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1部昇格に向け、今後を占う春季オープン戦が始まった。春季オープン戦の試合記事とともに、2022年度幹部4名を今日から4週にわたり紹介する。チームの軸となる彼らが見据えるラストイヤーとは。
(写真提供:東都ベースボールWeb)
第1週目は、新副将に就任した羽田野温生(法4=汎愛)投手。東洋大に入ってからの3年間、確かな成長を遂げ、抑えとして多くのマウンドを踏んだ右腕はついに球速150㌔を突破。ここからさらなる進化に期待がかかる。いよいよ「勝負の年」。新たに副将という役割を背負い、1部昇格の目標へと走り出す。
高校時代は強豪校がひしめき合う激戦区・大阪で、甲子園の切符をつかむことはなかった。最後の夏は履正社高校に敗れ、府大会ベスト16。しかし、たまたま東洋大コーチの目にとまったことで、最終的には東洋大へ進むことになった。
高校時代のけがが長引き、リーグ戦デビューは秋季リーグ戦の最終戦。1年生での登板は一度だったが、「そこでしっかり投げられたことが、次の年につながり、今がある」と振り返る。しかしながら、成長に期待を寄せた2年次、新型コロナウイルス感染症の流行で春季リーグ戦が中止。活動すらできない日々が続いた。ただ、この思いも寄らぬ状況に対し、何ができるのかを考え、プラスに捉え、精神的な成長を遂げた。
3年生になると、抑えとして主に最終回での登板が増え、球速の面で進化を見せた。かねてより「3年生までに球速150㌔」と語っていたが、春季リーグ戦で早くも到達。秋季リーグ戦は2部での戦いだったが、全試合で150㌔だけでなく、最速156㌔もマークした。しかし「まだまだ上を目指してやっていきたい」と満足していない。また、制球や変化球の面を課題点に挙げ、「しっかり克服したい」と気を引き締める。
最上級生を迎える前に、羽田野は副主将を任された。「副主将とかになるとは思わなくて」と振り返った彼を選んだのは、新主将である小口(法4=智弁学園)。『羽田野は立場でもっと変わっていくと思う』との理由からであった。しかし、副主将になったからには「ピッチャー陣を引っ張って、日本一のピッチャー陣、最強のピッチャー陣をつくりたい」という大きな目標を掲げている。
常々「自分の任されたところはしっかりと抑える」と口にしている羽田野。自身のラストイヤーはもちろん、チームにとっても1部昇格をかけた戦いが待っている。まずは、春季リーグ戦だ。「連勝して、優勝するくらいの気持ちで」との意気込みには「春、秋としっかり結果を残した上で、プロの方を目指してやっていきたい」という個人的な思いも隠されている。どれだけ上を目指せるか。投手として、副将として、羽田野の「勝負の年」が始まった。
◇プロフィール◇
羽田野温生(はたの・はるき)
生年月日/2000・4・24
身長・体重/188㌢・90㌔
血液型/A型
~掲載予定~
3月10日 松本渉副主将
3月17日 矢吹栄希副主将
3月24日 小口仁太郎主将
※学年は新年度のものです。
TEXT=青木智哉