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2022.06.17
硬式野球

[硬式野球] “打率3割超・3年の覚悟” 入替戦前特集〜橋本吏功外野手・石上泰輝内野手〜

入替戦前特集・第2日目は、チャンスに強い橋本吏功(総3=花咲徳栄)外野手と、多くの先制のきっかけを作った石上泰輝(営3=徳島商業)内野手。今季大いに活躍し、試合を盛り上げた3年生の2人の魅力とは。


・橋本吏功外野手



今季中盤から9番に身を置いた橋本吏は今季、打率.351、10打点をあげ、湿りがちな打線に刺激を与え、チームを何度も救ってきた。自身のバッティングに自信を持つ橋本吏に迫る。


 初週の東農大戦では思うような活躍ができず、打ち方を変え、挑んだ国士大1回戦。そこで今季初の打点を上げ、感覚と自信を掴むと、ここから橋本吏の快進撃が始まった。


 専大2回戦から自身初の9番を任されるように。これに戸惑いはなく、むしろ下位に変更したことで「チャンスが大好き」とよく口にする橋本吏の前に多くの好機が訪れた。「集中力が上がり、球が見えるようになる」と語る通り、ピンチにたじろぐ相手投手を前に、笑みを浮かべながら打席に立つと、あと1点が欲しい場面でタイムリーを放ち、リーグ戦中盤から打点を量産した。


 打ち方を変えたことが功を奏し、活躍の場を広げていくにつれ、自身の中で余裕が生まれるように。「たまたま打てたヒットではなく、しっかり見て打てるようになった」。また、2ストライクに追い込まれたとしても、動揺することはなく、「三振するイメージが湧かない」といつでも強気な姿勢を見せる。東洋大には、どういった状況でも物怖じしない強いメンタルを持った男が9番で待ち構えている。


 自身の強みは「勝負強さ」。しかし、9番を任されている以上は「自分が決めると思いすぎないで、その場面に応じたことができるように」と臨機応変に対応することを心掛ける。橋本吏の打席での立ち回り方が試合を占うキーポイントとなるだろう。リーグ戦の勢いそのままに、入替戦でも是非大暴れしてもらいたい。



・石上泰輝内野手



今季打率が急上昇し、クリーンナップの一角を担った石上泰。大一番の専大戦では流れを呼び込んだ。入替戦に向け、「1部に上がるしかない」の一言には、チャレンジャーとして挑む覚悟があった。


 攻撃面では「もうちょっと成績を出せたかな」と謙虚に振り返るものの、確実に成長を見せたシーズンだった。打撃では昨秋の打率.219から打率.361に上昇し、全体4位にランクイン。特に長打は6本と、主将の小口(法4=智弁学園)とあわせて打線の中軸を担った。


 そんな石上泰が大いに暴れたのは専大2、3回戦。自身も「調子がよかった」と2試合で10打数8安打をマークした。1戦目を落とした後の連勝に貢献し、大一番で結果を残した。

 

 昨春はベンチ外。ただ見てるしかなかった2部降格を「決まったことなので、仕方ないと思った」と振り返り、その直後から約1年、レギュラーとして1部を目指してきた。

 

 3番を務める自身の役割は、4番の小口にいかによくつなげるか。入替戦のキーマンに小口の名を挙げ、「頼もしいので、『お願いします』といった感じです」と、後ろに控える主軸に期待を寄せる。そのため「チャンスでの一本」を狙いつつ、「僕が出れば、もしかしたら点が入るかも」とどんな場面でも決して相手を逃がさない。


 入替戦を目前にして、「楽しみ」と目を輝かせつつも、「1部に上がるしかない」と息巻く。大舞台で今季一番の活躍を見せられるか。この1年で誰よりも成長した石上泰の姿に期待したい。





◇入替戦前特集◇

第1日目:2部優勝を振り返る

6月18日 松本渉副主将・小口仁太郎主将

6月19日 松澤海渡投手・細野晴希投手


TEXT=宮谷美涼・青木智哉 PHOTO=宮谷美涼