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2018.12.15
準硬式野球

[準硬式野球]記者の目 Web特別編 4日連続インタビュー 第1日目 ~遠藤由樹編~

 関東選手権大会初優勝、2年連続全日本選手権大会出場、春季リーグ戦、秋季リーグ戦ともに3位と躍進の年となった今年度。全日程を終了した選手の今の思いを4日間連続でお届けする。


選手に声をかける遠藤(左)


鋭い眼差しで試合の行方を見守る


秋季リーグ最終戦では自らマスクを被った


  第1日目は学生コーチの遠藤(営3=文京)。今年度の功績は1年間指揮を執った遠藤の活躍なしには語れない。 


   コーチに興味を持ったきっかけは中学時代に捕手を経験したことだ。初めは乗り気ではなかったが「180度野球の見方が変わり、全体を見て1人1人サポートしたいという思いが芽生えた」と話す。硬式野球の学生コーチを目指していたが、セレクションでの入部も多く諦めかけた。しかし準硬式野球の学生コーチの存在を知り、東洋大で準硬式野球部に入部。捕手としてプレーし3年生で学生コーチに専任した。この1年間は「リーグ戦で結果を出せず苦しかった」と遠藤。小学3年生で始めた野球人生の中で1番苦労した年と言い切る。リーグ戦を終え引退した今でも「自分がしっかりしていればもっとやれたのでは」と口にした。自分のわがままで練習量を増やし、チームメイトにきつく言ったこともある。結果にこだわり続けたからこその苦悩があった。それでも最後は「いい経験だった、やらせてくれたみんなに感謝」と仲間へ謝辞を述べた。人一倍悩み、チームのことを常に考え抜いた遠藤の存在が準硬式野球部の飛躍の影にあった。



――野球を始めたきっかけは

父親の影響ですね。自分が物心ついた時には父親が所属する会社の草野球チームの試合を見に行っていて、小学3年で地元のクラブチームに入りました。ポジションは色々やりましたね。本格的に捕手をやり始めたのは中学1年生の秋。外野手をやっていて、捕手はやりたかったわけではなかったです。立ったり座ったり、何かしでかせば怒られて嫌だなと思っていました。でも、1つ上の投手の球が速く、この人と早く釣り合えるようになろうと思い始めると楽しくなっていきました。考えることも多いですが、成功すれば人一倍楽しいなと。野球やるなら全員一回は経験してほしいポジション。捕手をやらせてもらって、野球の考え方が180度変わった。1人だけ逆を向いてやる重みもあったし、その分チーム全体のことを知ってなければならないし。捕手をやっていなかったら学生コーチもやりたいとはならなかったと思います。学生コーチをやりたいと思ったのも全体を見て選手一人一人のサポートだったりとかをできればと思ったからですね。

 

――野球をしていて1番苦労したことは

今年度の春に関東選手権で優勝できて。でもそこからなかなか勝てなかったですよね。リーグ戦、春も惜しい3位で。夏、全国大会で中京大にリベンジということで、さあやるぞとみんなに苦労も掛け準硬式野球でやる練習なのかというほど練習量も増やして。同期もこんなに今年もやるのかと散々文句言っていたんですけど。(笑)長期休みの間もみんな遊びたいなか、自分のわがままを聞いてくれて練習して、でも勝てなくて。選手のみんなに本当に申し訳ないことをしたし、このチームでどうしたら勝てるかわからないと言ってしまった。2年生の時にみんなが遠藤学生コーチやりなよって言ってくれたのに申し訳なかった。3位という順位はいい数字なのかもしれないですけど、もっと上を狙えるチームだったので、結果を出せなかったのは苦しかったですね。自分がもっとしっかりしていればもっと上いけたんだろうなと。今でもああしておけば良かったということがでてきます。

 

――印象に残っている試合は

勝った試合だと、関東選手権大会の準決勝の早大戦。オープン戦などで戦ったことはありましたが勝てるイメージがなかったです。早大が初めにレギュラーできて、途中で引っ込めてくれてやっと同点に追いつけるぐらいだったので、早稲田かという思いで。野手はまだしも投手はいつも瀬下、割石、木村を1試合で全部使ってしまっていいのか、と頭を悩ませましたね。一回から九回まで緩めることがなく、気迫のある試合でした。1段ギアが上がりました。本当はいけないだろうけど勝った瞬間マウンドに集まってしまった。写真を見返すと自分が一番に飛び出していて恥ずかしかったです。(笑)優勝が決まったわけではなかったので戻れと言われました。(笑)負けた中では今年度の全日本選手権大会の中京大戦ですね。3-1くらいで勝つと思っていたのですけれど。勝つと思ったのがいけなかったんですよね。相手の投手の技量もそうだし、本当に強いチームって1球逃さずそして1球ミスらずやってくるんだなと。試合終わったあと相手のチームに余裕があったんですよね。やられたと思いましたし、こういうチームを秋季リーグ戦で作りたいと思いました。

 

――今年のチームはどんなチームでしたか

選手の気持ちの面では芯のある選手が多く、集中力がありました。性格はバラバラだったがやるときは1つにまとまってやれるチームでした。楽しかったですね。先輩、後輩の距離が今年はすごく近かった。高橋(法2=八戸学院光星)や伊藤(ラ2=成立学園)とかがあまり話さない子との間に入ってくれたり、3年だったら寺田(ラ3=下妻第一)とか牧(ラ3=駒込)とかが後輩との距離を取ってくれたりしてました。楽しくやりつつ一致団結して、同じ目標に向かってやれました。普段は本当にふざけたチームでしたけどね。(笑)

 

  

◆遠藤由樹(えんどう・ゆうき)

生年月日/1996・12・16

身長・体重/170㌢・70㌔

好きな食べ物/カレーライス

応援している野球チーム/日本ハムファイターズ

好きな芸能人/反町隆史・天海祐希


TEXT=鶴田華穂