイントを決められる。点差を広げられながらも東洋大は、自陣より前からディフェンスでプレッシャーをかけパスカット狙いにいく。そうしてできたチャンスを唐澤(文4=伊那弥生ヶ丘)や渡邉(済3=新潟商)らが確実に決めていき、自分たちのペースを徐々に取り戻していった。特に唐澤は3Q残り2分半で相手ディフェンスにファールされながらもシュートを決め、4年生の意地のプレーでチームを鼓舞した。逆転するべく迎えた4Qは相手のミスが目立ち始め、7分についに69-69で同点に追いつく。しかしそこでのあともう一歩が出せず、相手に連続得点を決められ結果は74-92。今試合活躍した唐澤は「追いつけたときに逆転しきれなかったのが力のなさを実感した」と、悔しさが残る敗戦となった。
「いつも一緒だが悪いところは修正して、いいところはもっと出せるように」と、収穫と課題を見つめる中嶋監督。その監督が最も信頼し、リーグ戦最多出場を果たす岩淵は「一つでも多く収穫を得て後輩たちも一つでも多く収穫を得るというような一試合にしたい」とチームの主将として、また最高学年として東洋大バスケットボール部の未来を見据えながら闘志を燃やす。次戦もこの岩淵を中心にチーム一丸となって勝利を狙う。
■コメント
・中嶋監督
順位決定戦ということで順位がつくということでやっているが、そういうことは関係なくシーズンとして最後の締めくくりをピシッとするようにということで練習してきているので、そのためにも勝つことが一番いいことだと思うが残念ながら結果的には勝てなかった。(相手のディフェンスについて)結構大きなゾーンだったのでギャップが空いていて逆にそこで外でパスを回すと長い距離で回すことになりそれが少し怖いので、そこを気をつけようという指示を出していた。(相手に苦しめられた部分は)結果的に相手のゾーンディフェンスに苦しんだが、それをやってくるのはある程度想定はしていたのでゲーム前からここをこうしようというふうに話はしていたがいまひとつ、うまくいかなかったかなと。(4Qのどこで流れが変わったか)やはり外国人選手のところでディフェンスが頑張らないと、ということで1人に対して2人でいくだとか、ディフェンスのローテーションが発生する中でだとか簡単なスクリーンに引っかかってしまうだとかそこのところで相手にポンポンと入れられてしまった。勝負所で追いついていたのでそこをなんとかいければよかったが残念。(次戦に向けて)これはいつも一緒だが悪いところは修正していいところはもっと出せるように特に今日よくなかったところ、外国人選手に対してどう守るかゾーンアタックをどういうふうにしていくかというところがポイントになってくると思うので、そこを修正して明日に臨めればと思う。
・岩淵(済4=新潟商)
11番のセンターや29番のシューターと守るべきところは分かっていたが、それを一人でセンターを守るということの厳しい部分は見ていてもやっていても思った。それをチームディフェンスでうまく周りがカバーできれば良かったがそこまで試合中に頭が回っていないという部分もあって、それが守れなくて負けたという感じ。(4Qの流れが変わってしまったポイント)オフェンスが機能しなくなったっていうのもあるがそのオフェンスが機能しなくなった影響がディフェンスにも悪循環で出た。しっかり切り替えできず、戻れなくてやられるというのが2本くらい続いた。それで気持ちが切れてしまったのかなと。(相手のディフェンスは)ゾーンディフェンスがマッチアップゾーンな感じだったが、1年かけて仕上げてきた感じはすごくあってローテーションも早いしパスカットを狙ってこようとするところも守るというよりは相手がディフェンスで攻めてくるような、そういう印象を受けた。明日もいろんな意味でオフェンスもディフェンスも相手は修正してくると思うのでそれにしっかり対応してやっていきたい。(次戦に向けて)結果を求めてまず勝って明後日につなげることと、あとは自分のバスケ人生は終わってしまうが一つの試合で一つでも多く収穫を得て後輩たちも一つでも多く収穫を得るというような一試合にしたい。ただ単に40分を過ぎていくだけの試合にはしたくないのでそれを意識してやっていきたい。
・唐澤(文4=伊那弥生ヶ丘)
出だしはよくなかったが、追いつけたときに逆転しきれなかったのが力のなさを実感した。(スタメン起用は)シーズン中は結果を残せなかったので、順位決定戦でいい終わり方をしてチームに結果を残せればと思って試合に挑んだが、力不足で負けてしまったので切り替えて明日頑張りたい。(上武大の守備は)相手の方が大きくて高さの利があったが、引いて守られたときにこっちの足が止まってしまったので、一人一人がゴールにアタックしていかなければいけない。(4年生が多く出たが)今まで頑張ってきた仲間なので、みんなで勝てればと思う。(次戦へ向けて)明日は2部の意地というか誇りを持って明日こそもう一度勝って気持ちよく終われるように頑張りたい。
TEXT=稲村真織 PHOTO=藤井圭