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12月6日(木)
ホテルヒルトンシーホーク
新たな船出を迎えた甲斐野
「緊張した」と話した会見
ドラフト会議から約1ヶ月が経ち迎えた福岡ソフトバンクホークスの新入団選手会見。これからのプロ野球人生が楽しみと言わんばかりの表情で甲斐野(営4=東洋大姫路)は会見に臨む。
「まだ着られてる感じがしますね」。真新しいソフトバンク背番号20のユニフォームに袖を通し、語ったのは甲斐野だ。会見で憧れの選手を尋ねられると真っ先にあげたのは、ソフトバンクの「千賀投手です」と力強く答えた。球威のあるストレートと鋭く落ちる変化球のコンビネーションを武器にする先輩に聞きたいことを尋ねられるも「まずは聞けるだけの選手にならないといけないので」と謙虚な姿勢を見せた。
同期入団選手は育成指名を合わせ11名。この日訪れていた父・有生さんも「10年間1軍でプレーできる選手は10%ほどと聞いた。その10%になって欲しいですね」と次なる舞台へと進む我が子を目を細めながら見守る。
東洋大としては大場(H19年度営卒)ぶりにソフトバンクへ入団した甲斐野。実に11年ぶりの入団に球団関係者も感嘆の声を漏らす。「背番号20は甲斐野央」と前年までその番号を背負った寺原隼人に変わり、名を刻む覚悟。これからも豪腕伝説は止まるところを知らない。
■コメント
・甲斐野(営4=東洋大姫路)
まだ実感は湧いてない。でも、チームの一員としてやっていくんだなと。背番号20も初めて付ける番号だし、ユニフォームも変わるので新鮮ですね。まだ着られてる感じが。付けたい番号とかは本当になくて、貰った番号を自分の番号にしたいと思ってた。番号を知ったのは昨日。ユニフォームの採寸をした時に渡されたのが20番のユニフォームで、それで知った。仮契約の時は本当に知らなかったんですよ。今まで参考にしてきた先輩は千賀投手。自分のフォームが崩れてるって感じた時とか、モチベーションが下がってる時は動画を見てた。投げ方は似てないんですけど、どういう身体の使い方をしてるのかとかそういうところを見させていただいてる。実際に生で見てみたいですね。(前日の寮見学では)柳田選手に挨拶した。身体も大きいしオーラがすごかった。寮自体もすごい綺麗だし、施設がすごい。工藤監督が「日本一の設備」という風におっしゃっていたけど本当にその通りだと思う。
1年目の目標としてはまずは一軍に定着すること。新人王を掲げさせてもらっていますが、多く投げないと獲れない賞なので。球速はMAX158㌔が出てますけど、まだ1球だけ。常時155㌔がマークできる投手になりたいです。
・甲斐野有生さん(父)
本人は実感がわかないと言ってましたが、実際にユニフォーム全て着ている姿を見たら気が引き締まりましたね。大学時代はたまに球場に行って、出てくるのを待って少し話すだけだったけど、プロの世界で1軍でプレイできる間はテレビ中継があるので。投げてる時はちゃんと見たいです。一回指名を受けた後に帰省してきた時にはそりゃ大騒ぎでした。色んな近所の人たちからお祝いしてもらってましたよ。帰ってきた時にこれといってかけた言葉は覚えてないですね(笑)央が言ってたように息の長い選手として活躍して欲しいです。10年間1軍で過ごせる選手は一握りらしいので、その中に入れるような選手になってくれたら嬉しいです。
TEXT/PHOTO=須之内海