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12月23日に開幕する全日本大学女子サッカー選手権大会(以下、インカレ)に3年連続の出場となる東洋なでしこ。(東洋大は12/25に2回戦からの出場)12/21~12/24までの4日間、スポトウ記者注目の選手たちを特集していきます。第2弾はGKの垣内愛菜選手です!
足元の強さは持ち味の一つ
東洋なでしこの正GKとして、4年間ゴールを守ってきた垣内。そんな彼女にはチーム、そしてインカレに対する強い思いがあった。
1年時から出場機会を得ると、2部優勝を果たした1年時の関東大学女子サッカーリーグ戦(以下、リーグ戦)では失点数をリーグ最少の4失点に抑え優秀GK賞を受賞。1年生ながら1部昇格の立役者となった。そんな垣内が4度目のリーグ戦を終えて「あの試合があって今の自分がある」そう語ったのは1年時、優勝がかかった大東大戦。この試合で垣内は開始早々に一発レッドで退場してしまう。試合は引き分けに終わったものの優勝を決めることはできず、もどかしさだけが残った。しかしそんなときに励ましてくれたのはチームメートだった。その優しさに「一人でやっているのではなくみんなでやっていることをすごく感じた」と垣内。その気持ちは今でも忘れることはない。
今季のリーグ戦で垣内のセーブがピンチを救うシーンは何度もあった。「DFの背後のボールのケア」が得意だと話す垣内は、試合中前に出ることが多い。臆することなく飛び出しDFのカバーをする献身的なそのプレーに、チームに対する思いが現れている。
インカレが東洋なでしことして戦う最後の大会となる。昨年のインカレは4位に終わり悔しさが残った。「今年は絶対取り返しにいく」と話す垣内にはこの大会に懸ける思いがある。昨年の3位決定戦の大体大戦、東洋大が仕かける中で80分に大体大にカウンターを食らい失点。「自分のミスで負けてメダルを逃した」と振り返る。
その悔しさをバネにこの1年間やってきた。普段は優しい性格の垣内だがピッチに入ると表情が変わる。「あのときの悔しさをもっとみんなに伝えられるように、ああいう失点が絶対無いように」後ろから声を出し、ときには厳しいことも言うようになった。そんな垣内に、戸田監督も「春先から少しずつ変わり始めてとてもいいGKになった」と信頼を寄せている。
インカレはトーナメント一発勝負、それだけに軽率な失点は許されない。「愛菜さんいるから大丈夫だよって言われるくらい後ろで安定したGKになりたい」と話す垣内は「統率を取って0で抑えていきたい」と気を引き締めた。誰よりもチームを思う東洋なでしこのGKは、その手で日本一に導く。
インカレこそは日本一を誓う
◆垣内愛菜(かきうち・あいな)
162㌢
H8・6・5
学部・学科/食環境科学部・食環境科学科
出身/大商学園
O型
好き食べ物/チョコ、オムライス
好きなサッカー選手/谷川みどり(高校時のGKコーチ)
TEXT=金澤瑞季