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平成30年度関東学生アメフト秋季リーグ戦
12月2日(日) 東工大大岡山キャンパス
●東洋大42ー56東工大
14|1Q|7
7|2Q|21
0|3Q|14
21|4Q|14
川島が繰り出す効果的なパスが攻撃の要となる
チームに得点を与える大西のラン
TDを決めた大西(手前左)に駆け寄る仲間たち
田松は得意のランで着実に敵陣に攻め込んだ
白星を勝ち取ることで1部入れ替え戦出場となる、平成30年度関東学生アメフト秋季リーグ戦(以下、リーグ戦)の最終試合。4年生を中心に6本のタッチダウン(以下、TD)を奪うも、東工大の猛攻を防ぎ切れず42ー56で完敗した。悲願の1部昇格へのチャンスが潰える結果となった。
開始20秒、鮮やかに先制のTDを奪ったのは東洋大だった。QB川島(ラ4=岡山城東)が、相手の一瞬の隙を突きインターセプトリターンTDを決めるビックプレーを見せる。幸先のいいスタートを切ったが、すかさず東工大にランとパスをうまく織り交ぜたプレーで攻め込まれTDを許す。これで同点に追いつかれるも、チームに焦りは見えない。中盤にはRB宮崎(ラ2=明学東村山)が、相手ディフェンスをものともしないパワープレーでTD。もう1度リードすることに成功した。しかし、2Qは早々に2本のTDを決められまたも同点に。なんとかWR大西(国4=関東国際)のサイドラインギリギリを走り抜けるTDなどで突き放しにかかるも、2Q残り19秒でさらにTDを奪われ、21ー28で前半を折り返す。
後半に入ると、東工大の攻撃が勢いを増していった。3Qで2本のTDに、21ー42と点差だけが広がっていく。この状況でチームを引き上げたのが、攻撃陣の中心であるWR大西だった。最終Q、もう後がない局面で今試合2度目のTDを決めると、これに続くように4年生が奮起。オフェンスリーダーのLB櫻井(文4=県立川越)の堅い守りと、WR大西からWR田松(文4=秋田南)へ一気に敵陣に攻め込む鋭いパスプレーでチームの士気も上がる。攻めの手を緩めることはなく、ついにQB川島のパスを受けたWR田松が執念のTDを奪う。さらにWR森(ラ2=正則)が意地のTDを決めるも、東工大の背中をつかむことはできず42ー56で敗戦した。
「素直に悔しい」。リーグ戦で快進撃を続けたチームをこの1年間引っ張ってきた主将のWR田松は、そう口にした。惜しくも届かなかった1部昇格の夢は、次の代に託すことになる。常にチームの中心であり続けた田松をはじめとした4年生の背中は、後輩たちの目によく焼き付いているはずだ。来期こそ、夢の実現へ。今後も東洋大アメフト部VIKINGSの挑戦は続いていく。
▪️コメント
・WR田松(文4=秋田南)
1部昇格を目標に4年間ずっとやってきて、自分が1年生の頃に1部との入れ替え戦を経験して、もう一回経験したいという思いがずっとあった。2年生、3年生のシーズンは本当に苦しかったが、今年はチャンスが巡ってきて、チームの勢いもあったので、自分たちの代で昇格したいという思いがあったので、素直に悔しい。(今日の試合は)点の取り合いになることは少し予想はできてたが、もう少しオフェンスが引っ張れたなと個人的には思う。足りなかったいう感じ。(チームの雰囲気は)今日の試合落としたら終わりという状況の中で、ベンチが沈んでしまう時も常に声を出してくれる選手もいたし、フィールドでもみんな鼓舞してやってこれた。チームはみんなで戦っているんだなという感じがした。(主将としての1年間は)正直しんどかった。自分はキャプテン肌ではなかったけど、周りの同期も、後輩たちも自分たちで考えて行動するというのが習慣になっていて、そういう意味では周りの人に支えられてきた。コーチ、スタッフの人にも恵まれて、自分たちのことを本当に考えてくれていて、最後結果を残したかったが、主将としてこのチームを引っ張れてよかった。(支えてくれた人への思い)両親も地方から筑波大戦以外全部見に来てくれて、恵まれてるなと思う。アメフトを4年間続けてこれたのも両親のおかげなので、これから社会人になって恩返しできたらなと思う。チームにも4年間お世話になって、かわいい後輩たちなのでこれから何かサポートできたらと思う。(後輩たちへメッセージ)続けて死ぬ気で頑張れとしか言えない。必死で努力していくことが大事だと思う。自分たちもこれが正しいかどうか分からないで、模索し続けてやってきてここまでこれたので、何か一つのことをやり遂げることも方法なのかなと思う。正しいと分からなくても何かやってみるということを伝えたい。
・川島(ラ4=岡山城東)
入れ替え戦は意識せずに目の前のプレーをやってそれを積み重ねて勝とうという話だったので、そこで勝てなかったのはすごい悔いが残る。(攻撃面は)準備してやってきたことををそのまま出そうという話で、悪くはなかった。(4年間を振り返って)辛かったです(笑)。最後も結果が出せずに悔いが残ってしまったけれど、また新たなVIKINGSで頑張って欲しい。(同期の4年生に向けては)もう感謝しかないですね。みんな一緒に戦ってくれて頼れる同期でした。(大西とのホットラインは)こいつに投げれば何とかなるという感じだった。大西、田松の二人は特にそうですね。感謝してます。
・櫻井(文4=県立川越)
悔いの残らないように全力で戦おうと思ったけれど、最終的に負けてしまって悔いが残る試合となった。(4年間を振り返って)最初はきつくてこのまま4年間続くのかなぁと思う時もあった。でも徐々にアメフトを知ってできることが増えていって楽しさを味わって、最後の年は何回か勝つこともできて本当にアメフト楽しかったなと思えるようになった。(同期について)1年生の時から活躍してる頼れる仲間がいっぱいいて、その同期に引っ張られるように自分も頑張った。最終的には副将という形になって、今度は引っ張る側となって頑張ろうと思っていたけれど、結局は同期に支えられて4年間を終えることができたのかなと思う。(後輩たちに向けて)やっぱり勝たないとアメフトは楽しくないので、やっぱり勝ちにこだわって今年できなかった1部昇格を目指して頑張ってほしい。(期待の選手は)足立ですかね。プレーとしてはセーフティとしてハードなタックルをしてくれる選手。体はちっちゃいけれど強い気持ちで大きい相手にもしっかりタックルしてくれる。
・大西(国4=関東国際)
勝たなきゃいけない試合で負けたということは練習が足りなかったという、それに尽きると思う。(1部昇格も見えてきていたが)いけると思ったが春から絶対いこうというふうに思いながら練習を積んできて、しっかりそれを前半戦は出し切っていたと思うがどこかで負けてしまってそこがやっぱり足りない、だだそれだけだった。(4年間を振り返って)1年生のときに入れ替え戦に出場できて本当に自分が卒業するまでに1部昇格したいなというのがあったし、最低限上の入れ替え戦に出場するというのは僕の使命というか、自分たちの代の使命だと思っていたが、それはできなかったので本当に悔しい。でもやっぱり4年間の中でフットボールの成長もそうだが、人間的成長というのもすごくできたなと思うし恵まれた環境でアメリカンフットボールができたことにはすごく感謝している。(後輩たちに向けて)何が正解かはわからないのでそれがわからないから試行錯誤しながらそうやってチームが成長していく、それが学生スポーツの醍醐味だと思うしそれが楽しいからこそ負けて悔しいし、勝ったらうれしいし。やっぱりそういうのが楽しいのでいってほしい。本当に頑張ってほしい。
TEXT=稲村真織 PHOTO=松本菜光花、美浪健五