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東都大学野球春季1部リーグ戦・立正大1回戦
4月12日(月)神宮球場
●東洋大3-5立正大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
立正大 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 5 |
東洋大 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
本塁打:佐々木(三回)
二塁打:宮本(二回)
松澤、●大宮(1敗)、河北、羽田野―廣岡
・打者成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (左) | 松本渉(営3=龍谷大平安) | 5 | 1 | 0 |
2 | (三) | 瀬川(総4=聖光学院) | 3 | 0 | 0 |
3 | (右) | 佐々木(営4=帝京) | 4 | 2 | 3 |
4 | (指) | 矢吹(総3=聖光学院) | 4 | 1 | 0 |
打 | 岡崎(営4=帝京) | 1 | 0 | 0 | |
5 | (遊) | 木村(総4=霞ヶ浦) | 4 | 1 | 0 |
6 | (一) | 小口(法3=智弁学園) | 2 | 2 | 0 |
7 | (中) | 宮本(総2=大阪桐蔭) | 3 | 1 | 0 |
8 | (捕) | 廣岡(総3=拓大紅陵) | 4 | 1 | 0 |
9 | (二) | 加藤響(総1=東海大相模) | 3 | 0 | 0 |
計 | 33 | 9 | 3 |
・投手成績
名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 失 | 責 |
松澤(営3=帝京) | 6 | 87 | 4 | 2 | 6 | 2 | 1 |
大宮(法4=鳥取城北) | 2/3 | 26 | 2 | 1 | 1 | 3 | 0 |
河北(営3=浦和学院) | 1 | 29 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 |
羽田野(法3=汎愛) | 1 1/2 | 14 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
ホームベースを踏み忘れというまさかの展開を起こした小口
今季チーム初の本塁打を放ちホームインする佐々木
(写真提供:東都ベースボールWeb)
一勝一敗で終えた青学大戦から一週間がたった。連勝してこのまま勢いをつけたい2カード目の相手は立正大。二回、小口(法3=智弁学園)のホームベース踏み忘れという痛恨のミスで大事な1点を手放してしまうが三回にはキャプテン佐々木(営4=帝京)の本塁打が飛び出し一気に3得点。しかし、このまま流れを引き寄せることはできず、攻撃は出塁止まり、守備では失策を犯し、3試合を終え負け越す形となった。
先発は先週の青学大戦で好投した松澤(営3=帝京)。一回は三者連続三振に抑える。しかし、二回表、四球で走者を出した後、神頭(立正大)に右安打を放たれる。佐々木が二塁に送球するも、加藤響(総1=東海大相模)の失策により二塁を刺すことができず。その間に比留間(立正大)が生還。先制点を奪われてしまう。
1点を追う二回裏、思いがけない事態が起こる。中前打で出塁した小口が続く宮本(総2=大阪桐蔭)の適時二塁打でホームインし同点。と思われたが、立正大ベンチからの「ホームベースを踏んでいない」というアピールプレーにより、無得点に。宮本の今季初安打であった二塁打は幻のタイムリーとなってしまった。まさかの展開にスタンドからは戸惑いの声が。杉本監督も「野球をやっていて初めてのことだった」と困ったように語った。小口にとっては好機を生かせない無念の結果となってしまった。
二回の悪い流れを断ち切りたい三回裏。先頭の廣岡(総3=拓大紅陵)が中前打を放つ。2死に追い込まれた状況で、瀬川(総4=聖光学院)が四球を選ぶと打席に立ったのはキャプテン佐々木。スライダーに対し「感触はよくなかった」と語りながらもバットにヒビが入るフルスイングで打ち上げた打球はレフトスタンドにまで届く本塁打となり、一挙に3点を奪い取る。空気を一変させる主将の一打にベンチからは大歓声があがった。
四回に1点追加され、1点リードで迎えた七回表。マウンドに上がったのは大宮(法4=鳥取城北)。相手の安打や盗塁で走者二、三塁と進塁された直後、大宮が送球失策。相手に2点を献上してしまったところでマウンドを降りる。あと1つのアウトが欲しいところで河北(営3=浦和学院)がマウンドを引き継いだ。これ以上の失点は許されない場面であったが、三塁への打球を瀬川が捕球できずさらに1点を追加されてしまう。この思わぬ2失策について「集中力が欠けていた」と杉本監督。負の連鎖が続いた。
八回表には今季初登板となる羽田野(法3=汎愛)がマウンドに上がる。148㌔をマークし2球でこの回をしのぐと続く九回も相手打線を寄せ付けることはなかった。しかし同時に東洋大打線は沈黙。2点ビハインドで九回裏を迎える。二者連続四球により、2死一、ニ塁のチャンスに代打として登場したのは岡崎。3球目を捉えた打球は高々と中堅方向へ上がるもバックスクリーンまで届くことはなかった。終わった瞬間、立正大の喜びの叫び声がスタンドに響き渡り、東洋大の選手たちはガックリと肩を落とした。
「東洋大学の日ではなかった」と語った杉本監督。集中力を取り戻し、果たして東洋大学打線が爆発する日は来るのだろうか。青学大戦と同様に一勝一敗に持ち込み、相手に流れを渡さない戦いを期待したい。
■コメント
・杉本監督
(ホームベース踏まないでアウトになったことについて)ホームベース踏まないでアウトになったことは、野球をやっていて初めてのことで、後のところも集中力も欠いた感じかなというゲーム展開でしたね。わからないですけど本人は絶対に踏んでいたと話していたし、仕方ないんですけども。端っこを踏むから悪いんだよという話になっちゃいますね。真ん中踏んどけば何もありませんしね。だからそこは現実の話、キャッチャーは見てないんですよね。ベンチから言われてそうなったわけですから。まあ、審判の方は見ていましたからね。まあ一番近いところですから、あまり考えられないプレーなんで、ベンチからのアピールプレーで、「あ、そうだったんだな」という感じですね。(七回エラーが相次いたが)僕がやったことじゃないんで心情的なところは分からないんですけど、ボーンヘッドじゃないという部分についてはあったんですけど。まあ、集中力ですかね。言葉にするとしたら集中力というところじゃないですか。(以前2戦目先発だった松澤投手が今回1戦目先発だったのは)それは、間が空いているというところがあったので。先週からその話もしていたので、細野の方が後ろにという形で。今日のチームはですね、調子がよくなかったと思います。(今日の試合というところについては)今日はエラーがなければ別に問題はなかったのかなという感じはしますけど。今日は東洋大学の日ではなかったんだと思います。
・佐々木(営4=帝京)
(理想的なホームランが出たと思うのですが)追加点を取れなかったということが非常に申し訳ないなという風に思います。(ホームランは変化球だったか)そうですね。スライダーだったと思います。(ご自身の感触は)よくはなかったんですけど、やっぱり今まで強く振るというのをやってきたので、その成果が出たのではないかなと思います。(音があまりよくなかったが)バットにヒビが入ってました。(それでもスタンドに届いていた理由は)今までしっかりやってきた成果があるのかなと思います。(意外に慎重にホームベースを踏まれていましたね)そうですね。あれだけ珍しいプレーだったんで、しっかり踏もうと思いました。
TEXT =宮谷美涼