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第101回日本陸上競技選手権大会クロスカントリー競走兼第21回世界大学クロスカントリー選手権大会 日本代表選手選考競技会
2月24日(土) 国営海の中道海浜公園クロスカントリーコース
シニア女子8km
25位 白川 27’55
69位 和田 29’46
初クロカンながら自分のペースを守り切った白川
和田は苦手なアップダウンの克服に力を入れる
駅伝シーズンが終わり、新体制となった女子長距離部門から白川(食2=常総学院)、和田(食1=順天)がシニア8kmクロカンに出場。既にチームの主力として活躍する2人は、実業団の選手も多く参加する中果敢にレースに挑みトラックシーズン、駅伝シーズンにつながる収穫を得た。
普段走ることのない起伏の激しいコース、さらにクロカン初挑戦の白川であったが気負うことなく堂々としたレースを見せた。「目の前にいる人を一人ずつ抜いていけるように意識していた」という言葉通り前半こそ少し出遅れたものの、着実に前の選手を追い抜いていき中盤から後半にかけては集団を引っ張っていった。3年目に入る白川は今まで経験がない駅伝での長い距離への挑戦と、課題である筋力アップに向けて貴重な経験を積んだ。
また、昨年4位で表彰台を逃し悔しい思いをした関東インカレ5000mで狙うのは、15分50秒切り。成長し続けるエースの姿がチームの士気を高めることは間違いない。
さらに、駅伝シーズン中に1年生ながら重要区間を任され結果を出してきた和田も、後半に粘りを見せ健闘した。苦手とするアップダウンにおいて課題を確認し、「経験を積んでしっかり体からつくっていきたい」と克服を目指す。また、和田も1年目はトラックシーズンで満足する結果を得られず悔しい思いをしている。トラックで記録を出すことで、駅伝シーズンにいい流れを呼び込むことが期待される。
昨年の杜の都駅伝(以下、杜の都)は総合9位、シード権を目前で逃した。選手たちは流した悔し涙を決して無駄にはしない。新チームが掲げた目標は“杜の都で3番以内に入る”。白川は新体制となったチームの中で「走りでみんなを引っ張っていきたい」と、自身の役割を見据える。悔しさをバネに新たなスタートを切った女子長距離部門は、さらなる飛躍へ挑戦し続ける。
■コメント
・上岡コーチ
(出場の意図は)普段の練習ではないようなコースを走らせる練習の一環としていた。(二人を選んだ理由は)二人とも筋力がないのでクロカンのコースできたえたいと思ったし、白川は今年から長い距離を走っていかせたいのでこれからの期待も込めて出した。和田に関しては本人としても普段の練習に満足していない部分があるらしく、練習にないコースで経験を積ませたかった。(得た収穫や課題は)白川は思ったより走れたので良かった。実業団の練習に参加して、普段とは違った環境の中できたえられていると思う。和田は自信のない感じが出てしまった。(今後の目標は)選手たちが杜の都での3番以内を目標にしているので、そこに向かって頑張っていきたい。
・白川(食2=常総学院)
目の前にいる人を一人ずつ抜いていけるように意識していた。前に少しずついければいいなと思っていた。(収穫や課題は)自分が思っていたよりも走れたかな、という感覚があった。今は実業団のほうの練習に参加しながらの試合だったので、どんなものなのかという感じがあって監督からも練習の一環として走ればいいよと言われていた。(チームが新体制となって)3年生になるので学年も半分より上ということで、走りでみんなを引っ張っていきたいと思う。(今後の目標は)昨年は関東インカレが4番で表彰式を見ていてすごく悔しくて、来年こそはとずっと目標にしているのでチームを勢いづけたい。今までは15分台という目標だったが、15分50秒切りを絶対にして駅伝シーズンでも去年は長い距離は走っていないが、今年はやはり一番長い距離を任せられるようにチームの信頼を得られるぐらいの結果を残したい。チームとしても杜の都に出るという目標ではダメだと思うのでしっかり3番に入るという高い目標を持ってチームで頑張っていきたい。
・和田(食1=順天)
あまり調子がいい状態ではなかったが、すごい選手がいる中で走ることで雰囲気だとかレースだけではなくて、いろんなことを吸収できればと思った。(見えた課題は)筋力があまりなくてアップダウンに対応できていないところがあるので、走りの経験を積んでしっかり体からつくっていきたいと思う。(チームは新体制となったが)全日本でシードを落としてしまったのでしっかり3位以内を狙ってやっていくのはもちろんだが、先輩たちにまだ自分は1年生だからと甘えてしまっている部分があったと思うが、2年目ということでしっかり自分もチームの中心となって走りで引っ張っていけるような選手になりたいと思う。(今後の目標は)1年目はトラックの5000mでいい記録が残せていないので、春夏はトラックの記録を伸ばして駅伝に向けて流れをつくりたいと思う。
TEXT/PHOTO=稲村真織