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第60回関東地区大学準硬式野球選手権・準決勝
3月30日(金) 早稲田大学東伏見キャンパス軟式野球場
〇東洋大 3ー2 早大
(東洋大)
瀬下(営2=藤代)ー多田龍(ラ3=高松西)
完投勝利を決め吠える瀬下
高橋は持ち前の勝負強さを見せた
若原は二打点と打に貢献した
関東選手権準決勝は六大学リーグの早大。東洋大は序盤に先制点を許すも、瀬下(営2=藤代)の気迫のある投球が流れを呼び3ー2で勝利。決勝へ駒を進めると同時に、8月に行われる全日本選手権への切符を手にした。
一、二回と順調な立ち上がりを見せていた先発の瀬下。しかし三回、先頭打者に三塁線を抜ける二塁打を許すとバントヒットでチャンスを広げられ、ピッチャー強襲の内野安打で先制点を献上する。さらに相手打者が打ち上げたフライが強風に押し戻され、0ー2と早大に点差を広げられてしまう。対する東洋大打線は先制を許した直後の三回裏。若原(社2=九州学院)のソロホームランで一点差に持ち込むも、以降は相手先発から決定機がつかめず。勝負は手に汗握る接戦で終盤を迎える。
三回以降も瀬下の粘りの投球は続く。打者によって攻め方を変え、巧みな投球で追加点は与えない。瀬下の好投に応えたい打線は七回、投手の代わりばなを逃さなかった。伊藤(ラ1=成立学園)が左前に転がすと、寺田(ラ2=下妻第一)の犠打が相手野手の失策を誘う。さらに印南(文2=浦和学院)が内野安打で続き無死満塁、絶好機が訪れる。このチャンスを東洋大は確実にものにした。若原の押し出し四球で同点に追いつくと「(瀬下を)なんとか早い段階で楽にさせてあげたかった」と瀬下の投球に応える高橋(法1=八戸学院光星)の右前適時打で勝ち越し。高橋の勝負強さが東洋大に勝負をもたらした。
「投げる度に気持ちが前面に出る投球だった」と瀬下のピッチングを振り返る遠藤学生コーチ(営2=文京)。継投も考えたが、瀬下の気迫がそうさせなかった。ランナーを出しながらも一点を守りきり九回を完投。球数は147球、まさに粘りの投球だった。
決勝進出とともに全日本選手権への切符を手にした東洋大。関東選手権制覇まであとひとつ。山の頂はもう目の前だ。
◾コメント
・遠藤学生コーチ(営2=文京)
(試合を振り返って)最高だった。いままで打って勝つ試合が多かったが、今日の勝ち方は強いチームの勝ち方。こういった大事な試合で、当たり前のことが当たり前にできたことが良かった。(瀬下は)投げる度に気持ちが前面に出る投球だった。後ろの投手にも準備はさせていたが、最後までいってもらった
。闘志あふれる投手がいると野手も盛り上がる、今回瀬下には感謝したい。(次戦に向け)しっかりと優勝した上で、リーグ戦に入りたい。
・印南主将(文2=浦和学院)
瀬下が粘ってくれたのが大きい。七回にピッチャーが変わったのが大きかった。序盤は若原のホームラン1本だけで抑えられていたので、ピッチャーが変わったときに流れがきた。ここまで来たら優勝しかない。同じ東都の相手でリーグ戦ではなくトーナメントなので全部かけてやっていきたい。
・瀬下(営2=藤代)
完投は狙っていた。先制のされ方が良くなかったと思う。(ペース配分は)完投できることは分かっていたので不安なく投げた。最近野手がよく打ってくれるので、点を取られても中盤終盤で追いついてくれることはわかっていた。自分はバッターに合わせる投手なので多田さんの配球で自分の投球をすることを考えた。いままで準決勝などで投げる機会がなかったので、ここで抑えされたのは自信になった。(決勝へ向け)あとひとつなので死にものぐるいでとっていきたい。
・高橋(法1=八戸学院光星)
とにかく大事な1試合で勝てたので良かった。最近の試合は初球から振れてなくて結果が出なかったので、あの場面は初球から振っていこうと思った。それがいい結果につながったと思う。(瀬下は)勝ちたいという気持ちが出てたピッチングだったのでなんとか早い段階で楽にさせてあげったかったが、最後1本出たので良かった。(次の試合に向けて)最後気持ちよく勝って、関東王者で全日に挑みたいので、しっかり勝って締めくくりたい。
TEXT=大谷達也 PHOTO=大谷達也、土橋岳