Article

記事


2022.03.24
硬式野球

[硬式野球] 2022年度幹部特集〜2部から大学野球の頂点へ、最高学年の覚悟〜 最終週・小口仁太郎主将

1部昇格に向け、今後を占う春季オープン戦が現在行われている。春季オープン戦の試合記事とともに、2022年度幹部4名を4週にわたり紹介する。チームの軸となる彼らが見据えるラストイヤーとは。


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


2022年度幹部企画・最終週は小口仁太郎(法4=智弁学園)主将。1部昇格に向けて厳しい戦いが予想される中、主将としての姿やチームの在り方をどう見せていくのか。覚悟のラストイヤーが始まる。


 今年度、東洋大の背番号1をつける小口は、オープン戦で熱い眼差しを仲間に送っていた。攻撃ではベンチの真ん中で誰よりも大きな声を出し、守備では常に周りと確認を取り合う。そして仲間がマウンド上でピンチを迎えたときは、笑顔で声を掛けに行き、タイムをとって落ち着かせる。味方が死球を与えたときも、一塁手を務める小口は帽子を取り、相手選手に頭を下げる場面も。今まで見られなかった光景がグラウンド上に広がっていた。


 小口は主将の座に身を置くにあたり「口だけの主将にならない」ことを意識する。これには智弁学園高校での主将経験が強く影響していた。「高校の時は自分が一番動いた。3年間掃除をして、グラウンドにも最初に出て準備していた」と一番上に立つ人間として自覚ある行動を心掛けた。「その時の心は今になっても忘れない」と言うように、高校時代に培ったキャプテンシーは今もつながっている。


 本格的に1部昇格を見据えた今年のチームの雰囲気をガラリと変えた。投手陣と野手陣の連携を強化し、「当たり前のことが出来ない、やったらいけないミスも見逃さなくなった」と守備練習を徹底的に行った。昨年は失策を犯しても『しょうがない』とそのまま放置し続け、その結果2部降格という現実を突きつけられた。「試合の時は『しょうがない』でいい。でも練習で『しょうがない』だったら絶対に試合でミスが出る」。そのため練習中に気になるところがあれば止めに入り、厳しい言葉をかけることも。しかしその厳しさがチームに浸透し「いい雰囲気になっている」と仲間に信頼を寄せる。


 リーグ戦デビューは内野手転向をした2年の秋。3年の春には途中から4番を務め、中核を任された。そしてチームの大黒柱となり、いよいよ大学最後の春季リーグ戦を迎える。まずは「チームが勝つ」ことが最優先だが、小口自身も2部でのベストナインを目指す。最後に聖地・神宮で戦う権利を得るためにチームの先頭に立ち、熱い火花を散らす。


◇プロフィール◇

小口仁太郎(こぐち・じんたろう)

生年月日/2001・3・26

身長・体重/184㌢・84㌔

血液型/B型


~掲載一覧~ 

第1週目 「最強のピッチャー陣を」羽田野温生副主将

第2週目   「自分がチームを引っ張っていく」松本渉副主将

第3週目  「最高の1年にするために」矢吹栄希副主将


 ※学年は新年度のものです。


TEXT=宮谷美涼