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平成30年度関東大学アイスホッケーリーグ戦
11月4日(日) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ
◯東洋大6―5明大(GWS)
[ゴール(アシスト)]
13:10 所(渡邉、古川誠)
18:48 所(出口、渡邉)
35:52 所(出口、古川誠)
57:33 古川誠(渡邉)
59:14 出口(所、阿部)
FW出口のシュートでチームを勝利へ導いた
リーグ戦大活躍のFW所
チームにとって欠かせない存在であるGK古川駿
東洋大らしいホッケーで宿敵明大を制した
関東大学アイスホッケーリーグ戦(以下、リーグ戦)2次リーグ6戦目は、1次リーグで1得点もすることができず悔しい結果に終わった明大との試合。「60分間選手が信じてやってくれた結果」と鈴木監督が語るように、選手全員が最後まで誰一人諦めることなくリンクを走り続け、GWS(ゲーム・ウイニング・ショット)の末6―5と見事勝利。宿敵である明大にリベンジを果たした。
試合開始早々、両チームともパックを奪い合う攻撃的なプレーが繰り広げられた。しかし開始9分に先制点を挙げたのは明大。その後も両者譲らぬ攻防戦が展開され、ゴール前での混戦が続いた。その状況の中、PP(パワープレー)のチャンスが訪れる。ゴール前でDF渡邉(社4=日光明峰)とFW古川誠(社4=白樺学園)が慎重にパスをFW所(社3=駒大苫小牧)に回すと、FW所はそのまま確実にシュートを決めた。これでFW所はリーグ戦5試合連続でゴールを決めたことになる。しかしその後明大の反撃が続き、2点連続でゴールを決められ1―3に。これ以上点差を広げられたくない状況でまたしてもFW所が2得点目を挙げ、点差を縮めた。ラスト53秒のところでPPとなり、FW清水(社2=白樺学園)が果敢に攻めた。しかしシュートを決め切ることができず。1点差で1ピリは終了した。
迎えた2ピリでも激しいプレーが展開される中、SH(ショートハンド)の局面でゴール前での混戦の中点を決められてしまう。さらにその1分半後、またも追加点を挙げられ2―5に。その後PPの状況になり、FW古川誠とFW出口(社4=駒大苫小牧)の連携パスから相手DFをすり抜けたFW所にパスを回し、勢い良くシュートを決めた。ラスト2分、明大のゴール前に相手チームが誰もおらずチャンスの中、FW古川誠がシュートするも、これは決まらず2点を追う形で3ピリに挑む。
試合が動いたのは3ピリだった。PPとチャンスを迎えた場面でFW出口のパスからDF福田(社1=日光明峰)がシュートするも、こちらは惜しくも枠外。その後もPPのチャンスが何度もあった。ラスト3分を切ったところでフリーだったFW古川誠がスティックでリンクを叩きつけ合図を送り、DF渡邉からパスをもらうとそのままシュートを決めた。ここで東洋大のタイムアウト、流れは東洋大に来ていた。最終確認をしたところで試合は再開。ラスト46秒でFW古川誠とFW阿部(社4=白樺学園)のアシストからFW出口がシュート。このシュートがゴールネットを揺らし5―5と同点に追い付く。勢いに乗った東洋大はラスト5秒にFW古川誠がシュートするもこちらは外れてしまう。最後まで諦めない東洋大のホッケーに観客も釘付け。ここで試合は終了し勝敗の行方はGWSに持ち越された。
会場は緊迫した空気に包まれた。GWS1本目、東洋大からはFW石橋(社3=駒大苫小牧)が起用された。FW石橋が確実にゴールを決めると、明大もゴールを決めた。その後2本のシュートをGK古川駿(社4=八戸工大一)がセーブするが、相手GKにもシュートを止められ、サドンデス方式に持ち込まれた。さらに緊張感漂う中、初めは両チームともゴールを決める。勝敗を決めたのは「あの技を絶対にやろうって決めていた」と語ったFW出口のシュートだった。それは相手に一度フェイントをかけシュートを決めるもの。「本当にうちの出口が最強だと思う」とGK古川駿が絶賛するようにこのFW出口の技が成功し、見事東洋大が白星を手にした。勝利が決まった瞬間、会場からも歓声が上がり、選手たちは笑顔を見せ喜び合った。
激戦を制し、秩父宮杯第66回関東大学アイスホッケー選手権大会ぶりとなるこの勝利にFW古川誠は「最初から最後まで東洋大のホッケーができた」と喜びを見せた。次戦は2次リーグ最終戦。リーグ戦の2戦とも明大を破り、波に乗っている早大との試合だ。1次リーグを全勝した早大に対しGK古川駿は「今度は僕たちが全勝をやり返す番」と闘志を燃やした。60分間最後まで諦めず信じ続けてつかみ取った今回の勝利は選手たちにとって大きな自信になったと言えるだろう。
▪️コメント
・鈴木監督
相手はすごくスキルが高いチームでそこで失点もしたが、自分たちのやるべき事、走る、当たる、プレッシャー行き続けるを本当に60分間選手が信じてやってくれた結果、最後の勝ちにつながったと思う。(勝因は)選手の気持ちが折れずに信じ続け走り続けてくれたことだと思う。(FW所のハットトリックについては)所はいつも体を張ってやってくれているが、本当にみんなで取った点数で、あまりきれいなゴールは無かったが、東洋らしさ、努力をし続けるようなゴール、全てのゴールが全員の努力で勝ち取ったゴールだと思う。(GWSの振り返り)まず1番手の石橋はシュート力があって今日のゲームでもかなりリズムを作ってくれてたので、起用に応えてくれたと思う。あとは出口が本当に最後まで決めきってくれた。古川駿も今日の試合を振り返って失点はもちろんしたが、最後まで集中力切らさずに勝ちに闘志を燃やし続けてくれたかなと思う。(次戦に向けて)本当に今日いいゲームができたので、自力優勝も勝ち取っているし、ここからの試合まだ苦しい状況が続きいているので、また0から1試合1試合集中して準備していきたいと思う。
・FW出口(社4=駒大苫小牧)
みんながあきらめないで戦えたということが僕らにとって大きなことかなと思った。昨日勝った流れは結構あった。(ギリギリで追いついた場面)阿部くんがいいところに流してくれたので、それを押し込むだけだった。阿部くんに感謝しています。(GWSは)1本目は外してしまって、2本目はシュートでいこうっていう気持ちがあったのでいつも練習で狙っているコースを狙って入れた。3本目はもう、あの技を絶対にやろうって決めていたので。あれが入って良かった。(プレッシャーのかかる場面)この間の中大戦に比べたら今日はもっとプレッシャーかかったので、落ち着いて決められたというのは良かったかなと思う。(第1セットのメンバーの得点が多かったが)所くんが一番手でプレッシャー速いのいってくれて、僕と古川誠が読む形なので。所も仕事してるんですけど、古川誠も結構仕事してくれているので、そこは連携があっているのかなと思う。(予選リーグは残り1戦)もう絶対負けられないので。次も絶対に勝って、決勝リーグにいい流れを持っていけるように頑張りたい。
・FW古川誠主将(社4=白樺学園)
今日は60分間通してペナルティも少なく最初から最後まで東洋大のホッケーができた。(それができたから)苦しいゲーム内容ではあったが勝つことができたんじゃないかと思う。(試合展開について)ずっと追いかける展開。最後まで誰一人諦めることなくゴールに向かう姿勢だったりブロックショットだったり1点を守り切る闘士だったりがあったので、最後同点に追いついてGWSで勝つことができた。(自身の得点について)ここ何試合かずっと決め切れない試合が続いていた。チームが苦しいときに決められるような選手になりたいとずっと思っていた。その場面が今日。自分がフリーだったので守り切って得意なコースを狙った。(明大に勝利した今の気持ちは)明大だからとかは思っていなかった。全勝しないと東洋大の優勝はない。どんな相手でも自分たちのホッケーをして勝ち切るのが目標なので、ここ2連戦で2連勝できたのはすごくうれしいしこれからの自信につながった。(中大、明大戦での2連勝について)春も明大に勝って中大に負けて、夏の交流戦も中大に勝ったので、今年は中大にも明大にも引けを取らないメンバーがいると思っている。自分たちのやるべきことをやれば結果は付いてくると思っているので、少しでもこのチームで笑って最後終われるように1試合1試合全力でやっていこうと話している。(次戦に向けて)早大は今首位で2次リーグを終わろうとしている。順位決定リーグもあるのでそこまでなんとか勝ち点差を縮めて、自分たちが優勝できるようにしっかり勝ち点3を取って順位決定リーグに臨みたい。
・GK古川駿(社4=八戸工大一)
最後まで諦めない気持ちでチーム全員戦えていたので、今日みたいな結果につながったと思う。(2日連続の先発だったが)疲れは大丈夫だった。5失点してしまったので疲れていたのかな。でも1番重要なのは勝つことなのでそれを達成できたのはうれしい。今までは相性を気にしていたと思うが、2次リーグ始まる前に相性とかあまり関係なく、調子いい方をつかっていくと言われていた。今シーズンスタートからいい安定感でセーブできていたのでそれで起用してもらって期待に応えることができて本当にうれしい。(GWS)やっぱり明治上手いっすね。本当にうちの出口が最強だと思う。今回も2本決めてくれて本当に感謝。石橋も決めてくれて、望んだコースを打ってくれた。頑張って追いついてくれたので味方に感謝。(要所で得点を決めた4年生がラストイヤーにかける思い)今まで一度も優勝していないし、最後の年なので絶対優勝したいという気持ちでプレーしている。(次戦にむけて)1次リーグでは早稲田に全勝されていて、今度は僕たちが全勝をやり返す番だと思うので、来週勝って2次リーグは全勝で終わりたい。
・FW所(社3=駒大苫小牧)
相手が明治ということで勝ちたいという気持ちが強く60分間最後まで諦めない試合をして勝つことができた。(ハットトリックを決めるという意識は)4人を信じてゴール前にしっかり入っていたらリバウンドがきてそれをしっかり決めれたというのが2点と、もう1点は圭太さんからいいパスがきたのでそのときはゴール決めるぞという気持ちで打った。(明大との試合は)春に初めて勝ったとき、ものすごくうれしかった。サマーはボロ負けしてすごく悔しかった。僕らがやることしっかりとやれば明治には勝てると思うが、永遠のライバルだと思う。(秋リーグ、ハットトリックは3回目だが強さの秘訣は)毎回僕が点数決めているときは家族とか応援してくれる人が来てくれているとき。そのときは結構力を発揮できている。友達なり家族なりの力があってこそ僕が得点できているのを今年はよく感じる。今日もお姉ちゃん、お母さん、お父さんが来てくれた。(次戦にむけて)勝ち点を一つでも増やして優勝を目指すためには落とせない試合なので勝つ。
・DF福田(社1=日光明峰)
みんな足が動いていたのでとても良かった。(自分は)そんなに足が動いてなかったけど、アシストができたのでいいかなと思う。(第1セットの得点力が高いが、ディフェンスとしては)つなげば決めてくれるので安心してパスが出せる。(明大はプレッシャーが速い)僕たちももっと足を動かして取りにいけば、簡単にブレイクアウトができるので足を動かせばいいかなと。(次戦に向けて)もっと焦らずに、冷静にやっていきたいなと思う。
TEXT=岡村珠里 PHOTO=金澤瑞季、伊藤なぎさ、越塚日南