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平成30年度関東大学アイスホッケーリーグ戦
11月25日(日) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ
東洋大3-4中大
[ゴール(アシスト)]
5:40 所(中村、福田)
37:53 所(武部、千葉)
59:18 出口(PS)
貴重な先制点に喜ぶ選手たち
全体のベスト6にも選ばれる活躍を見せたFW所(後列一番右)
頼れるFW出口のショット
主将・古川誠中心にインカレ王座を誓う
ついに迎えた関東大学ホッケーリーグ戦(以下、リーグ戦)最終戦。前の試合で早大に快勝し、その勢いのままリーグ戦を終えたかった東洋大だが、序盤にリードされた分を取り返せず。3ピリの追い上げ虚しく1点差で最後の白星を取り逃がした。
勝敗に関わらず順位が決定しているというモチベーションの保ち方が難しい状況の中、序盤は東洋のアグレッシブなプレーができずに試合が進む。開始5分はPP(パワープレー)のチャンスを今期チーム1の得点力を誇るFW所(社3=駒大苫小牧)が決めて活気づく。しかし、2分もしない内に中大にも1点を奪われる。その後互いに得点してリードを許したまま、2-3で最終3ピリへ突入する。
東洋大らしいホッケーができずに苦しい展開が続いていたが「精神的に崩れることなくやり切った」と鈴木監督が評価するように、ここから反撃をみせる。FW阿部(社4=白樺学園)とFW古川誠(社4=白樺学園)の連携でゴールを狙い、2得点を決めたFW所もFW武部(社2=苫小牧工)らとゴールを囲んで中大を翻弄。SH(ショートハンド)の隙に1点をさらに失うが、試合終了45秒前に好機が。相手FWのペナルティでPSを獲得するとGWSの名手、FW出口(社4=駒大苫小牧)が大きな1点を加えた。その後、4年生を中心とした6人攻撃で最後まで貪欲に1点を狙ったが反撃はここまで。3-4で敗北となり、順位は3位という結果で終わることとなった。
目指していた優勝は逃した。しかし、チームはここで終わりではない。1ヶ月後には日本学生選手権大会(以下、インカレ)が控えている。主将のFW古川誠は「どんなにリードされててもどんなに接戦でも絶対に追い付けるという自信になった秋リーグだった」と得点力に関してプラスの面を見出した。また、全チームから白星を挙げられたこともインカレ優勝に向けて大きな収穫だ。冬の苫小牧のリンクでは東洋大の校歌を歌う選手の姿がきっと見られるだろう。
▪コメント
・鈴木監督
スタート入りがエネルギー足りなかったかなというので、そこが今日の敗因だったと思う。ただ、このチームとしてのリーグ最終戦、3ピリまで精神的に崩れることなくやり切ったので、3ピリみたいなプレーを1ピリからできる準備というのをしなきゃいけないという部分。試合に関してはそういったことを選手に伝えた。(立ち上がりがよくなかった原因)1番はやっぱりモチベーションのところで、3位も決定していたし、かなり早稲田戦でもいいエネルギーを使っていて体力的な部分ももちろんあったと思う。ただそこは気持ちでカバーできるところだったので、精神的なエネルギーがスタートには少し足りなかった。(リーグ総括)スタートの法政さんにちょっと結果が出なくて、そこから少しチームとして向かう方向というか、どこに向かうのかというのが少し選手も迷ったところがあるんじゃないかと思う。総括的には1次リーグの入りがこのリーグの結果全てを握ったんじゃないかと、振り返ると思う。ただチームとしては2次リーグに入ってけが人が多い中、東洋のホッケー、走ってプレッシャーかけ続けて泥臭くやるというのをみんな信じてプレーできるようになった。そこがすごく成長だったんじゃないかって。どのチームにも勝ち星を挙げたし、自分たちのプレーをやれば勝てるというのを選手たちが証明してくれたんで、そういう意味ではこのリーグ戦というのは大きく意味のあるリーグ戦だった。インカレに向けて、チームにとって終盤いいリーグを戦えたんじゃないかと感じている。(リーグを通してのMVPは)所ですね。彼は本当にハードワーク、自分の体を張ったプレー、相手のプレッシャー、プラスアルファで数字を残した選手だったので、本当に東洋の象徴のような選手。(今後の改善点)今日の試合に関しては、本当にあまり走れてなかったのでそこは基本中の基本だけど、リーグの後半にかけてずっとやってきたのは5人が連動して動くということ。1次リーグは一生懸命やってなかったわけではないが、一人目が走っていても二人目が走っていなかったり、3人目が走っていなかったり。4番手が走っていても5番手が走っていなかったりというところで、5人の連動というところがあまり機能してなかったけど、うちはここから5人が連動していくということをやり続ければいい結果が出るんじゃないかと思っている。
・FW古川誠(社4=白樺学園)
今日の試合はモチベーションが難しい試合だったので、気持ちを入れてやろうとチームでなっていた。結果的に1ピリスタートから東洋大のホッケーができなくて苦しい展開で、ずっと追う形の試合だった。どんな試合でも絶対に勝つ気持ちでやらないとインカレも自分たちの目標に到達する前につまづいてしまうと感じた。(リーグ総括)負けた試合もかなり多かった。全チームに1回は絶対に勝てているのでそういう風にプラスに捉えたら、インカレでも全然勝てない相手ではないことが分かった。インカレまで失点が少ないホッケーに切り替えて頑張っていきたいと思う。(攻撃面の手応え)攻撃面で今年チーム全体を通して去年より得点を取れている。そういう面でどんなにリードされててもどんなに接戦でも絶対に追い付けるという自信になった秋リーグだった。(インカレへの修正点)どんな試合でもどことやっても点数は取れている。しっかり守って失点数が少ないホッケーをしないと、インカレは一発勝負なのでなるべく失点少なくして、しっかり守り切れるチームに変わっていかないと厳しいと思う。(インカレへの意気込み)インカレは4年生がこのチームでやる最後の大会。1ヶ月あるので、この1ヶ月で自分たちの課題をしっかり克服してどことやっても全力で自分たちの強さを見せて、結果的に優勝して終わりたい。
・FW出口(社4=駒大苫小牧)
(試合を振り返って)1ピリから中央のペースで自分たちのホッケーが全然できなかったので、そこが敗因かなと思っている。(ペナルティショットは)今日は入る気がしなかったが、氷も悪かったのでシュートで行こうっていうのは決めていて、入ってよかった。4年生になってプレッシャーを感じることが増えたが、そこをかいくぐって決めているというのは、少しはメンタルが強くなったのかなと思う。(秋リーグの総括)本当は優勝したかったが、まだインカレもあるのでそこに全部ぶつければいいかなと思う。(秋リーグでアシスト数がチーム1だが)決める選手が決めてくれているので自分はパス出すだけでいいかなという感じ。(インカレに向けて)絶対自分たちのホッケーを貫いて、優勝したいと思う。
・FW所(社3=駒大苫小牧)
勝てる試合を逃してしまったと思う。(敗因は)FWのスコアリングが悪くて、GKはしっかり止めてくれるのに援護できなかった。それが勝てないひとつの要因だと思う。(順位決定リーグの総括)1戦目は優勝かかってる試合だった。僕らは全勝すれば自力優勝も有り得た試合だったので、明大戦はいい意気込みでしっかりできていたはずだった。それでも明大の方が上回って負けてしまった。早大戦は順位がほとんど決まった試合だったので、まずはしっかり3位取りにいくことが決定事項。明大に負けた分しっかりいい、早稲田を上回るホッケーができたからいい試合になったと思う。中大戦は色んなアクシデントがあったが、そういう運も中大に味方してくれたし、僕らよりもいいホッケーを中大はしていたので、それがこう行った結果かな。4試合ともさほど悪い試合はなかったが、一番いい試合は早大戦だったと思う。(秋のリーグ戦通しての総括)個人的には得点面で調子が良かった。なぜいいかよく解らないけれど。初戦の法大戦で負けて、それがリーグ戦後々響いてきて順位もごっちゃごちゃになってしまった。初戦落としてしまったのがまず流れの悪いリーグのスタートだった。そこからみんな徐々にスコアリングよくなってきていた。とにかく優勝したかった。今日も最後4年生とここのリンクでできる最後だったし、すごく勝ちたかった。優勝ができないとわかってからは、最後だけでも勝ちたかった。僕個人も2得点で満足しちゃったのかもしれないし、もっと取れるところあったかもしれない。今日含め残念で、悔しい。優勝したかったし、今年こそできると思っていたので悔しい。(インカレの目標、意気込み)インカレだけでも絶対優勝する。ゴール面では決めると言うよりは、1本でも何本でもチャレンジしてシュートうって、それが得点につながればと思います。
TEXT=越塚日南 PHOTO=金澤瑞季、岡村珠里、川口朋珠